企業内教育において、「スキーマ」って大事ですよね?
でも、なんとなく”胡散臭さ”もありますよね?
心理学は最早、「哲学」ではなく、「科学」として認知されていると思うのですが、一般の社会では「迷信」や「都市伝説」と同レベルの扱いがされているような気がします。(古い頭の日本企業では「行動主義心理学」の方が「認知心理学」より取り入れられるという大変なことになっていますが、、、)
そんな状況の中で、「スキーマ」なんて言ってもなかなか通じません。
(IT系の人にならなんとなくわかりやすい気もしますが、、、、)
で、敢えてその「スキーマ」のお話を少ししたいと思います。
「スキーマ」自体の歴史はとても古いらしいのですが、有名になったのはやはりピアジェの影響でしょうか?
ピアジェといえば、「構成主義」「認知心理学」「構造主義」みたいな感じでかなりメジャーですものね、、、、(ほんとかな?)
現代の「教育・学習」においては、「構成主義」の影響はかなり大きいですね。
「教育における構成主義」
学習者たちがある対象について、学習者自身によるそれぞれの理解を組み立てるようなかたちで教育すべき、また学習者の中に既に存在している概念を前提に教授方略を組み立てる必要がある。
そこで「能動的」とか「主体的」という言葉がもてはやされるようになったわけです。(教育関連企業や研究者なんかはピアジェに足を向けて寝れませんね?)
そして、この理論の中で、認知主義に基づいて「自分がすでに持っている知識構造(シェマ)を通して外界と相互作用しながら,新しい知識を得,新しい知識構造を構成すること」ということがあったわけです。
この「シェマ」というのが「スキーマ」のことです。
・「スキーマ(Schema)」とは、知識を構成するモジュールとして仮定される心理学的なモデルのこと。
・認知心理学の発達とともに再吟味されるようになり、1980年代からの研究に大きな影響を与えた。
なんて感じです、、、
「スキーマ」がなぜ注目されたかというと、
・次に来るシーンを予測したり
・行間を読んだり
・過去の経験を思い出したり
・「たぶんこうなるだろう」という予見を与たり
というのも「スキーマ」の機能だと宣伝されたからです。
そこで、企業内教育では、「ロープレ」を繰り返すことによって同じような場面に出会った場合に対応できる「スキーマ」を習得しよう、、、、なんてことになったわけです。
勿論、ここでは「スキーマ」なんて言葉は使っていません(教育関連企業は賢いですね!)。
あくまで「ロープレ」として ”なんとなく” わかりやすい感じになっています。
そのおかげで、どの企業でも「ロープレ」はやってますよね?
こういうのが「一般化」とか「普及」というものです!
本来は、「インストラクショナルデザイン」や「スキーマ」なんて言葉もこうなってほしかったのですが、、、、
そして、「スキーマ」のフローのことを「スクリプト」と、、、なんてことはどうでもいい話で、そういうのは研究者に任せばいいのです。
大雑把に「スキーマ」の理解、習得のことを考えましょう!
「スキーマ」というのは、構造化された知識・知識の枠組みのことなので、大元の「知識」がゼロでは、いくら「ロープレ」を繰り返しても「スキーマ」を習得することはできません。
そこで、「4C/IDモデル」なんかはJITのサポート等が用意されているわけです(まぁ、実際は何の前提知識もなくては無理だと思いますが)。
また、「スキーマ」は一度形成されると、それを変更することが難しいといわれています。
企業内教育でいえば、いい加減な「ロープレ」や、適当なアドバイスによる遂行錯誤なんかは、効果のない「スキーマ」を形成させ、、、、ということになりますね?
特徴の一例をあげると、下記のような感じです。
・認知的負担を減らす
・一般化する
and
・ステレオタイプ
・なんとなく
・感覚的に
・感で
(ヒューリスティックスとかシステム1みたいな、、、)
なんてことは、かなり危うい結果を招くこともあります。
「諸刃の剣」のような感じですね。
「スキーマ」の元には「知識」があり、「スキーマ」自体も「知識」となりうるものですから、この学習については真正な方略で行えば、効果があるのだと思います。
あなたの会社の「ロープレ」は真正に方略・評価がデザインされていますか?