「課題」と「問題」を混同してしまっていることはないでしょうか?
前回の「教育」と「学習」の混同の流れで、今回は「課題」と「問題」について考えてみます。
何も考えていないと、
「課題」=学校で出される宿題や問題
「問題」=企業で解決しないといけない事案
みたいになるでしょうね?
しかし、本来はそういうことではないです。
「課題」は、
一つの目標や目的に向かって努力し、成長するためのステップ。
「問題」は、
何かが間違っていたり、困難だったり、解決すべき事態。一般的に否定的な状況や困難を伴う事柄を意味する。解決が必要な事柄であり、それが解決されないと進行不能な状況を作り出すこと。
英語で表すと、
「課題」は、「Task」
「問題」は、「Problem」や「Trouble」
これで少し理解できたでしょうか?
前にも記しましたが、「教育・学習」の中では、
TCI(Task-Centered Instruction):課題中心型インストラクション
と、
PBL(Problem-based Learning):問題解決型学習
で考えられます。
つまり、「課題」は1インストラクションの「学習目標」であり、「問題」はいくつもの「課題」をクリアしていってたどり着く最終的な「目的」です。
「目標」と「目的」の違いについても混同している人が多いですが、これについては以前に何度も記しました。
誤解を招いた大きな原因として、アクティブラーニングや、ビジネストレンドで、
「問題解決」
などというモノが広まって、非常にややこしく、混沌としてきました。
学校でも、企業でも、いまだに「問題解決」とかやっていますよね?
まぁ、思考の時間としてとらえれば、別に悪いことではないですが、「問題」って、そんなに沢山あって、そんなに簡単に解決できるものなんでしょうか?
この違いを理解できていない「教える側」の人の中には、PBL(Problem-based Learning)を「”課題”解決型学習」などと思っている人たちもいて、、ほとんどカオスです。
それに、コンサル等がどんどん生み出している「フレームワーク」が拍車をかけます。
「問題解決のフレームワーク」
・Aという分野の問題解決は、○○というフレームワークが最適です!
・もしダメなら▽◇というフレームワークを試しましょう!
みたいな感じで、、、、
世の中に「問題解決」のフレームワークがどれだけあるんでしょうね?
これって、コンサルがよく言う
「解決策に事実をあてはめるな!」
と同じことをやっているという認識がないのでしょうか、、、?
それはとりあえず置いておくとして、
「課題」は、「Task」「1インストラクションの学習目標」
「問題」は、「Problem」「最終目的」
と認知すれば、少しは誤解が減るような気もします。
そして、「教育・学習」のデザインとしては、PBLについては時間に余裕があったり、思考の時間としてならやってもいいとは思いますが、あくまでTCI主体で行うのが王道だと思います。
よくいわれる「問題解決」のフレームは、
・問題を発見する(問題を正しく捉える)
・問題の根本原因を突き止める
・打ち手を考える
・実行プランに落とす
「解決策」が簡単に出てくるような「問題」なのであれば考えるまでもないことでしょうし、安易な「解決策」での「問題解決」は間違いなく新たな別の「問題」を生み出します。
そうではなくて、1つ1つのインストラクションを完全習得し、最終的な結果が「問題」の解消(解決)であるということを考えてほしいと思います。
今すぐ、
PBLや「問題解決ワークショップ」
など、やめてしまいましょう!