(自己調整学習)
学習者が自分自身の学習活動に能動的に関わり、自らの学習を調整するという学び方。
ですね。
この「自己調整学習」に必要な要素としては、
・動機づけ
・学習方略
・メタ認知
という3つが挙げられます。
この理論は、かなり前に、シャンク、ボーカーツ、ジマーマン、ピントリッチなどにより提唱され、わりとメジャーな理論なので、知っている人も多いかと思います。
(一番有名なのは、ジマーマンですね?)
私も、ジマーマンの著書を何冊か読み、「自己調整学習」についていろといろと考えたことがあります。
しかし、「なぜ、「自己調整学習」が重要か?」 なんてことを考えるのはなかなか難しい問題なので、そういうことはアカデミアに任せましょう。
結局、「学習」というのは「学習者」が行う行為であって、先生様が直接「学習者」に乗り移ってどうこうできるものでもないのですが、研究としてはとても大事なことだと思います。
今回は「学習方略」ではなく「教育方略」について記します。
「教育」というのは「学習者の支援」のことなので、「学習者」が「学習」するように持っていくということです。
前回も書きましたが、ここでは、学校と企業における「教育」では少し方向性が違います(根本は同じですけど)。
学校での「教育」は、
「From Sage on the Stage to Guide on the Side」
という有名な言葉の通りです!
企業での「教育」は、
「仕事」
です。
ということは、企業における「教育・学習」は「強制」なのか?
そうです、「強制」です。
このベースがわからずに、「教育」を行っている企業が99%でしょう?
勿論、「強制」といっても「洗脳」や「ハラスメント的」なこととは違います。あくまで、「仕事」としての「学習成果」を出すというだけのことです。
それはそれとして、、、
さて、「自己調整学習」のための「教育方略」としては、
・内容、方法、時期、場所を学習者に制御させる
・学習者の自己調整スキルを伸ばすことを助ける
・敬意、思いやり
・個人の違いを受け入れ、個人の強みを活かし、個人の弱さに対処する
・モニタリングとフィードバック
・継続的な形成的自己評価
・真正で総合的な総括的評価
などが一般的に言われています。
しかし、どれもこれも「曖昧」で、ほんとにそんなことで「自己調整学習」が身につくの? って思いますよね?
詳しくは、L・B・ニルソンの「学生を自己調整学習者に育てる」でも読んでみてください。
また、「自己調整学習」のコンテキストにおいて、バンデューラの「自己効力感(self-efficacy)」が語られることも多いですが、正直なところ、この「自己効力感」という言葉もその理論もあまり好きではありません。フリッツが言っているようなことの影響もありますが、なんとなく「自信過剰」「自己満足」に通じるような気がするからです。
学生なら若干影響するかもしれませんが、、、
企業で働く人の「自己効力感(self-efficacy)」や「エンゲージメント」を上げるなんてことは、至極簡単で、給料を上げ、昇進させればそれでいいのですから、、、、
「やりがい」とか「仕事が面白い」なんていうのは、その後についてくるものですよね?
給料が安くて生活が厳しいのに、「やりがい」も「仕事が面白い」もあったもんではないです。
では、どうすればいいの?
もともと「自己調整学習」ということは、
「学習しろ!」と外部から課題を与えられて初めて行うことです。
「自律的学習(self-directed learning)」とは違うのです!
つまり、「自己調整学習」をできるようになるには、
「学び方を学ぶ」
という「教育方略」が最優先でとられるべきだと思っています。
「学習成果を出すために、いかに効果的、効率的に学べばいいか?」
を考え、習得すること。
それが「自己調整学習」を行えるようになるかどうかです。
それには、様々な教育理論、学習理論、ハック、、、を幅広く知って、取り入れてみることです。
学び方の知識がないと、何も学べないということです。