今回は、地方の高校普通科でよく行われている「ゼロ限補習」について考えてみます。
九州の多くの高校で始められ、四国やその他の地域でももう10年以上前から行われている「ゼロ限補習」とか「0限授業」とか言われるものです。
(ゼロ限補習)
公立・私立問わず多くの高校で実施されており、1時限目の授業に先立って行われることから、高校によっては「0時間目」、「0時限目」、「朝学習」、「朝補習」、「朝特課」、「早朝講座」、「朝活動」、などと称されている。
高校の場合、通常は1時限目は8時台後半にはじまるので、昔は7時台に起床して、8時半くらいまでに登校するというのが当たり前でした。
しかし、この「ゼロ限補習」というわけのわからない授業が多くの高校で始められ、高校生は6時台に起床し、7時過ぎには家を出る、、、みたいなことになっています。
最初にこのコトバを聞いた時は、
「補習を授業前にやるのか?」
とか、
「補習って、テストで赤点を取った人が受けるやつだろ?」
と思っていましたが、
まったくそうではなく、
「0限授業」
であり、
「出席は必須」
だということです。
起源(?)である九州では、最近になってこの奇妙な風習(?)が廃止されているところもあるようですが、他の地方では依然として朝早く高校生が登校しているようです。
この「ゼロ限補習」とか「0限授業」と呼ばれるモノは正規の授業ではないのでしょうから、出席の義務はないように思うのですが、欠席すると保護者に学校から連絡が来て、「出席してください!」となります。
では、この「ゼロ限補習」の目的は? というと、
「大学受験のため」
だそうです。
「ゼロ限補習」の内容は、小テストや課題の提出等が多いようで、それ自体に問題はないように思うのですが、
なぜ、それを通常の1時限目からの授業でやらないのか? 理解ができません。
通常の授業は「ご講演座学」をやっておいて、それでは学力が上がらないから「ゼロ限補習」で小テストや課題をやらせる、、、、
完全に「本末転倒」ですね?
これと同じように「進学クラス」等では、通常はない7時限目を作ったりして「ご講演座学」を行います。
こんなことで、
学力は上がらない
し、
生徒の体力、精神力は消耗する
し、
睡眠不足、ストレスの増加、、、、
イイことなど何一つ無いですね?
高校は、いい大学に多くの生徒を合格させると、、、、
校長や教頭が評価され、定年後に天下り、、、ということです。
こんなことのために、無理やり生徒を学校に縛り付けるというのは間違っていますね?
「ご講演座学」をやめるとか、テスト主体にするとか、自習にするとか、目標を達成するために「教育・学習」をデザインすれば、学力は上がり、いい大学に多くの生徒を合格させることができるでしょう?
学習の「量が必要」なのは当たり前です、しかし、無意味なことの「補習」を行うというのは、あまりにも論理的ではありません。
こういったことを考えること自体「教育・学習」を全く学んでいない教師が多いということです。
ほんとうに、「教える側の人」は「教育・学習」とは何なのか、ということを学んでほしいと思います。
無意味に「生徒のため」を思って行動しているだけでは、「生徒のため」にはなりません。
生徒の健康、目標、学力を本当に考えるのであれば、「ゼロ限補習」なんて、すぐにでもやめる方がいいと思うのです。