louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「学びのサスティナブル化の議論」は継続されているのか?

SDGsが世の中に出てから、「サスティナブル」だとか「持続可能な」というコトバがあらゆる場面で口にされます。


トレンドを取り入れること(?)が使命の「教育・学習」においても、


当然のように「学びのサスティナブル化」だとか、「継続的な学び」「持続可能な学び」などがトレンドとなり、学会はもとより様々な方々がメディア等で発言されていました。

 

学習者が「学び」を「サスティナブル化」する、ということについて考えてみます。


(学びのサスティナブル化)


長期的に継続可能な学びの形を確立し、個々の学習者が自身の生涯を通じて学び続けることができる環境を作り出すことを指す。現代の急速に変化する社会において、一生涯学び続けることの重要性を認識し、それを実現するための方策を模索する動きの一部と言える。


(学びのサスティナブル化)必要な条件等は、


・自己主導的な学び

学習者自身が自分の学びの目標を設定し、それに向かって自主的に学び続けることができる環境を作る。


・フレキシブルな学び

学習者のライフスタイルや働き方に合わせて、場所や時間を選ばず学べるような形式の学び(例:オンライン学習)を提供する。


・ライフロングラーニング

一度学んだことを忘れないように、定期的に復習する機会を設ける。また、新しい知識やスキルを必要に応じて継続的に学べる環境を作る。


・フィードバックと評価

学習者が自分自身の学びの進捗を把握し、必要な改善を行うためのフィードバックと評価の機会を提供する。


・学習環境の整備

学びを継続するためには、学習者が学びやすい環境を整備することが重要。学習のモチベーションを保つためのサポート体制の構築など。


学習にとっても、世の中の多くの事案と同じように「環境」が9割、、、くらいな気がします。


「環境」によってモチベーションが作られ、持続できるということです!

学びのサスティナブル化

この国において、学校、企業、自分自身の「環境」はどうでしょう?


何かを「学ぼう」「学び続けよう」と思えるような環境でしょうか?


大学~社会人の間では、過半数の人が学ぶことを継続しないのではないでしょうか?


勉強をしなくても大学は卒業できる。

コミュニケーション能力だけで仕事はできる。


こんな「環境」にいては、誰もが学びませんよね?


実際のところ、私も、大学~社会人の間で、ほとんど学ぶことをしませんでした。

 

50歳を迎える頃、どうにかインストラクショナルデザイン、当時、熊本大学の平岡先生たちと出会うことができ、高校以来の「学びの世界」に戻ってきたわけです。

あと十年早ければ、、、とも思いますが、過去は変えようがないのでヨシとします。

この10年は、正直なところ生涯で最も学んだ、、、と思います。

私の場合は、たまたま学ぶ環境があったこと、無理やりにその方向に持っていく方略があったことと、いくつかの出会いから講演などの機会を多く得ることができたことで、、、、運が良かったのかもしれません。


人は楽に生きていくことができれば、それにこしたことはないですし、特に何も学ばないでもいいようにも思います。


子供が将来成りたい職業で人気があるのが「YouTuber」。

 

単にYouTubeを観ていると、

”勉強などしなくても何億円も儲けることができる”

と子供たちは思ってしまいます。

 

よく考えれば、そんなわけはないですよね?

YouTuberのトップレベルの人たちの多くは、YouTubeを始める前に、分析し、学び、成功してからもずっと学んでいます
YouTubeのルール、法律、トレンド、経営、、あらゆることを学ばないとトップYouTuberで居続けることはできないですよね?


とはいえ、年齢を重ねるに従って、YouTuberになりたいなどという人たちは減っていきます。

自分で面白いと思って、何回か動画を録り、アップして、、、結局、誰も観てくれず、、

ということを経験している人は多いでしょうね?

 

仕方ないので、勉強して大学に行き、いい企業に入るか、、、となるわけです。

ほとんどの企業が大学にレベルをつけて、その名前だけで採用をします。

それ故、大学に入ってしまえば学びません。

企業では、基礎的な知識の学習は重視されず、とにかく「即戦力」「現場でしか学べない」、、、などという「環境」が待っています。


つまり、何が言いたいかというと、


「学び」を「サスティナブル化」する為には、

前に”「学習の継続性評価」について ~ 日本の大学の成績証明書 ~”で記したように、


・大学時代の成績(定期テストと各講義においての事前・事後テスト)を重視して企業が採用するようになること。

と、

・企業においても知識の評価テストを常に行う。


という「環境」が必要です。


そして、その習慣性や日常性がその他の「学び」を見つけ、「持続可能」にするわけです。


偉いアカデミアの先生たちの「学びのサスティナブル化の議論」には、こういった現実が圧倒的に欠けています。

 

パソコンを配る、21世紀スキル、ロジカル、クリティカルシンキング、、そしてSDGs、、、、、

 

そんなことで「学びのサスティナブル化」が行われるわけがないと考えるのです。