これも少し前の教育関連トレンドですが、「ゲーミフィケーション」という
言葉を聞いたことがあるかもしれません。
「ゲーム」というと、ようは遊びの延長で学ぼう、、みたいな感覚にとらえられるかもしれませんが、そうではなくて、「ゲーム要素」、「ゲームデザインの手法」を、ゲーム以外のシステム や サービスに取り入れることが、「ゲーミフィケーション」です。
よく勘違いしている例に、「ゲーム(遊び)を研修に取り入れる!」とか言って研修の中にリフレッシュ、団結(?)の為に、ゲームを行うというのがあって、有名な「とっても“楽しい” マシュマロ・チャレンジ!」なんてのがありますね?
(下らない研修でやったことがある人も多いはず)
実はこれって、学習にとっては弊害の方が非常に大きいわけです。研修と全く関係のないゲームに集中し、その前後の内容が習得できなくなるパターンです。
本末転倒とは正にこのことですね!
「ゲーミフィケーション」とは、ゲーム特有の構成要素を学習や研修に取り入れて効果を得ようとする試みです。「ゲーミフィケーション」の構成要素には、下記の3つがあります。
・ダイナミクス
>ゲーミフィケーションのプレイヤーが得られる経験
・メカニクス
>ゲーミフィケーションの基本的なプロセス
相変わらずわかりにくいですね、、、、、こういうことを言うから普及しないんです、、(と思う)
さて、例として構成要素をあげると、
「チャレンジ、協力、競争、謎解き、コントロール、探求、発見、ゴール、インタラクション、失敗できる環境、物語、現実性、ロールプレイ、ルール、足場かけ、自己表現、戦略性、意外性、運・・・」
のようになります。
ゲームの基本的な要素としては、
・ゴール
・ルール
・フィードバック
・自発的参加
がありますが、自発的参加をのぞけば、教育、学習のロジックとよく似ています。
歴史的な経過で言えば下記のようになります。
「ゲーミフィケーション」という言葉が出てくるまでは、「シリアスゲーム」というものがありました。社会問題解決のための「ゲーム作成」。 社会における……のためになるゲームの開発・利用、 市販ゲームの教育用途での利用です。しかし、これはあまりにも費用対効果が低いため、すぐに衰退しました。そこで出てきた考えが「ゲーミフィケーション」です。
個人的には、「ゲーミフィケーション」については若干ネガティブな思いを持っていますが、ナッジ(nudge:そっと後押しする)のような考えは結構好きです。リチャード・セイラーの考えも完全には賛成できませんが、それはそれで面白いとは思います。
「ゲーミフィケーション・デザイン」のプロセスとしては、下記のようになります。
1) 達成したいゴールの設定
2) ターゲットの明確化
3) 取り入れるメカニクスやゲーム要素の検討
4) 活動全体のデザイン
5) 使用するツールや必要なリソースの選択・作成
6) パイロットテストによる確認、修正
まぁ、これを教育デザインとしてみると
・ ガニェの9教授事象
・ メリルのID第一原理
・ コルブの経験学習モデル
・ ケラーのARCSモデル
の要素も多く含まれますね、、、
そういう意味では、「教育デザイン = ゲーミフィケーション」と考えれば、、、まぁ、いいか、、ということにもなるかもしれません。
本来、学習が「楽しい」ならそれにこしたことはないはずです、、、でも、、、企業内教育に関しては、、、ほぼ無いですね、、、
とはいえ、これも一時のトレンドとして消え去りつつあります。つまり、、、誰も大した成果を提示していないからです。
なんか、悲しいものがありますが、仕方ないですね、、、