louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「学習」における「アンカリング(Anchoring)」について

今回は、”「学習」における「アンカリング(Anchoring)」”というテーマで考えてみます。 「アンカリング(Anchoring)」というのは、大好きなダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」で大々的に広まった選択心理の概念、理論です。 (アンカリング(ア…

「忘れる学習」を忘れてしまった・・・ ~ 「想起強度」と「保存強度」 ~

根拠のない「トレンド」が、出てきてはあっという間に消えていくという状況は、いつの時代にもあることですが、現代はネットのおかげでその数の多さ、そのスパンの短さはすさまじいものがありますね。 少し知的だと自任している人は、「溢れている情報を選別…

「適切」が、適切ではない場合 ~ 「SMART」が、SMARTではない場合 ~

e-Learning で実施するインストラクションの「学習目標」について、何年か前に下記のようなチェックリストを作りました。 1.「学習目標」と「教育の目的」を区別して、「学習目標」だけが明記されている。 2.「学習者」が主語で、この教育を受けて「何が…

「自分は他人よりできる」と思っている ~ 人材育成と評価の乖離 ~

今回は、「人材育成と評価の乖離」ということで、少し考えてみます。 「人材育成」というと、 ・個々の従業員の能力やスキルを高め、その人材が組織の中で最大限に活躍できるように支援し、その成長を促進すること。 ですが、 「能力」や「スキル」を高める…

行動や思考(&嗜好)をカテゴライズすることについて ~ 「MBTI」や「VARK」 ~

「行動分析」「行動科学」「コーチング」のようなモノが流行った時代がありました。 大きな企業だと、人事部や教育研修部門から「パーソナリティアセスメント」として、「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」などをやらされているのではないでしょうか? …

「集中力(concentration)」なんて気にしない!

教育・学習関連の文脈だけではなく、あらゆるトレーニング、訓練等の中で、「集中力(concentration)」については、過去から現在、そして未来にも永遠と語られます。 「学習には集中が必要」 「集中しろ!」 「集中力が足りないからだ」 「集中力が続かない…

「ラーナードリブン(Learner Driven)」は”ドライブ”したか?

スターバックスの「人材育成」や「マネジメント」が話題になったことがありました。 様々な書籍が出され、スターバックスがいかに「素晴らしい企業」であるかということが語られ、例のごとく ”マネ” ようとした会社やリーダーが次々に現れましたね? ハワー…

「SAMモデル(Successive Approximation Model)」を日本企業で? ~ 絶対にムリです! ~

インストラクショナルデザインを学んだ人なら、「ADDIE」と「SAM」のプロセスモデルがあることは誰でも知っていますね? また、特にインストラクショナルデザインを学ばなくても、教育関連の研修やセミナーを受講された人なら、「ADDIE」くらいは聞いたこと…

「30人学級」にすれば学力が上がる? ~ そんなわけないでしょ? ~

今回は、かなり前から呪文のように繰り返される「少人数クラス」についての考察です。 文科省がどこかの専門家(?)の意見を取り入れて、小中学校では「35人学級」→「30人学級」、、、、などという政策を主張していますね? 世間のリベラル(?)な博識…

「WYSIWYG」ではなくて、「WYTIWYG」

今回は、「WYTIWYG」について少し考えてみます。 「?」 「WYSIWYGじゃないの?」 (WYSIWYG(ウィジウィグ)) コンピュータのユーザインタフェースに関する用語で、ディスプレイに現れるものと処理内容(特に印刷結果)が一致するように表現する技術。 Wha…

ソーンダイクの「trial and error」 ~ Halo, Law of effect, Readiness ~

ビジネス関連では「ハロー効果」で有名な、エドワード・L・ソーンダイク(Edward L. Thorndike)の「試行錯誤学習」と関連した事案について考えてみます。 (ハロー効果(Halo effect)) ・一部の特性が他の特性に対する評価に影響を与える心理学の現象。 …

