louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「グループダイナミックス(Group Dynamics)と、コンフリクト(Conflict)」

今回は、「グループダイナミックス(Group Dynamics)と、コンフリクト(Conflict)」について考えてみます。


グループやチーム、クラスを纏めようと考えるリーダー、先生様、教師、講師などは、よく ” グループダイナミックス(Group Dynamics)” というコトバを使います。


(グループダイナミックス(Group Dynamics)


・心理学者のクルト・レヴィンによって研究された集団力学のこと。

・集団において、人の行動や思考は、集団から影響を受け、また、集団に対しても影響を与えるというような集団特性のことを示す。

社会心理学の一分野であり、集団規範、集団目標の凝集力、集団の決定などの在り方などの考え。

・集団と個人の相互関係。


ようは、集団が集団を構成するメンバーに影響を与え、集団を構成するメンバーも同時に集団に影響を与えるということですね?


集団にとっても、構成員にとっても ” いい影響 ” を期待して、” グループダイナミックス” を上手く使おうとします。 


まぁ、当たり前と言えばこれほど当たり前のこともありません。人間が存在し、群れやグループを作るのですから、当然のように身近な人からの影響はあります。

 

通常、「家族」というグループがまず最初になりますね?

人は、親や兄弟からの影響を受けて育ち、またその人自身も、親や兄弟に影響を与えます。


「集団」である場合、大小の差はあっても、必ずグループダイナミックスは発生します。

グループダイナミックス

「教育」においても、(グループダイナミックス)の考えはよく議論されます。


(グループ・ダイナミクスを意識した教育のメリット)として、


・協調性の向上

学生が他の人と協力して問題を解決する能力を育てる。社会的スキルとチームワークの能力を向上させることができる。


・多様な視点

グループ内での議論や協力は、学生が他の人の視点を理解し、異なる意見を尊重する機会を提供する。


・自己効力感の強化

グループでの成功体験は、自己効力感を高め、自己信頼を向上させることができる。


・問題解決能力

グループでの討論や協力を通じて、問題解決のための新たなアプローチや戦略を学ぶことができる。


といったことが語られます。


複雑かつ高度な研究などを行う場合、学習者一人の能力ではどうにもならないことが確実にありますし、グループ全体で何かに取り組むには多くの人の能力が集結すれば1+1が3にも4にもなることがあります。。


また、グループメンバーが互いに結びつき、一体感を持つ度合いのことを「集団凝集性(Group Cohesion)」と言います。


「集団凝集性」は、集団に”留まらせるための動機づけを行う心理的な力”のことで、これを高めようとリーダーや先生は様々は方略をとるわけです。


(集団凝集性の要素)


・相互依存

メンバーが共通の目標を達成するためには他のメンバーに依存していると感じること。


・共有の目標

グループ全体が追求する共通の目標や目的。


・相互の尊重

メンバーが他のメンバーの能力や貢献を尊重し、価値を認めること。


・共有の経験

メンバーが共に経験した活動やイベント。


上記の要素が高まると、(集団凝集性)は強まり、グループはより効果的に機能するらしいです。


よく事例に出てくる「団結した強いチーム」という感じですね?


ただ、(集団凝集性)が高まりすぎると、(グループシンク:集団の意見が一様化し、異なる意見が抑圧される現象)が発生する可能性があるということのようです・・・・


これでは、「団結した強いチーム」どころか、


「リーダーの言うコトがすべてのチーム」

「声の大きい人の意見が通るグループ」

「JTC!」


と同じですね?


(グループシンク(集団浅慮))

 

集団の意思決定において、合意形成へのプレッシャーが多様な視点や批判的思考を抑制し、その結果集団が不適切な決定を下す現象のこと。


学校でも企業でも、このような状況に陥っているクラス、グループ、チームがほとんどのようにも思います。


そして、こういったことを打破するには、” コンフリクト(Conflict)” が必要ではないかと考えます。


(コンフリクト(Conflict))


・異なる意見や要求などがぶつかり、緊張状態にあること

・集団内で異なる意見や要求が衝突し、双方が妥協しない状態のこと。

・論争・争い・衝突。


一般的に、(グループダイナミックス)を考える場合、(コンフリクト)をなるべく回避するために、


” 否定、批判、攻撃はしない ”


というルールを決めたり、

なるべく ”モメナイ ” ように持って行くリーダー、先生様が多いと思いますが、

それでは、


” 何も新しい意見、アイディア、案はでてきません ”


以前記した「学会での謎ルール」である「若手育成のために、批判はしないでください」というのと同じで、全く意味がありません。


なぜ、グループダイナミックスを考えるのか?


”チーム、グループ、クラスで目標を達成する”

”これまでとは違う新しい何かを創り出す”

”低迷から上昇に変える”

”成果を上げて、昇進したい”


ため、ですよね?

 

それには、集団の構成員それぞれがフリライダーにならず、真剣に考えた結果を持ち寄る必要があります。

そこでの(コンフリクト)というか、ある意味で「思考の ” 闘い ” 」は必然だと思うのです。


勿論、

「人格批判・否定」があってはなりません。

 

あくまで、論理的に

 

「問題、課題の内容だけについての意見」

 

を出します。

幾つかの意見がぶつかり、それぞれの正当性や効果・効率を吟味するということが、


「遠いようで、実はゴールへの一番の近道」


だと思うのです。

 

当然、知識が足りなかったり、的外れな意見も出てくるでしょうが、それを上手く排除したり、学習を促したりすることがリーダーや先生様の役割です。


一人の能力だけで完結するのであれば(コンフリクト)は避ければいいし、(グループダイナミックス)など考える必要はありませんよね?


また、「上下関係による忖度」を避けるために、リーダー、先生様は自分の案や意見をなるべく表に出さないことが肝心ですね。

 

それと、意見を闘わせれば、人間ですから、遺恨が残ったり、嫌な思いをするかもしれません。

 

しかし、極論を言えばそんなことは ” どうでもいい ” し、” 知ったこっちゃない ” というグランドルールを最初から提示しておけばいいのです。


実際にこういったことができる集団は伸びるしょうし、リーダー、先生様は成果を手にすることができると思います。

もし、そういったことをやれる覚悟がないのであれば、(グループダイナミックス)なんて考えないことです。


今回も、独善的な内容になってしまいましたが、学校、企業においての数十年の経験から、そんな風に考えるわけです。


当然のことながら、友達同士の ” なかよしグループ ” では、こんなことはしちゃダメですよ!