louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

インストラクショナルデザイン

「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」 について

今回は、「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」 について考えてみます。 「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」は ”授業の前” に「事前の課題」を出すことが一番の特徴です。 これは「宿題」とは違って、予習と知識確認の意味があります。簡単に…

21世紀の今、「コミュニケーション能力」は「知識習得」の学習にどれほど影響するのか?

今回は、” 21世紀の今、「コミュニケーション能力」は「知識習得」の学習にどれほど影響するのか? ” ということについて少し考えてみます。 ”どのように” ではなく、”大体どれくらい ” ということです。”どのように” については、アカデミアにまかせてお…

「先生のプライド」について ~ 先に生まれただけなのに ~

新学期が始まり、毎年のように「教える人の愚痴」がSNSで山のように湧いているので、「先生のプライド」について考えてみます。 「先生」と書きましたが、小中高の教諭、大学の教授などの「教える人」の総称と思ってください。 こういった職種の人たちは、医…

「答えをみてもいい!」という方略

今回は、学習方略としての ”「答えをみてもいい!」” ということについて考えてみます。 ”完全習得学習” を実施する中で、"テストに満点合格しない" と次の学習に進めないという ”方略” があります。 これは正当過ぎるやり方で、「公文式」も「カーンアカデ…

「逆転の発想」~ IDを目的にする ~ ということ

今回は、” ID(インストラクショナルデザイン)を普及させる ~逆転の発想~ ” ということについて考えてみます。 通常、というより ”正論” として、 ID(インストラクショナルデザイン)は、”手段” であって、”目的” ではない! と言われます。 まぁ、至極…

「国語力」はどこまで必要なのか(とらえ方)? 

「教育・学習」の分野において、「国語力」が ”ある程度” 必要だということは誰でも理解できます。 では、その ”「国語力」はどこまで必要なのか(とらえ方)?” ということについて考えてみます。 まず、「国語力」の定義については、国が出している情報を…

「嫌々のOJT」考察

企業においては、多くの職種で「OJT(On-the-Job Training)」が行われます。 大概は、新入社員や部署異動の人を対象に「研修期間中」に実施されますね? 教育をする側としては、一般的且つ実践的、効果的だと考えていると思うのですが、対象者(学習者)と…

「マルチメディア教材デザインの7原理」の前に ~ e-Learning ありきの教育・学習への苦言 ~

21世紀になってすぐに、リチャード・E・マイヤーが提唱した「マルチメディア教材デザインの7原理」が話題になり、e-Learning を行う際の基本概念のように扱われたことがありました。 今でも e-Learning業者などでは結構自慢げに話す人たちもいます。 とい…

「シミュレーションへの過大評価」について

今回は、「シミュレーションへの過大評価」について、少し考えてみます。 最も適用されている分野としては「医療」分野ですね? 全世界的に、医師や看護師といった ”命を左右する” 職業の教育では、”シミュレーション”を含んだ教育が提供されます。 また、一…

「統合情報理論(IIT)」と「教育・学習」について

「意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論:ジュリオ・トノーニ , マルチェッロ・マッスィミーニ」をかなり前に読みました。 まだまだ研究の初期段階のようにも感じますが、今後の世界ではこのような理論や考え方が多く出てくるようにも思います…

「学習環境デザイン」について思うこと

「学習」する「環境」を整えることが非常に大事であるということがよく言われます。 「学習環境デザイン」とは、 学習者を「能動的に学ぶ存在」として捉えながら、学習環境を「活動」「空間」「共同体」「人工物」という4つの要素に分解し、それぞれを結びつ…

「好きな教科・嫌いな教科」情報提示の大きな影響(?)

先日、某教育関連企業のアンケートで、小中学生の「好きな教科」と「嫌いな教科」なんていう記事が目に留まったので、ほとんど意味はないですが、このことについて少し考えてみます。 アンケート結果としては、 (小学生の一番好きな教科) 1位「体育」 2位…

「教員不足」について考える

ここ10年くらい(?)、「教員不足」だとか、「教師の成り手がない」とか、「学校はブラック」、、、というようなことが常に言われています。 そこで、今回は、「教員不足」について、少し考えてみます。 「教員不足」の原因については、2つの ” 目線 ” …

「IKEA効果」と「手書きノート」の関係について

認知バイアスの一つである、「IKEA効果」と、「手書きノート」の関係について考えてみます。 まず、「IKEA効果」とは、 ・自分で組み立てたり、作ったりした製品に対して過剰に価値を感じる心理現象のことを指す。 ・スウェーデンの家具メーカー「IKEA」から…

インストラクショナルデザイン(”あたりまえ”のことを、”あたりまえ”にやる理論)再再考

「インストラクショナルデザイン」に出会って、もう10年近くになります。 ブログ ”200投稿記念(?)” として、あらためて「インストラクショナルデザイン」について考えてみたいと思います。 備忘録ですから、そんなにペースを上げなくてもいいのです…

「学びのサスティナブル化の議論」は継続されているのか?

