今日は、「NTeQモデル」について少しだけ記します。
(NTeQモデル)
教育技術の一つで、コンピュータを教育に活用するための指導法モデル。
NTeQは " iNtegrating Technology for inQuiry" の略で、直訳すると「問い探求のための技術統合」を意味する。
学習者が自己学習を通じて知識を獲得することを重視。そのため、教える側の役割は伝統的な講義形式ではなく、ガイドやコーチとして学習者の学習を支援することにある。
「NTeQモデル」は学習者の「ツール」として「テクノロジー」を利用することをメインに考えたモデルで、現代に必須の考え方だと思います。
「テクノロジー」と「教育・学習」との関係は、大昔から様々な研究者、教育者、コンピュータ技術者等が考え、「テクノロジー」の発展に伴い、消えては生まれ、、を繰り返しています。
そういった考えの1つが「NTeQモデル」です。
「NTeQモデル」は10段階のステップを提示しています。
1.コンピュータを活用した授業の計画
教師はコンピュータをどのように活用するかを計画。学習目標の設定、教材の選択、授業の流れの設計などが含まれる。
2.探求課題の設定
教師は生徒が自分で調査・解決するための課題を設定。生徒が興味を持ち、疑問を持つようなものであることが望ましい。
3.必要な情報の特定
教師は課題解決に必要な情報やリソースを特定する。参考文献、データベース、ウェブサイトなどが含まれる。
4.コンピュータの活用計画
教師はコンピュータをどのように活用するかを詳細に計画する。使用するソフトウェア、インターネットの活用方法、データ分析の方法などが含まれる。
5.ソフトウェアの選択
教師は課題解決に適したソフトウェアを選択する。情報検索ソフト、データ分析ソフト、プレゼンテーションソフトなどが含まれる。
6.生徒の指導計画
教師は生徒の学習を支援するための指導計画を作る。生徒の学習進度の確認、疑問・困難に対する支援、フィードバックの提供などが含まれる。
7.生徒の活動の組織
教師は生徒の活動を組織する。これには、グループワークの組織、ロールプレイの設定、ディスカッションの進行などが含まれる。
8.生徒の支援
教師は生徒の学習を継続的に支援する。質問に対する回答、困難な課題に対する助け、フィードバックの提供などが含まれる。
9.生徒の評価
教師は生徒の学習成果を評価する。成果物の評価、プレゼンテーションの評価、自己評価・相互評価の導入などが含まれる。
10.教師自身の活動の評価
教師は自身の授業運営を評価する。授業の流れの振り返り、生徒の反応の分析、改善点の特定などが含まれる。
まぁ、当たり前といえば、至極当たり前の流れですね?
以前にも記した「GIGAスクール構想」もこのようなことができれば少しは教育の効果が出たと思いますが、「一人一台コンピューターを持たせる」ことが目標では無意味ですね、、、、、(しかも、スペックが低すぎてまともに動作しない、故障率が異常に高い製品、、、では、逆にストレスが溜まる一方です)。
また、昔の「CAI(Computer-Aided Instruction)」との違いは、「CAI」は、コンピュータが教師の役割を果たし、プログラムに従って学習者に教える方式であり、基本的に「教師中心の教育」でした。
学習者は指示された内容を学ぶ受け身の立場にありましたが、「NTeQモデル」は「学習者主体の学習」を重視し、
”コンピュータは学習ツール!”
として使われ、学習者自身が情報を探し出し、問題を解決していく過程を重視しています。
つまり、「CAI」が「教える」ことに焦点を当てているのに対して、「NTeQモデル」は「学ぶ」ことに焦点を当てていると言えます。
そして、コンピュータも、LMSも辞書も、テキストも、参考書も、、、単なる「ツール」だということです!
あと一つ、「NTeQモデル」では、”仮想のデータ”を使うのではなく、”現実のデータ”を使う、ということが推奨されています。
これは、学校教育だけでなく、企業内教育においても非常に重要な観点だと思います。
研修、教育だからといって、適当なデータや素材、テーマを使う場合が多々ありますが、これは学習者のモチベーションを確実に削ぎます。
シミュレートしているのはわかっていても、実データを扱っていれば学習者の心理は違ってきますよね?