ニュースで、
「Coursera、4,400の講座を日本語に翻訳し、日本の学習者に向けた新しいAI機能を導入」
というのが流れてきました。
今回は、「MOOCsの根本的な弱点」について再考してみます。
何度も記していますが、
「オンライン教育 ”最大の” 失敗事例」
である「MOOCs(Massive Open Online Courses)」の代表格である「Coursera」が、まだ粘ろうと”努力(?)”しているようです。
「MOOCs」といえば、今でも「Coursera」と「edX」ですね?
「Coursera:コーセラ)
スタンフォード大学コンピュータサイエンス教授アンドリュー・ンとDaphne Kollerによって創立された教育技術の営利団体。世界中の多くの大学と協力し、それらの大学のコースのいくつかを無償でオンライン上に提供。
「edX:エデックス」
マサチューセッツ工科大学とハーバード大学によって創立されたMassive open online courseのプラットフォームであり、世界中の学生に無償で、多岐な分野にわたる大学レベルの授業を提供。両大学がそれぞれ3千万ドルをこの非営利のプロジェクトに貢献。
コロナ禍で「在宅勤務」などが増えたことと、「リスキリング」というビジネストレンドも相まって、「MOOCs」を受講する人も増えたようです。
そこで、どうにか、、、と考えて「翻訳」や「AI機能(?)」ということを考えたのでしょうが、、、
根本的な「MOOCs」の弱点が克服されなければ、ジリ貧のままでしょうね?
「Coursera」と「edX」ともに「無料」で受講できるコンテンツもあるにはありますが、概ね有料です。
その金額に見合ったベネフィットが無い、、という ” 弱点 ” を克服するには、大きく構造を変える必要があるということに気づいていないようです。
また、それ以外にも、
・自己管理能力の不足
MOOCsは自己学習型のプラットフォームであるため、自分自身で学習計画を立てて進めていく能力が求められる。これが不足していると、途中で挫折してしまうことが多い。
・モチベーションの低下
オンラインの学習は対面の授業と比べて、生徒同士のコミュニケーションが少なく、競争心を持つことが難しいため、モチベーションを保つことが難しいという問題がある。
・コースの質
コースの内容が難しすぎる、または退屈であると、学習者は途中で飽きてしまいがち。
・時間の制約
MOOCsは柔軟な学習スケジュールを提供しているが、他の生活や仕事の課題と並行して学習することは難しく、時間の制約から途中で脱落することがある。
・技術的な問題
すべての学習者が十分なインターネット接続やデバイスを持っているわけではない。これらの技術的な問題も修了率を下げる要因となり得る。
・サポートの不足
学習者が困ったときに適切なサポートが得られないと、学習を進めることが難しくなる。MOOCsは大規模な参加者を対象としているため、個々の学習者に対するサポートが不足しがち。
といったこともあります。
「Coursera」だと、
料金は月払いの場合は月額59ドル(約7,000円)、年払いの場合は年額399ドル(約48,000円)。
>有名大学の単位と学位が取得できるコース
平均受講時間 4~7か月
費用 2,000ドル~(約240,000円~)
>有名大学の学士号と修士号
平均受講時間 2~4年
費用 9,000ドル~(約1,080,000円~)
この金額と時間に見合ったベネフィットは、、、と考えると、修了率が数パーセントという結果は容易に想定できますよね?
実際の大学に通って学位、マスター、ドクターを獲るのと、
オンラインで学位、マスター、ドクターを獲ることは
世間では「全く別モノ」として認識されています。
例え同じ知識・スキルを習得できたとしても、「オンライン」ということだけで評価されない世の中です。
日本でも、いくつかのオンライン大学が生まれ、また先駆者としては熊大教授システム学専攻がありました、、、、(まだ名目上、あることはありますが、、、、)。
「オンラインでMITの学位を取りました」
と言っても、
「はぁ? 、、オンライン、、、」
で、終了ですね。
こういった偏見は日本に限ったことではなく、アメリカのテレビドラマを観ていたら、
「マイケル弁護士さん、大学はどちら? ハーバード?」
「いえ、〇△大です」
「〇△大? 聞いたことないわ」
「オンライン大学です、、、」
「・・・・・(笑)」
みたいなのがあって、やはり同じ価値観なんだと思いました。
資格、知識、スキルに差があるのならわかりますが、そうではなくて、
オンラインという「偏見と不条理」を解消しないかぎり、
「MOOCs」に未来は無いと思います。
まともに「教育・学習」を学び、考えている人なら、
・実際に通う大学
・ミネルヴァ大学(寮形式、オンライン授業)
・オンライン大学
に何の ”差” もないことは理解できますが、全世界の99%の人には同じではないということです。