SDGsが世の中に出てから、「サスティナブル」だとか「持続可能な」というコトバがあらゆる場面で口にされます。 トレンドを取り入れること(?)が使命の「教育・学習」においても、 当然のように「学びのサスティナブル化」だとか、「継続的な学び」、「持…

「課題」と「問題」の再考察 ~ コトバの意味 ~

「課題」と「問題」を混同してしまっていることはないでしょうか? 前回の「教育」と「学習」の混同の流れで、今回は「課題」と「問題」について考えてみます。 何も考えていないと、 「課題」=学校で出される宿題や問題 「問題」=企業で解決しないといけ…

「教育の合理性」について ~ インストラクショナルデザインを学ぼう! ~

「合理性」 ・ 道理にかなった性質。論理の法則にかなった性質。・ むだなく能率的に行われるような物事の性質。 要は、「理にかなっているか?」 ということで、ロジカルシンキングやクリティカルシンキングなどの文脈では頻繁に使われますね? 何をやるに…

メリルの「IDの第一原理(First Principles of Instruction)」 ~ きほんのき? ~

原点回帰、今更ですが、、ということで、 インストラクショナルデザインの基本中の基本である、 「メリルのIDの第一原理」 について考えてみます。 (私的には、「メーガーの3つの質問」の方が好きなのですが、、、) 「IDの第一原理(First Principles of …

「学習の継続性評価」について ~ 日本の大学の成績証明書 ~

新入社員採用時、学生時代の成績を評価する企業は非常に少ないのが現状です。 一応、「成績証明書」を出してもらうものの、ほとんど参考にされないのが実情のようです。 「成績証明書」の内容の信用性等については後で触れますが、”意味不明の入社試験”や”面…

教育が「科学」であってはならないのか?

インストラクショナルデザインはもとより、様々な教育・学習理論、手法、システム、思考が世に出るたびに、 「教育は科学である!」 という人々と、 「教育は科学であってはならない!」 という人々の間で、常に論争が毎回起こります。 今回は、「教育が「科…

「眠る授業(研修)のススメ」

授業や講義、研修などで「眠る人」っていますか? 多分、学校でも企業の研修でも必ずいると思います。 そういった場合、「教える側」はどうすればいいでしょう? そこで、今回は、「眠る授業のススメ」というテーマを立てて考えてみます。 まず、なぜ「学習…

「主体的」という、とても”魅力的な”パワーワード

「教育・学習・学び」という世界で、もう何十年も前から語られる「パワーワード(Power Words)」として、 ・「主体的」 自分自身が中心となって考えたり行動したりする様子を指す形容詞。他人に依存せず、自分で考えて行動することを強調する。自分の意志・判…

「定期テスト」の是非についての考察

少し前に、「宿題、定期テスト、クラス担任制を廃止」という方略をとった校長先生のことをメディアが一斉に取り上げていました。 書籍などもヒットし、一部の学校や企業で 「定期テスト」の是非が問われました。 勿論、それで「定期テスト」をなくすという選…

「前提知識」を確認しないインストラクションばかりの企業内教育

多くのインストラクションが失敗する大きな原因の一つが、学習者の「前提知識」の欠如や誤解によるものです。 今回は、「前提知識」を確認しないインストラクションばかりの企業内教育、について考えてみます。 通常のインストラクションでは、 1.診断テス…

「ロープレ」を更に有効にする方略 ~ 自分事のロープレ ~

営業職などに向けて行われる「ロープレ」は、スキーマを獲得したり、アウトプットによる記憶の強化などの「効果」があり、ほとんどの企業で行われる「教育」の一つです。 今回は、その ”「ロープレ」を更に”有効”にする方略” について考えてみます。 通常の…

「ピューメソッド(Pugh Method)」で「診断テスト」の選択肢をつくる!

「ピューメソッド」、もしくは「ピューマトリクス」という、意思決定や問題解決の手法があります。 (ピューメソッド(Pugh Method)) 複数の選択肢から最適なものを選び出すための評価方法であり、デザインや工学など様々な分野で用いられている。 スチュ…

「活動制御理論(Action Control Theory)」について ~ さり気なく意図的に ~

J.Kuhl によって示された「活動制御理論(Action Control Theory)」について考えてみます。 自己調整学習を促す1つの理論だと思います。 (活動制御理論) J.Kuhlが提唱した心理学の理論であり、人間の行動や意志決定のプロセスを説明。この理論は、人間が…

「一番難しい問題から取り組む」は正論か? からの「診断テスト」考察

テストを解く際の、テクニックに、 ” 一番難しい問題から取り組む ” というのがあります。 例えば、数学のテストなどで、 1.最も配点の大きい、難しそうな問題から最初に手を付ける 2.数分間解いてみる 3.解けそうならその問題を解く 4.行き詰ったり…

「研究と実践の自動連携(理論に基づいた教育)」を”AI”で・・・

今回は、「教育の未来像」ということで考えてみます。 こうなってほしい、、という希望的な想いなので、本当にそうはならないように思ったりもしていますが・・・ 教育に限らず、どの分野でも同じだと思いますが、ChatGPTの出現により、”生成AI”が大きなトレ…