louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「30人学級」にすれば学力が上がる? ~ そんなわけないでしょ? ~

今回は、かなり前から呪文のように繰り返される「少人数クラス」についての考察です。


文科省がどこかの専門家(?)の意見を取り入れて、小中学校では「35人学級」→「30人学級」、、、、などという政策を主張していますね?


世間のリベラル(?)な博識者も、「早く実現を!」とか、「海外に置いて行かれる、、」と声を揃えます。


その流れ(トレンド)で、企業内教育「少人数でやらなければダメだ、、」という思考にもなりました。

少人数クラス

「少人数クラス」推し進める人たちの意見の多くは下記のような感じです。


・個別指導が可能になる

少人数クラスでは、教師が生徒一人一人に対してより丁寧に指導できます。生徒の理解度や進行状況を把握しやすく、個々のニーズに合わせた教育が可能になる。


・生徒同士の関係性が深まる

少人数であれば生徒同士の交流が増え、より深い人間関係を築くことができる。チームワークやコミュニケーション能力の向上に繋がる。


・教師が生徒をよく知ることができる

クラスの規模が小さいと、教師は生徒一人一人の個性や学習スタイル、強みや弱みをより深く理解することが可能となる。


・クラス管理が容易になる

少人数のクラスでは、教師がクラス全体を管理しやすくなり、問題行動の早期発見や対応が可能になり、学習環境の維持が容易になる。


・安全性の向上

生徒の数が少ないと、教師が生徒一人一人の安全をより確実に確保することができる。


・自信と参加意欲の向上

少人数クラスでは、発言する機会が増え、自分の意見が聞かれる確率が高まる。生徒の自信を育て、学習意欲の向上に繋がる。

 

一方、反対する側の学校や教師の意見は、

 

・教育費用の増加

少人数学級では、教師の数を増やす必要があるため、教育費用が増加する可能性がある。教室の数も増やす必要があるため、設備投資費用も増える可能性がある。


・教師の負担増

生徒数が少ないと、教師の負担が増える可能性がある。教師のストレスが増え、教育の質が低下する可能性もある。


・多様性の欠如

少人数学級では、生徒の数が少ないため、多様な意見や視点を持つ生徒と接する機会が少なくなる可能性がある。生徒の視野が狭くなり、多様性を受け入れる能力が育たない可能性がある。


といった感じですね?


こういった意見の中で、少しでも考えてみようか? という気にさせられるのは、

 

・個別指導が可能になる

少人数クラスでは、教師が生徒一人一人に対してより丁寧に指導できます。生徒の理解度や進行状況を把握しやすく、個々のニーズに合わせた教育が可能になる。

・教師が生徒をよく知ることができる

クラスの規模が小さいと、教師は生徒一人一人の個性や学習スタイル、強みや弱みをより深く理解することが可能となる。


くらいですね、、、、

他については「学習」に関係の無いことなので省きます。


では、この2つについて考えてみます。

・個別指導が可能になる
・教師が生徒をよく知ることができる

これは、塾の「個別指導」がある一定の成果(?)を挙げているので、一見まともな意見にも思えますが、

 

ほんとうにそうでしょうか?


「少人数」になったからといって、教育デザインを変えない限り「学習」は促されませんよね?

「塾」「個別指導」になり、「ご講演座学」という方略をやめました。


「少人数」で、「ご講演座学」をして「学力」が上がりますか?


・クラスの”人数”が問題なのではない! 


ということに、国も学校も教師も企業も気づきません。

それがこの国の最大の問題なのです。


・「教えることをやめる」という発想は全くありません。

・「学習させる」という発想は全くありません。

・「レベル分けクラス」という発想は全くありません。

 

学習者が自宅や学校で「学習」し、疑問点やわからないところをサポートしてもらうという形態にすれば、「少人数」の意味があるでしょう。


・1時間目:自習(学習)
・2時間目:教師へのQ&A、理解している人は自習

・3時間目:自習(学習)
・4時間目:教師へのQ&A、理解している人は自習

という風にでもすれば、「少人数」の良さが活き、「成績向上」にもつながるでしょう!

しかし、

・1時間目:ご講演座学
・2時間目:ご講演座学

・3時間目:ご講演座学
・4時間目:ご講演座学


という現在のスタイルであれば、

 

「30人学級」でも「1000人学級」でも「学習」には全く影響がない

 

と思います。


「学習」にはそれぞれの「時間」が関係します。

しかし、「教育」には、「人数」も「時間」も殆ど関係がありません(「レベル分け」方略だと関係はありますが)。


学習」を促す「教授デザイン」がまずは必要なのです!

 

そのことをわかる人が、、、、この国に何人いるのでしょうね?

10人くらいかなぁ、、、、、(いや、100人はいるかな?