テストを解く際の、テクニックに、
” 一番難しい問題から取り組む ”
というのがあります。
例えば、数学のテストなどで、
1.最も配点の大きい、難しそうな問題から最初に手を付ける
2.数分間解いてみる
3.解けそうならその問題を解く
4.行き詰ったり、かなり時間がかかりそうなら後にまわす
というテクニックです。
また、これは、マネジメントや仕事においても、
ベストセラーになった「カエルを食べてしまえ! / ブライアン トレーシー」で、かなりポピュラーな考えになりましたね?
・重要な仕事を見極め、まずそれに全神経を集中する
・「朝一番に生きたカエルを食べれば、その日の最悪時はもう終わったと安心して過ごすことができる」
・「もし二匹のカエルを食べなければならないのなら、醜いほうから食べよ」重要な仕事が二つあったら、難しく大変なほうからやりなさいということ。
このメソッドのメリットとデメリットは、
(メリット)
・焦点
難しいタスクを最初に行うことで、集中力とエネルギーが最高点のときに最も困難な問題に取り組むことができる。
・達成感
難しい問題を解決した時点で大きな達成感を感じ、その他のタスクに対するモチベーションが高まる。
・ストレス軽減
難しい問題を早めに解決することで、それに対するストレスや不安が軽減され、他のタスクに集中しやすくなる。
(デメリット)
・時間の浪費
難しい問題に取り組むことで時間を使いすぎてしまい、他のタスクに手がつけられない場合がある。
・フラストレーション
難しい問題が解決できない場合、フラストレーションを感じる可能性があり、その結果、生産性が低下する。
・無視される簡単なタスク
難しい問題に集中しすぎると、簡単なタスクが無視され、細かなミスが起こる可能性がある。
確かに、一長一短がありますね?
・ある人にとっては、ストレスが軽減され、
・ある人にとっては、フラストレーションが溜まる
・ある人にとっては、別の問題(タスク)をこなし易くなる
・ある人にとっては、別の問題(タスク)でミスをおこす
・ある人にとっては、集中力を高めることができる
・ある人にとっては、集中力が切れてしまう
「ハードにスタートする方がいい」という人がいる一方で、「ソフトにスタートしステップ・バイ・ステップ」と主張する人もいます。
このことはインストラクションを考える上でも、非常に重要な視点であると思います。
一般的な説(?)としては、優秀な人たちが対象の場合は「ハードスタート」、そうでない人には「ソフトスタート」と考えることが多そうです。
確かに、超進学校などでは「ハードスタート」するようなイメージがありますね?
優秀な(?)チームのリーダーを集めた研修などでもそのような傾向があるように感じます。
あくまで、、、感想ですが、、、感想(?)
そうです、ほとんどのインストラクションが未だに
「昭和のKKD(勘・経験・度胸)」
で行われています。
では、どうすればいいか?
当然のことですが、個人のデータを「可視化」することが始まりです。
まずはデータを取るために、
学校なら、
・最も難しい問題のテストとその他のテストを分け、最初に難しい問題のテストだけをやらせ、終わったら、その他のテストを提供する。
企業内教育なら、
・重要なタスクを最初に与え、完了したら、その他のタスクをやらせて、その完成度合いをデータ化する。
ことで、ある程度は「昭和のKKD(勘・経験・度胸)」から脱却したインストラクションを行うことができるようになるのではないでしょうか?
データを取り、個人の特性をグループ化し、ベターなインストラクションのデザインを考えることが必要だと思います。
通常のインストラクショナルデザインでは、
前提知識があり、問題を解く(タスクを完遂できる)スキルを持っていることが確認(前提テスト)できれば、事前テストをして、合格しなかった人にインストラクションを行いますが、
前提テストと同時に、もしくはその前に、上記のような「診断テスト」をして個人のデータを「可視化」することの重要性があまり評価されていないように思うのです、、、、
「診断テスト」は、
学習者が既に持っている知識やスキル、理解度を測るための評価ツール。このテストを通じて、学習者の強みや弱み、理解の隙間や混乱を明らかにし、その結果を元に個々の学習計画や教材の改善を行う。診断テストは学習プログラムの始めに行われることが多く、学習の方向性を決めるための基準となる重要なステップ。
やってるところはあるでしょうか?
学校では、すべてをごちゃ混ぜにしてテストを行い、クラス分けとかをしていますし、企業では、「性格診断」のようなわけのわからないことはよくやりますが、このようなデータを殆ど取っていないように思うのです。
ちゃんとした「診断テスト」をして、そのデータをもとにインストラクションをやろう! というお話でした。