louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「構成主義(constructivism)」的な考えはわかっちゃいるけど・・・

「教育」においての構成主義とは、

 

学習者がある対象について、彼ら自身による(それぞれ違った)理解を組み立てるようなかたちで教育すべきである、あるいは学習者の中に既に存在している概念を前提に授業を組み立てる必要がある、という学習・教授理論。

 

教師の役目は、学習者がある対象範囲における事実や考えを見つけるのを手助けすることである。

 

ということで、至極まっとうな考え方です。

 

「学習は中から外へ向かっていく」

 

「学習者は、能動的に取り巻く環境を体系化し意味付けようと試み、そのプロセスの中で知識を構築する」


これは、通常の学校での授業や企業内教育での講義なんかとは、ある意味「真逆」のやり方で、現実問題としては、実施は非常に困難ですし、ごく限られた人たちへのアプローチだと考えて下さい。

 

しかし、「理想」「理想」として、「教育に携わる人」には理論として知っておくべき内容なので、敢えて記します。


ということで、アプローチの仕方としては、下記のようなものがあります。

 

・学習しようとしている内容に関する真正な活動に学習者を取り組ませる。

・学ぼうとしていることに対する多角的な視点に触れる機会と協働の場を提供する。

・学習者が自分自身の学習目標を設定し、学習の進捗を管理することを支援する。

・学習者が何をどのように学んでいるかを振り返ることを促す。


上記のアプローチは、省察」「アセスメント」「フィードバック」「メタ認知といった、重要な内容が含まれていますね?


そして、構成主義のIDモデル」としては、下記のようなものがあります。


・問題解決型学習(PBL:Problem-based Learning)

 >ハワード・バローズが。医学部で「問題の主要記述文を中心」としてインストラクションを展開するモデルを開発


・アンカード・インストラクション

 >真正で日常的な文脈(マクロな文脈)の方略で、活動の状況的な「アンカー」となる場面を埋め込む(知識をいつ使うかを知る)


・認知的徒弟制度

 >職場においてどのように見習いたちが師匠から学習するかに似せたモデル


・意図的な学習環境

 >協働的な問題解決、推論、論証のためのモデルとコンピュータツール(シミュレーション)

 

・REAL(Rich Environments for Authentic Learning)

 >真正な学習のための豊かな環境


PBLなんかは結構メジャーになっているの知っている人も多いかと思います。
Project Based LearningのPBLとは違うので、そこは混同しないようにしてください)


構成主義は、ピアジェの「発達心理学がもとになっているので、考え方、学問としてはちゃんと成り立っていますね?

構成主義と教育

問題としては、

 

学校の授業としては、現行の「受験構造」がある限り意味をなさない

企業内教育としては、費用がかかりすぎることと、上記のような知識のある人材が教育担当者として不在

 

ということがあります。

 

誰もが、「イノベーティブ」とか、「情報化時代」とか、「DX」コンピテンシーとか気軽に口にしますが、学校でも企業でも「教育」はいまだに「工業時代」であり、大昔から何も変わっていません。


まぁ、頭の片隅に構成主義という言葉を保存していても大して無駄にはならないと思いますが、、、