今回は、「なぜ中等専門学校がないのか?」ということについて考えてみます。
前々回のブログで、
”中学は「義務教育」でなくてもいい!”
ということを記しましたが、そのこととも関連するのですが、現在の日本の学校構成を見ると、一部のスポーツや音楽等を専門とする私立の中高一貫校を除けば、中学で ”専門科目” をメインで教える「中等専門学校」というものはありません。
これは、大昔からの国の考えであり、時代は変わっても、テクノロジーがどれだけ進化しても変わりません。
(中学校の位置づけ)
・中学校は「基礎教育」の一部とされており、生徒たちに幅広い教科の基本的な知識を身につけさせることが目的となっている。
・数学、科学、社会科学、言語芸術など、様々な分野の基礎的な知識とスキルを学び、自分の興味や能力を広範に探求し、発展させるための基盤を提供するとともに、社会の一員として必要な基本的な知識とスキルを身につけることを可能にする。
・中学校の段階ではまだ生徒たちが何に興味を持ち、何を将来のキャリアにしたいのかを明確に知るのは難しい場合が多いため、特定の専門分野に焦点を絞るのではなく、さまざまな分野に触れることで、生徒たちが自分自身の興味や才能を探し、理解する機会を提供することが重要とされている。
ということですが、”昭和の時代の中学生”と、”令和の中学生”の知識・スキル・感情等の違いは全く考慮されていませんね?
身の回りからしか情報・知識を得ることができなかった ”昭和の中学生” には確かに「基礎教育」的な教育をメインにすることは間違ってはいないでしょう。
しかし、時代は ”21世紀” 、
殆どの小学生がスマホ、タブレット、PCのいずれかを持って、高校生、大学生、社会人が得られるのと同じ情報にアクセスできます。
”「リベラルアーツ」と「専門性」” のところでも記しましたが、総合的な知識・スキルなど、小学生、専門性を身に着けた後の大学院(ミネルバ大学みたいな)、定年リタイヤした人がメインに学べばいいと考えるのです。
(中学校での基礎教育)のメリットとデメリットは、
(メリット)
・全般的な教養
生徒たちはさまざまな分野の基本的な知識とスキルを身につけることができる。自分がどの分野に興味や才能を持っているのかを発見するのに役立つ。
・社会的スキルの発展
幅広い教科を学ぶことで、生徒たちはコミュニケーション、批判的思考、問題解決など、学問的なスキルだけでなく、生活全般で必要となるスキルを発展させることができる。
・柔軟性
生徒たちはさまざまな分野を学ぶことで、新しい情報や異なる視点に対応する能力を育てることができる。
(デメリット)
・専門性の欠如
中学校では一般的に特定の専門分野を深く学ぶ機会が少ないため、生徒たちは自分の興味を追求するのに制限がある。
・個々の興味や才能への対応不足
全員が同じカリキュラムを学ぶため、個々の生徒の興味や才能に完全に対応するのは難しい場合がある。
・興味のない教科への無関心
全ての教科を学ぶ要求があるため、生徒は自分の興味のない教科に対して無関心になる可能性がある。
勿論、令和の今でも、”昭和時代のような中学生”もいるでしょうね? 人はすべて違うので、それはそれで当たり前のことです。
しかし、現在の ”小学校・中学校のカリキュラム” がそういった人たちを作っているとも言えますね?
小学校のカリキュラムを見直して、基礎・総合的な内容を習得させれば、
”公立の中等専門学校” を作ることも可能だと思うのです。
「多様性を認める時代」と言いながら、中学は横並び、工業時代の教育です。
高校にはある程度選択肢があります。
・難関進学校
・普通高校
・工業高校
・商業高校
・農業高校
・スポーツ校
・音楽芸術校
・工業高等専門学校
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それでもまだまだ種類は少ないですね?
早い時期に専門を決めてしまうことのリスクはもちろんあります。しかし、これだけ様々な進化が速い時代に ”昭和のスピード” を基準にしていては、多くの人は取り残されるだけだと思うのです。
”公立の中等専門学校” を作り、自分が学びたい、進んで行きたい道を選択させるというのは悪いことではないと考えています。
”違う” と思えば、いくらでもやり直しはできるのですから、、、
高校や大学に入ってドロップアウトすることは非常にリスクが高いですが、中学ならリスクは少し下がります(と言っても今の社会ではリスクがありますが)。
人生100年とか120年とかが流行って、”後ろを重視” するような風潮ですが、”前は変わらない” のに ”後ろ” は変わりません。
何事も早く始めるにこしたことはないと思うのです。
「公立の中等専門学校」の創設が今後の日本社会のレバレッジになるではないでしょうか?