louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」 について

今回は、「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」 について考えてみます。


「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」 ”授業の前”「事前の課題」を出すことが一番の特徴です。


これは「宿題」とは違って、予習と知識確認の意味があります。簡単に言うと、


・「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」で出される事前課題=診断テストもしくは事前テスト

 

・「宿題」=事後テスト

ということです。

 

では、内容に入っていきます。


(ジャストインタイムティーチング(JiTT))

 

学生と教師の間の相互作用を強化するための教育戦略であり、オンライン学習と対面学習を組み合わせたハイブリッド型の教育方法。

授業前にオンラインで提出する短い課題(通常は数問の問題やエッセイ)を基に、教師がその分析をし、授業を計画・実施する。

教師は学生の理解度や疑問点を「リアルタイム」で把握し、それに応じて「ジャストインタイム」で教材を調整することが可能となる。


LMS(でなくてもメールでも可能)で、”事前課題” を出し、その内容を教える側が分析してから、実際の授業を行うということです。

そして、その授業というのが、まずは ”事前課題” の回答に対するフィードバック、そして補足があればその内容についての講義、、、となります。

ジャストインタイムティーチング(JiTT)

ジャストインタイムティーチング(JiTT)やり方の例としては、


・オンライン課題の設定

教師は次の授業で扱う予定のトピックについて、学生が授業前に解くべきオンライン課題を設定。課題は、短いエッセイ形式の問いや、選択肢から最適な解答を選ぶ形式の問題など、さまざまな形で出題することが可能。


・学生の回答と自己評価

学生は授業前にオンライン課題を解き、自分の理解度を自己評価。これにより、学生自身が自分の理解度を把握し、必要な学習を行う機会を得ることができる。


・教師による課題のレビュー

教師は授業前に学生の回答をレビューし、学生が理解している内容、理解できていない内容、または誤解している内容を把握。


・授業内容の調整

教師はレビューの結果をもとに、授業内容を調整。例えば、多くの学生が特定のトピックを理解できていない場合、そのトピックについて詳しく説明する時間を設ける。


・授業の実施

教師は調整した授業内容に基づき、授業を実施。授業中には、課題の回答に基づくディスカッションを行う時間を設けることも可能。

 

「ジャストインタイムティーチング(JiTT)」メリットデメリットは、


(メリット)

 

・学生の理解度の把握

教師は学生が理解している内容や理解できていない内容をすぐに把握することができる。


・授業の柔軟性

教師は学生の理解度や興味に応じて、授業内容や進行を調整することができる。


・学生の参加促進

この手法は学生の積極的な参加を促し、自己学習や批判的思考のスキルを向上させることができる。


・フィードバックの迅速化

学生は授業前の課題を通じて、自分の理解度を確認し、必要なフィードバックをすぐに得ることができる。


(デメリット)


・時間管理

教師が学生のフィードバックを得て授業を調整するためには、時間を十分に確保する必要がある。授業の直前に学生からのフィードバックを確認し、それに基づいて授業内容を調整するため、教師の負担が増える可能性がある。


・学生の参加

すべての学生がオンライン課題を定期的に完了するわけではないため、一部の学生のフィードバックしか得られない可能性がある。その結果、授業全体のニーズを完全に反映するのが難しい場合がある。


・テクノロジーの問題

オンライン課題を活用するため、インターネット接続や技術的な問題が生じる可能性がある。また、すべての学生が適切な技術的リソースを持っていない場合、一部の学生が不利になる可能性がある。


・学生の負担

学生は授業前にオンライン課題を完了するための時間とエネルギーを必要とします。これにより学生の負担が増える可能性がある。


といった感じです。


どうでしょう? これで完璧な授業ができるわけではないですが、通常行われている

「ご講演座学」の授業 + 宿題

よりはいいように思わないでしょうか?


学校や企業の教育において、最も重要なのは、


”事前の学習を主にすること”


だと思っています。

 

本当は、ミネルバ大学がやってるように事前課題をやっていないと授業に参加できない、、、という風にすべきですが、すべての環境がそれをやることは難しいですね?

また、ジャストインタイムティーチング(JiTT)には「事後テスト」を行わない場合が多いようで、これは改善すべき点ですね(やってる場合もあるのでしょうが、、、)。

ミネルバ大学は授業終わりにその評価が出ますね、、、凄すぎる、、


まぁ、ある意味、エリート校ならできそうな、、、、と考える人も多いと思います。

 

しかし、学習者のレベルを把握し、クラスの中でグループ分けして、そのグループにあった学習内容方略を適用できるようになるのではないかと思うのです。


「ずっと「ご講演座学」の授業をやってきたから、そんな面倒なことはやりたくない」


「知識を習得させることが最重要事項ではない」


とか、考える「教える側」の人たちは、「教える側」を降りるべきですね?


学習内容は教師や教育担当者が変えられるものではないでしょうが、”方略” を変えても問題ないのではないでしょうか?


”アクティブラーニング” が流行った頃には、みんなグループワークとかやってたじゃないですか、、、、


授業というのは、わからないところをわかるようにしてもらう機会だと思っています。

自分で学習して、理解できない部分を「教える側の人」に訊ねて、自分で答えが出せるようになる、、、、

それが「教育」だと思うのです、、、