「記憶の活性化拡散(Spreading activation)」と「学習&インストラクション」

「活性化拡散」という考えがあります。「脳」の「記憶」についての概念なので、心理学や脳科学などでたまに取り上げられますね? (活性化拡散) ・ある情報が活性化されると、それが他の関連する情報を活性化し、さらにその情報が他の情報を活性化する(思…

「90/20/8の法則」信仰の企業研修 ~ pathetic lie ~

今日は、企業内で行われる「研修」で、盲目的に”信仰”されている「90/20/8の法則」について考えてみます。 これは企業で「研修」を企画・運営したり、参加したことがある人ならだれもが知っている、、、悪い神話(?)のようなものです。 「The Creative Tra…

いまだに「ほうれんそう」「ソラ・アメ・カサ」などと教える、”日本の人材育成”

入社するやいなや、「研修」というほとんど無意味なものが待ち受けていますね? 「人材育成」の名のもとに、人事部や、教育担当の部署なんかがやってきて、聞くのが苦痛な、わけのわからない「研修」をやります。 正直なところ、ほとんどが無意味なので、「…

SMEや教師には、「インストラクショナルデザイン」を学ばせない方がいい!

企業においては、 ・SME(Subject Matter Expert:内容領域専門家)・インストラクター 学校では、 ・教師 に、 「インストラクショナルデザイン」を学ばせない方がいい! という考察です。 SMEにインストラクショナルデザインを学ばせるな! 極論といえば、…

「テスト作成」の現状マトメ・・・

今日は、これまで学んだり、情報収集したりした「テスト」についての「作成」する際のマトメとして羅列してみます。 年のせいか(?)どうも忘れてしまうことがあるので、、、、 「テスト」というものを専門として研究している人や研究室もあるようで、なか…

「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」と「IDモデル」との関係性

「4C/IDモデル」や「スキーマ理論モデル」、「ライゲルースの精緻化理論」のところでも少し記しましたが、 今日は、「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」と「ID(インストラクショナルデザイン)モデル」について考えてみます。 「認知負荷」という考え…

「1万時間の法則(10,000 Hour Rule)」を批判する知識人たちが多すぎて・・・

以前記した、「ティッピングポイント(Tipping Point)」のマルコム・グラドウェルが有名にした「1万時間の法則(10,000 Hour Rule)」についての考えです。 1万時間の法則 (1万時間の法則(10,000 Hour Rule, Ten-Thousand-Hour Rule)) 物事を極めたエ…

「ゆとり教育」と「詰め込み教育」 ~ Fast and Slow ? ~

「学校教育」においては、定期的に「ゆとり教育」と「詰め込み教育」が繰り返します。 日本の戦前戦後の「学校教育」は、ある意味「ゆとり教育」でした。 この時期の”ゆとり教育” は身分や金銭的な構造に飲み込まれた、現代で考える”ゆとり教育” とは違うも…

「STEAM教育」はイイ考えなの?

「STEM教育」(Science、Technology、Engineering、Mathematics)から、芸術やデザインの要素(Arts)を加えて「STEAM教育」となってもう10年以上が経ちますね? (STEAM教育) Science(科学) Technology(技術) Engineering(工学) Arts(芸術) Math…

「理想的な教育」 ~ チョムスキーの思考 ~

「教育の理想」や、「理想的な教育」を語る人は何億人といます(もちろん、私もその一人)。 政治的な発言や著書で有名なノーム・チョムスキー(Avram Noam Chomsky)もよく「理想的な教育」を口にします。 元々(?)が「言語学」の人なので、「普遍文法(U…

”インストラクショナルデザイン”を「批判する人たち」と「推進しようとする人たち」

今日は再度、 「なぜ”インストラクショナルデザイン”が日本で普及しないか?」 ということについて考えてみます。 インストラクショナルデザイン 理由・原因は、もちろんいくつもあります。 今回は、理論やモデルの弱点等については考えずに、”外的な要因”を…

「ドロップアウト予測」という”無意味さ”と”ムダ”

AIが再注目されてから、以前よくやっていた”学校や会社を辞める人たちの特徴や原因”を分析する「ドロップアウト予測」がまた息を吹き返しています。 昔は、ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)を使った「ドロップアウト予測」なんかが、学会で毎年の…