louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「適切」が、適切ではない場合 ~ 「SMART」が、SMARTではない場合 ~

e-Learning で実施するインストラクション「学習目標」について、何年か前に下記のようなチェックリストを作りました。


1.「学習目標」と「教育の目的」を区別して、「学習目標」だけが明記されている。

2.「学習者」が主語で、この教育を受けて「何ができるようになるのか?」が明記されている。

3.測定可能な 合格基準、及び 評価条件 等が明記されている。

4.「観察・評価できる具体的な動詞」 +「~できる」のように表現されている。

5.1つの文章に 1つの学習目標 で構成されている(箇条書き)。


各項目に例(サンプル)をつけて提示したのですが、、、、、


まぁ、できないこと、、、、どうしようもない状態でした。


しかし、これは作った私が全面的に悪いのです。

誰もがこれくらいまでブレイクダウンすれば、流石にわかってもらえるだろう、、、というあまい期待がありました。

 

何年か前に、まだ熊大にいた平岡先生と共同研究という名のもとに、仲良くさせてもらっていた時期があります。

 

その時、平岡先生曰く、

「真正な学習目標を作ることが一番難しい」

「大学の教授でもほとんどの人がめちゃくちゃな学習目標をつくる」


しかし、この頃の私には、この言葉があまりピンときませんでした。

インストラクショナルデザインを普通に学べば、


・「学習目標」=「事前・事後テスト」

・具体的

・測定可能な評価基準

・インストラクションを受けて「何ができるようになるのか?

くらいは理解できて、完璧ではないが、ある程度のレベルの「学習目標」が作れるだろうと思っていました。


それに加えて、各企業では、例の念仏(?)「SMART」を誰もが口にしていた時期であり、、、、


(SMART)

 

1.Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す

2.Measurable(測定可能な)
目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す

3.Achievable(達成可能な)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する

4.Related(経営目標に関連した)
設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する

5.Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する


「学習目標チェックリスト」「SMART」も、書いてることはほぼ同じですよね?

適切? SMART?

「SMART」で各人の年間業務の「目標」を作れという大号令がどこもありましたよね?


こちらも、結果は、、惨憺たる・・・・という企業が多かったのではないでしょうか?


学習者(対象者)レベル前提知識がどのくらいか、、を確認することなく実施した側の責任です。

 

また、悲劇的な「学習目標」で最も多かったのは、、、、


・○○の状況で、適切な回答(行動)ができる


でした、、、、。


(適切(てきせつ))とは、

「目的や状況にあっていて、ふさわしいこと」という意味。

曖昧の極致です!


正直なところ、頭を抱えました。


何が「適切」で、何が「適切でない」の?

どうやって評価すればいいの?

具体性はどこにあるの?


「適切」が、適切ではなく

「SMART」が、SMARTではない


これは、社外での講演・セミナーにおいてもそうでした。

講演後のアンケートやメールのやり取りで、

「チェックリストを元に「学習目標」を作ってみました!」

と、送られてきた「学習目標」にも、

・・・・・適切な対応がとれる。

ばかり、、、、

 

たしかに、平岡先生の言うことは正しかった、、、、です。

そういえば、平岡先生を招聘して、ワークショップを開催したことがあり、その際にも、「学習目標」を作成してもらいました。

その時は、半数以上がある程度のレベルで使える「学習目標」を作成できたのですが、

いざ、実際のインストラクションの機会には、、、

 

・○○の状況で、適切な回答(行動)ができる

の嵐、、、でした。

 

やはり、個別対応でないと、、、、難しいというお話でした。