louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

2023-01-01から1年間の記事一覧

「ピューメソッド(Pugh Method)」で「診断テスト」の選択肢をつくる!

「ピューメソッド」、もしくは「ピューマトリクス」という、意思決定や問題解決の手法があります。 (ピューメソッド(Pugh Method)) 複数の選択肢から最適なものを選び出すための評価方法であり、デザインや工学など様々な分野で用いられている。 スチュ…

研修や会議での「フリーライド(free ride)」考察

今回は、研修や会議での「フリーライド」について考えてみます。 一般的に「フリーライド(free ride)」とか「フリーライダー(free rider)」と言えば、 経済学用語で、公共財のように非排除性があるサービスについて、対価(供給のための費用)を支払わな…

ICTは教育に役立っているのか? ~ difficult to say. ~

「GIGAスクール構想」や「EdTech」などがトレンドとなり、 ”教育にICTを!” となってから、もう結構な年数が経ちますが、 果たして、 ICTは教育に役立っているでしょうか? 前にも何度か考えたことがありましたが、、、再考ということで、、 役立っているか…

「概念学習(Concept Learning)」は本当に ” ムダ ” なのか?

今回は、これまた心理学から教育に取り込まれた「概念学習(Concept Learning)」について考えてみます。 企業内教育では「概念学習(Concept Learning)」などという”曖昧な「学習」”は、コスパが悪くて”ムダ”という噂をたまに耳にします。 本当にそうでし…

「活動制御理論(Action Control Theory)」について ~ さり気なく意図的に ~

J.Kuhl によって示された「活動制御理論(Action Control Theory)」について考えてみます。 自己調整学習を促す1つの理論だと思います。 (活動制御理論) J.Kuhlが提唱した心理学の理論であり、人間の行動や意志決定のプロセスを説明。この理論は、人間が…

「インターリーブ学習」が有効な学習者とは?

よく、「ブロック学習」と「インターリーブ学習」のどちらがイイの? ということが議論されます。 そこで、今回は、学習方略である「ブロック学習」と「インターリーブ学習」の「向き・不向き」というか、「インターリーブ学習」が有効な学習者について考え…

「プログラミング的思考」が「学習」に及ぼす影響について ~ 「はい、コピペ」 ~

2020年から「プログラミング教育」が始まり、その中で「プログラミング的思考」が重要だということが語られています。 お国(文部科学省)での、「プログラミング的思考」の定義は、 「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが…

「一番難しい問題から取り組む」は正論か? からの「診断テスト」考察

テストを解く際の、テクニックに、 ” 一番難しい問題から取り組む ” というのがあります。 例えば、数学のテストなどで、 1.最も配点の大きい、難しそうな問題から最初に手を付ける 2.数分間解いてみる 3.解けそうならその問題を解く 4.行き詰ったり…

「研究と実践の自動連携(理論に基づいた教育)」を”AI”で・・・

今回は、「教育の未来像」ということで考えてみます。 こうなってほしい、、という希望的な想いなので、本当にそうはならないように思ったりもしていますが・・・ 教育に限らず、どの分野でも同じだと思いますが、ChatGPTの出現により、”生成AI”が大きなトレ…

「学習環境」を整えるということ ~ REALs ~

REAL (Rich Environments for Authentic Learning)、もしくは、REALs という考えがあります。 実世界の状況を反映した ”リッチな学習環境を提供する教育的アプローチ” の一つです。 ロープレ、ケーススタディ、プロジェクトベースの学習など、実際のビジネス…

” 比較は喜びを半減させる ” ~ 相対評価の弊害 ~

今回は、「他人と比較する」ということについて考えてみます。 学校教育、企業内教育において、”「テスト作成」の現状マトメ・・・”でも記しましたが、 本来は「目標基準準拠評価(絶対評価)」であるべき評価が、「集団準拠評価(相対評価)」で行われるこ…

フレームなど後付けでいい! ~ Don't be stubborn. ~

今回は、「ビジネスフレームワーク」の中でしか思考できない人たちや、企業のことについて考えてみます。 企業に属している人なら、大概「フレームワーク」を行っています。 それは、組織である以上仕方がありません。 (ビジネスフレームワーク) ビジネス…

「成功の方程式」とか、「失敗の方程式」とかいう類のモノ

世の中では、数多くの「成功の方程式」という類のモノが蔓延しています。 メジャーなところでは、京セラの稲盛和夫の、 「人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」 とか、 アインシュタインの、 「A(成功)= X(仕事)+ Y(遊び)+ Z(沈黙)」 なん…

「全習法」と「分習法」の使い分け・・・

スポーツ訓練の分野でよく使われるメソッドに、 「全習法」と「分習法」 というのがあります。 「全習法(Total-learning Method)」は, 学習しようとする課題の全体をまとめて一度に行う,ということを繰り返し継続的に行う方法。 「分習法(Partial-learn…

「経験の罠」による「学習の伸び悩み状態」について

今回は、学習の ”伸び悩み” と、その原因の1つで、大きな要因である「経験の罠」を考えてみます。 通常、「真正な学習」を行えば、各人のスピードに差はあっても、確実に「知識・スキル」は習得できます。 しかし、多くの学習者は、学習しても成績が伸びな…

