louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「21世紀型スキル」ってどこ行ったの? ~ Where have all the flowers gone ? ~

遠い昔、「21世紀型スキル」というものがトレンドになった時代がありました。

 

なんて思うほど、今や「21世紀型スキル」って誰も言わなくなりましたね?
まぁ、もう2023年ですから21世紀になってかなり経ってるというのもありますが、、、

 

しかし、ほんとにあらゆるトレンドって、すさまじいスピードで消え去っていきますね、、、消え去るものだからトレンドなんだろうけど、、、。


「21世紀型スキル」などと言いだしたのが2010年前後だったので、もう10年以上も経ってしまいました。


しかし、この事案(?)、すべてではないですが、ある程度ちゃんとしている要素もありました。


ということで、今回は、「21世紀型スキル」について再考してみようと思います。


「21世紀型スキル」とは、


「ATC21s」(The Assessment and Teaching of 21st-Century Skills=21世紀型スキル効果測定プロジェクト)が提唱した概念で、グローバル社会を生き抜くために求められる一般的な能力


で、内容は下記のようになります。


(思考の方法)

①創造力とイノベーション
②批判的思考、問題解決、意思決定
③学び方の学習、メタ認知(認知プロセスについての知識)


(仕事の方法)

④コミュニケーション
⑤コラボレーション(チームワーク)


(仕事のツール)

情報リテラシー
⑦情報通信技術のリテラシー(ICTリテラシー


(社会生活)

⑧地域と国際社会での市民性
⑨人生とキャリア
⑩個人及び社会における責任

「21世紀型スキル」は何処へ?

この10のスキルの中で、教育関連(?)の③について考えてみます。
(勿論、その他のスキルも教育に関連しますが、、、それはまたの機会に)

 

③学び方の学習、メタ認知(認知プロセスについての知識)


「学び方の学習」とは、まさに「教育」のことですね?


「教育」というのは”内容を教えること”ではなく”学習の支援”であり、”学び方”を学習者のスキルとして身に着けさせることです。


これは「教えない教育」と同意語ですね。

 

しかし、安直な思考が蔓延る国、企業においては、


 「教えない教育」= 放置 = 好き勝手にさせる


と、捉える人がほとんどで、全く定着しませんでした(こんな大事なことを一般化させられなかったアカデミアの責任は地球よりも重い気がする、、、)。


また、この「学び方の学習」という表現もやはりわかりにくいし、かなり誤解をあたえますね。


「自分で学び方を探せ」「自分で試行錯誤して見つけろ」、、、、みたいなイメージを持ってしまいます。


今の時代にそんな時間はないですね!

小学校の教育で、試行錯誤させていろいろ思考する教育にしないから、中学高校で壁にぶつかるなんていうことを言ってた人もいましたが、、、、根本的にそんなことやる時間はないし、そんなことは大学でやればいいだけの話です。今の社会構造(受験構造)を理解していなくて、理想ばかりをいうお偉い人が多くて嫌になります)


そうではなくて、「学び方」を習得できる「教育方略&デザイン」が必要なんですね。


単に試行錯誤させても時間ばかりが過ぎていくだけなので、ちゃんと「学習」とは何か? 「学習」するということはどういうことか? を学ばせて、様々なテクニックなんかを学習させて、、、、ってことです。


ある程度、ここでは「型」にはめることも必要です。
フレームワークっていうのは大嫌いなんですけど、、、、)


「効果」と「効率」を考えると、そうならざるをえませんよね?
(「理想」なんていう言葉は忘れることが重要です!)

 

そして、つぎのメタ認知です。

 

これ自体も少し前にトレンドになったのでご存じの方も多いでしょう?

 

メタ認知

 

認知の認知、、、まぁ、簡単に言えば「何が必要で、何が不要か?」とか、「どこまで理解できていて、どこがわからないのか?」等を、「自分」を対象として第三者的な感覚で認知できるスキルですね。
②のクリティカルシンキングと被る部分も多いスキルです。


「教育・学習」の分野でも一時話題になり、「メタ認知を習得させる学習」とか、「メタ認知育成トレーニング」等、いろいろ研究・実験されてましたが、どれも大した成果は上げられなかったように思います。


これは仕事でも、お勉強でも、成績が上位の人は自然と習得できているスキルだと思います(例外もありますが)。

 

しかし、このスキルの習得、、、は、非常に心理的な要素、生まれ持った性格、経験により形成された思考、、、といった不確かな部分が多く、なかなか難しいですね?

 

人は、、、、基本的に変わらない、、ですしね。

 

特別大きな挫折や、とんでもない成功を経れば変わることもあるでしょうが、すべての人がそのパターンだということはないんでしょうね?

 

企業においてはこういたことをコンピテンシー」なんて一括りにして、「優秀者のコンピテンシーを共有」、、、とか馬鹿なことをよくやっていますね?

 

コンピテンシー」には知識も入っているということを理解せずに、意味のない「行動パターン」だけを「コンピテンシー」として、多くのムダ金をつぎ込んでいますね、、、、。

 


ということで、久々に「21世紀型スキル」について考えてみました。