いまだに頭の整理がうまくできないが、衝撃から少し時間がたったので、なぜ? と、今後のために、ということを他人事目線で考えてみました。
まず、なぜ今回のようなことになったのか? 真相は当事者でもないし熊大にいるわけでもないので全くわからないですが、前回記したように原因はいくつもあるんだろうと思います。
私的に最大の原因は、残念だけれど鈴木先生たちのやってることの重要さや必要性がポピュラーにならなかったこと、それは、様々な方面へのアピールが弱すぎた、のではないだろうか? と思います。
大学で教育や、教育工学なんかをやってる人たち、私のように企業内教育を考えてる者にとっては、熊大教授システム学専攻およびRCiSは、「教育・学習」における「純然たる日本のトップアカデミア」であったわけですが、一般的には、、? 多分、ほとんど知られることなく終焉を迎えました、、、ね(残念過ぎる!)。
下記の事項は、アカデミアの、特に人文系の方たちには、非常にありがちなことです。
・自分たちの研究に没頭しすぎて、広報活動をおざなりにしてしまう、、、、
・真正な研究をやっていれば認められる、と思い込んでいる
たしかに、昭和の余裕のある時代ならそれでもよかったと思います。
しかし、この人文系に強烈な逆風が吹いている“間違った時代”、それでやっていけるほどどこにも余裕はなく、立教の某氏みたいにいろんな企業と組んでアピールしまくる必要があったわけです。(内容やレベルはともかく、、、、、アピールしないと継続できない、、、、)
たしかに、鈴木先生は何冊も素晴らしい本を出し、翻訳・監修もし、政府関連や企業、海外への教育支援等、相当多忙だったと思います。しかし、なぜそれをもっとアピールできなかったか?
本人はできないのだから、そういう専任の人を雇うべきだったと思います!
そういったデザインが必要だったわけです。
こういった発想がないのは、アカデミア一筋でこられた方々の最大の弱点だと思います。
企業においては、いや一般社会においては、どんなに素晴らしいことをやっていても、それを外に発信してアピールしなければ、まず認められませんし、継続は困難になります。
人には寿命があり、定年があり、、、、それを見越して、どこからの力によっても潰されない城を築くべきだったし、そのデザインをするべきだったと思います。
地震で壊れた熊本城は綺麗に再建されつつありますよね?
それは、熊本城の価値を多くの人が認め、再建を望んでいるからです。
沖縄の首里城も同じですね、、、
大森先生が鈴木先生を招聘して、これまでにない画期的な研究機関ができていたのだから、その継続及び発展をデザインするべきだったのです。
教授システム学専攻、RCiSだけでなく、インストラクショナルデザインもこれで全く勢いがなくなると思います。
真正な教育・学習は、遠い雲の上、、、、って感じです。
あと、今後も継続されるかどうかわかりませんが、一般の人を対象にした「公開講座」(私も受講し、会社の人たちに宣伝し何十人か受けさせました)。とても良い企画で、アピールする姿勢はみられましたが、コロナの影響もありオンライン、、、、になり、、、、という不幸な状況もありましたね、、、
ただ、ARCSに拘りすぎて、肝心のインストラクショナルデザインの影が薄くなっていた内容に不満はありました。
正直、企業内教育の担当者等にとっては「内発的動機付けの崩壊」のところでも記しましたが、ARCSはあまり効果がありません、、、、、アカデミアとしてARCSに拘るのはわかりますが、現場、実践ではまず不可能だということです。
今回の騒動で、インストラクショナルデザインが忘れられ、真正な教育・学習を実現できなくなることが大変心配です。