最近は少子化のために、「塾」の形態が変わってきているということを以前記しました。
これまでの「集団座学」から「個別指導」に完全にシフトした感があります。
まぁ、当然その方が成果がでるでしょう?
とは言いながら、実際の「塾」の「個別指導」というのは、自習させて、問題を解かせ、できなかったところについてアドバイスを行うということで、それなら「塾」なんて行かなくても、自宅で問題集を買ってやればいいじゃない? という話なんですが、、、
受験生もその親も、学校、塾、、何かに通っていないと不安になるという心理は理解できるので、それはそれで仕方ないことなんでしょうね。
「ご講演座学」や「垂れ流しの e-Learning」が成果を出せないので、少し教育を齧った教育担当者がいる企業は、「メンター制」、「コーチング」なんかを取り入れています。特に、新入社員に適用する場合が多いと思います。
そこで、今回は「メンター制」、「コーチング」と「認知的徒弟制」について記してみたいと思います。
「メンター制」
年齢の近い年上の先輩社員等が、新入社員や若手社員を1対1なり1対多で、サポートするという制度です。メンター、メンティ、、、なんてよく聞きますね?
「コーチング」
相手の話を聞き、観察や質問、提案などをして相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法のことで、答えを与えずに、あくまで自分自身の気付きに重きを置いて目標達成をサポートする方法です。これも最近はビジネストレンドなのでよく聞きますね?
「認知的徒弟制(Cognitive Apprenticeship)」
ジョン・S・ブラウンやアラン・コリンズにより唱えられた理論で、親方(熟達者)と弟子(学習者)の間で古くから行われてきた徒弟制の職業技術訓練に着目し、その学習プロセスを認知的な観点から理論化したものです。
この3つは、どれも「集団」ではなく「個別」ということです。
「メンター制」や「コーチング」についてはご存じな方も多いと思うので、今日は「認知的徒弟制」について、、、
「認知的徒弟制」のプロセスは、
(1)モデリング(modeling)
(2)コーチング(coaching)
(3)スキャフォールディング(scaffolding)
(4)フェーディング(fading)
となります。
内容としては、
・学習目標について、今何を学んでおけば先に何ができるようになるか、因果的な関係を学習者自身が分かるような工夫をする。
・学習すべきことがらを学習者が既に知っていることやできることに結びつけ、次に何をすればいいかを学習者の目からも見えやすくする。
・できるかできないかをテストするのではなく、できたらなぜそれでできるのか、それができると次はどんなことができるはずかを考えるような習慣を持ち込む。
・一人ではできないことには手助けを与え、まずできるようにしてから、その後それを一人でもできるように導く
確かに「成果」はでますね、、、、
でもね、、、、問題は、
「効率が悪すぎる!」
そりゃそうです、「メンター制」、「コーチング」、「認知的徒弟制」すべてが「効率」が悪すぎるんです!
よく制度として、新人のOJT期間なんかに「メンター制」をとっていたり、工場系の現場などで「認知的徒弟制」をやってる企業もあるでしょう。
右も左もわからない新人には、効率は悪くても、とりあえず仕事ができるようにするという考えは間違ってはいません。
しかし、ここでは2つのデメリットが出現してきます。
1つは、メンター、コーチ、親方の「知識」「スキル」を超えられないこと。
もう1つは、優秀な人は業務最優先なので、メンター、コーチ、親方にはならず、あまり仕事ができない人がなる。
ということです。
このデメリットおよび「効率」を改善する方法は、なかなか見つかりませんね?
それでまた、「ご講演座学」や「垂れ流しの e-Learning 」に戻って行くわけです。