「90・90」インストラクション成功の最低基準

今回は、インストラクションが成功したか、それとも失敗かを測る基準について考えてみます。 「90・90(ナインティ・ナインティ)」というのがあります。 これは、5、6年程前に熊大の教授システム学研究センター(Research Center for Instructional S…

「デボノの帽子」はひとりで行う! ~ Lateral thinking ~

高額なファシリテーション研修に参加して、「デボノの帽子(6つの帽子)」をやったことがあるでしょうか? 水平思考(Lateral thinking)で有名な、エドワード・デ・ボノによって提唱された思考法で、問題解決やアイディアを出すという目的のためのツールと…

e-Learning でのインタラクティブ(interactive)

今回は、e-Learning を行う際に、「インタラクティブ(双方向性)」は必要なのか? ということと、その周辺情報について考えてみます。 まず、前提として、 ・e-Learning には LMS(Learning Management System)が必須ではない。 ・どのメーカーのLMSも似た…

「学習契約(learning contract)」を取り入れれば ~ 業績は上がる! ~

企業において「学習契約(learning contract)」ということが、たまに実施されることがあります。 大抵は、「英語教育」や、大学の博士課程で「Ph.D」、「MBA」等ですね? ”TOEICで何点以上”、”Ph.D” や ”MBA” といった資格を取ることを条件に、企業はお金を…

「手書きノート」と「学習」・・・

「手書きノート」と「学習」について考えてみます。 スマホ、PC、タブレットが殆どの人、家庭に普及し、「学習」の方法は劇的に変わりました。 これまでの、「紙」の書籍、「紙」のノート、、という文化から、インプットもアウトプットもデジタル、、、とい…

「教育の ”スイッチングコスト” 」が下がっている、というのは・・・?

テクノロジーの進化や、環境の変化により、「教育の ”スイッチングコスト” 」が下がっている という話が聞こえてきます。 これまた、非常に「胡散臭い」感じがしますね? 今回は、そのことについて少しだけ考えてみます。 因みに、「スイッチングコスト」と…

「批判はしない!」という”謎ルール”のもたらす憂鬱

会議、ワークショップで、「グランド・ルール」と称して、 「批判はしない」 ということが最初に宣言されたりします。 学会では、 「若手育成のために、批判はしないでください」 なんて言われます。 これって、どうでしょう? おそらく、「グランド・ルール…

「発見学習(discovery learning)」という原点

ブルーナーの「発見学習(discovery learning)」について考えてみます。 (発見学習) ・学習者中心の学習 学習者が自分自身で情報を探し、問題解決の過程を通じて新しい知識や技術を発見し、理解していくことを重視する。 ・自己学習の促進 学習者が自分で…

「意思決定・選択」に翻弄される心理と、「学習」 ~ imperfect human ~

前回の「アンカリング」に続いて、「選択肢の数」における ”心理学” の「意思決定・選択」と、「学習」について考えてみたいと思います。 「学習」では、”「テスト作成」の現状マトメ・・・” にも記していますが、テストやアンケート作成注意点として、 「不…

「学習」における「アンカリング(Anchoring)」について

今回は、”「学習」における「アンカリング(Anchoring)」”というテーマで考えてみます。 「アンカリング(Anchoring)」というのは、大好きなダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」で大々的に広まった選択心理の概念、理論です。 (アンカリング(ア…

「忘れる学習」を忘れてしまった・・・ ~ 「想起強度」と「保存強度」 ~

根拠のない「トレンド」が、出てきてはあっという間に消えていくという状況は、いつの時代にもあることですが、現代はネットのおかげでその数の多さ、そのスパンの短さはすさまじいものがありますね。 少し知的だと自任している人は、「溢れている情報を選別…

「適切」が、適切ではない場合 ~ 「SMART」が、SMARTではない場合 ~

e-Learning で実施するインストラクションの「学習目標」について、何年か前に下記のようなチェックリストを作りました。 1.「学習目標」と「教育の目的」を区別して、「学習目標」だけが明記されている。 2.「学習者」が主語で、この教育を受けて「何が…

「自分は他人よりできる」と思っている ~ 人材育成と評価の乖離 ~

今回は、「人材育成と評価の乖離」ということで、少し考えてみます。 「人材育成」というと、 ・個々の従業員の能力やスキルを高め、その人材が組織の中で最大限に活躍できるように支援し、その成長を促進すること。 ですが、 「能力」や「スキル」を高める…

行動や思考(&嗜好)をカテゴライズすることについて ~ 「MBTI」や「VARK」 ~

「行動分析」「行動科学」「コーチング」のようなモノが流行った時代がありました。 大きな企業だと、人事部や教育研修部門から「パーソナリティアセスメント」として、「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」などをやらされているのではないでしょうか? …

「集中力(concentration)」なんて気にしない!

教育・学習関連の文脈だけではなく、あらゆるトレーニング、訓練等の中で、「集中力(concentration)」については、過去から現在、そして未来にも永遠と語られます。 「学習には集中が必要」 「集中しろ!」 「集中力が足りないからだ」 「集中力が続かない…