企業内で研修や教育のデザインを考える場合、多くの人たちがよく持ち出すフレーズ。
そう、「スモールステップ」です!
今回はこの内容について考察してみます。
スモールステップとは、
・目標を細分化して一つずつのステップを確実に達成することで、最終的な目標達成のためのメソッド。
です。
理にかなったメソッドであり、ごく当たり前のことであり、インストラクショナルデザインにおいても基本中の基本なんですが、、、、
高額の教育系のセミナーや研修にいくと、大抵「スモールステップでないとダメです!」と、すべてのことに適用できるかのように教えられます。
多くの企業の教育担当者は、ボブ・〇イク(何がいいのか全くわからないんだけど、、)周辺の「何とか研修」とか、「何とかブートキャンプ」なんてものに参加して、わかったような気になって帰ってくると、、、、必ず「スモールステップ!」なんて言い出します。
そして、それが “完全な正義” であるかのように宣伝しまくるわけです。
多分、もともと「スモールステップ」というのはスキナーか誰かが言い出したことだと思いますが、
スキナーは「理論」としてそう言ってるだけで、「理論」としてなら全く正しいし、多くの学校教育などでは問題なく適用できると思います。
スキナーの理論や教育関連の内容は大好きで、別にそれを否定するつもりは全くありません。
しかし、問題は「企業内教育」においても、すべてが「スモールステップ」でいいのか?
という話です。
「物事の変化スピードについていけるのか?」
ということです。
企業においては、新しい製品やサービス、テクノロジー、、、等、たったの一日で世界が変わったりします!
最近では、「ChatGPT」なんてのもそうですよね?
今の時代、「AI」だから、、、スモールステップで「LISP」から少しずつ学ぼう、、なんてことはないはずです(?)。
営利企業においては「利益」こそが、“完全なる正義”です(もちろん、悪いことをして儲けるという意味ではありませんよ)。
インストラクショナルデザインが日本企業であまり注目されなかった1つの理由は、実はこのスピードにあると思います(どっかの政府が持ち出す「スピード感」ではなくて、「スピード」です)。
本気で企業に、日本中にインストラクショナルデザインを「認知」させたいのであれば、、、「ADDIE」から入ったのが大間違いであったわけです。
最初から、ADDIEだとか、SAMだとかいう「プロセスモデル」から入ると(そこから入るのが当たり前ということは、この際置いておいて)、それは即座に、企業においては「PDCA」だとか「OODA」等に変換されます。
そして、
「はい、そんなことはわかってますよ! なんとかの研修やビジネス書で学んだので」
でお終いになります。
いまだに、「インストラクショナルデザイン? あぁ、ADDIEだね?」なんていう人たちは多いですからね?(最悪の成果ですね?)
正論は、基礎からスモールステップで1つずつ目標を達成して、、、、ということは十分にわかってはいるのですが、時には、その前提を外すことで「成果」を出せる場合もあります。
なんにせよ、第一歩は、「ビッグステップ」です!
前にも、記しましたが、まずは「成果」を出すというスピードを上げないと、何も変わりません。
それには、「スモールステップ」ではなく、第一歩としての「ビッグステップ」が絶対に必要なんです!
「絶対です!」
最初に “何もかも端折って” でも、「成果」を出すことのできる「ビッグステップ」を考えましょう、、、(もちろん、ここでいう「成果」は、カークパトリックのLevel4です! アカデミアがいうような、「まずは、Leve3の行動変容を目指しましょう!」、ではなくて。
企業において「真正な教育・学習」を行いたいのであれば、一番最初にやることは「ビッグステップ」で「インパクト」を与えることです。そしてうまく「認知」されれば、そこから「スモールステップ」で目標を達成していけばいいのです。
こういうことは、アカデミアの先生たちにも結構話したのですが、、、、なかなか同意されなかったですね、、、、、
でもね、日本でちゃんとした教育・学習を行えるようにするには、
「企業」をターゲットにしないと、どうにもならないんですよ!
FDなんて言う前に、「企業」にIDや教育・学習理論を植え付けるべきだったんですよ!
「アカデミアの先生たちにはわからないことシリーズ」、、? でした。