今回は、 ”「バグ理論(Bug Theory)」をどう活かすか? ” というテーマで少し考えてみます。

誤答に関する考えの中に、「バグ理論(Bug Theory)」というものがあります。
教育工学・認知心理学・AIによる学習者モデルなどでよく出てくる考えで、特に CAI(Computer-Assisted Instruction、Computer-Aided Instruction)での教育においては、「2段階理論」「REPAIR理論」などとともに語られますね?
(バグ理論:Bug Theory)
情報処理的アプローチに基づく誤答理論の一部である誤り生成モデル。
学習者がなぜ誤答するのかを、単なる間違いではなく「合理的な情報処理の結果としての誤り」と捉えるもの。
学習者の誤答を合理的な情報処理の結果として捉え、誤った知識構造や手続き(バグ)を分析・分類することで、学習支援や教育改善に役立てる理論。
誤答は、正しい手続きのネットワークの一部が変形していることにより生じる。
誤答発生の多くは、でたらめなものではなく、規則性がある。
・Bug(バグ)
Bugとは、学習者が持つ誤った知識構造や手続きのこと。
「偶然の間違い」ではなく、一貫性のある誤りパターンとして現れる。
誤答には理由があるという前提で、誤答を分析・分類する。
・要素
知識ベース(Knowledge Base):学習者が持つ知識の集合
誤り生成ルール(Bug Rules):誤った知識や手続き
ということです。
「学習」の中(学習をしているという前提)で、実はこのバグによる誤りというのが最も多いのではないかと思ったりもします。
例えば、テストで95点とかを取って、
「ケアレスミス、、、だった」
というような場合です。
以前、 ”「ケアレスミス」をなくすには? に固執しなくてもイイ! ” では、
「99点だったけれど、本当は100点」という人に、
「99点」という結果は変わりません。
ということを記しましたが、このケアレスミスに「バグ理論」が活かせれば、「学習」の質は変わってくるように思います。
勿論、100点をとったからといって、それが ” 完璧な100点 ” なのか、もしかするとバグの影響で ” 間違って100点をとった ” のか、、、という議論もあるでしょうが、とりあえずそれは置いておきます。
”「偶然の間違い」ではなく、一貫性のある誤りパターン ”
を見出すことができていない「学習者」はかなり多いように思います。
また、応用(知的技能)をする場合に、毎回、同じバグにひっかかって、完全な回答ができない、、、というのは、テストだけではなく、 ” 仕事の面 ” でもよくあるのではないでしょうか?
「真面目で、様々なことを勉強してるんだが、、、いつも最後の最後で何か違う(ズレてる)んだよなぁ、、、」
といった人が必ず周りにいるのではないでしょうか?
” 概ね正しい ”
というのが、仕事の面では実は最も危険であり、無能の証であるようにも思ったりします。
” リーダー論 ” は大嫌いですが、リーダーになった人は、部下のそういった部分を一度検証してみてください。
つまるところは、「完璧に理解していない」「一部を誤解して理解している」ということがわかれば、本人にとっても有益であるでしょうから、、、