louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

TCI(課題中心型インストラクション)

「望ましい困難(desirable difficulties)」への少しの疑問 ~ もっともな話なのだが ~

”「望ましい困難(desirable difficulties)」への少しの疑問 ” というテーマで考えてみます。 「望ましい困難(desirable difficulties)」は心理学者である Robert A. Bjork などが提唱したもので、 ・「脳に適度な負荷をかけて学ぶことにより、長期的には…

「課題」と「問題」の再考察 ~ コトバの意味 ~

「課題」と「問題」を混同してしまっていることはないでしょうか? 前回の「教育」と「学習」の混同の流れで、今回は「課題」と「問題」について考えてみます。 何も考えていないと、 「課題」=学校で出される宿題や問題 「問題」=企業で解決しないといけ…

メリルの「IDの第一原理(First Principles of Instruction)」 ~ きほんのき? ~

原点回帰、今更ですが、、ということで、 インストラクショナルデザインの基本中の基本である、 「メリルのIDの第一原理」 について考えてみます。 (私的には、「メーガーの3つの質問」の方が好きなのですが、、、) 「IDの第一原理(First Principles of …

「全習法」と「分習法」の使い分け・・・

スポーツ訓練の分野でよく使われるメソッドに、 「全習法」と「分習法」 というのがあります。 「全習法(Total-learning Method)」は, 学習しようとする課題の全体をまとめて一度に行う,ということを繰り返し継続的に行う方法。 「分習法(Partial-learn…

「記憶の活性化拡散(Spreading activation)」と「学習&インストラクション」

「活性化拡散」という考えがあります。「脳」の「記憶」についての概念なので、心理学や脳科学などでたまに取り上げられますね? (活性化拡散) ・ある情報が活性化されると、それが他の関連する情報を活性化し、さらにその情報が他の情報を活性化する(思…

「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」と「IDモデル」との関係性

「4C/IDモデル」や「スキーマ理論モデル」、「ライゲルースの精緻化理論」のところでも少し記しましたが、 今日は、「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」と「ID(インストラクショナルデザイン)モデル」について考えてみます。 「認知負荷」という考え…

「ライゲルースの精緻化理論(Riegeluth's Elaboration Theory)」と「ロバート・フリッツのミディアムショット」

今日は、通称「グリーンブック」:「学習者中心の教育を実現する インストラクショナルデザイン理論とモデル」で有名な、チャールズ・ライゲルースの「精緻化理論」と、「学習する組織」のピーター・センゲの師匠(?)である「偉大な組織の最小抵抗経路」等…

自己調整学習(Self-Regulated Learning)と簡単に言うけれど・・・

(自己調整学習) 学習者が自分自身の学習活動に能動的に関わり、自らの学習を調整するという学び方。 ですね。 この「自己調整学習」に必要な要素としては、 ・動機づけ ・学習方略 ・メタ認知 という3つが挙げられます。 この理論は、かなり前に、シャン…

「探究学習」推奨はいつまで続くのか? ~ Running on Empty ~

また一つのトレンドが舞い降りては消えていきます。 今回は、「探究学習」 自ら問いを立てて、その解決に向けて情報を収集・整理・分析したり、周囲の人と意見交換・協働したりしながら進めていく学習活動。 互いのよさを生かしながら、新たな価値を創造し、…

4C/ID モデル(Four Component Instructional Design Model)~これ一押し!~

「4C/ID モデル」は、企業教育に向いたモデルなので、日本では殆ど使われていないですが、似たモデルに、「ストーリー中心型カリキュラム(熊大大学院)」 や「マーク・プレンスキーのスキル基盤型カリキュラム」 等があります。 では、「4C/ID モデル」 と…

TCI(Task-Centered Instruction):課題中心型インストラクションのススメ

企業内教育には、PBL(Problem-based Learning)ではなく、TCI(課題中心型インストラクション)の方が有効ではないか? ということを前回に記しました。 では、TCI(課題中心型インストラクション)とは何でしょう? 簡単に説明すると下記のような感じで…