louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

PPK ( Principled Practical Knowledge ) について ~ behavior or cognition ~

PPK とは、


「実践に即した原則的な知識 (Principled Practical Knowledge)(Carl Bereiter,2014)」


「具体的な問題を解決する場面で構築される知識であり,「どうすればいいのか(know-how)」だけでなく,「なぜそうするのか(know-why)」の特徴を持ち合わせた知識」


とのことです。

 

これは「高度な学習の話」のように思いますが、実際には企業で働く人にとってはわりとありがちな事柄だと感じます。


例えば、通常のロープレ練習だと、「どうすればいいのか(know-how)」だけで終了ですよね?

 

しかし、ほんとうにそれだけでいいのか?

 

とずっと思っています。


勿論、時間に余裕のあるロープレ練習などでは、「なぜそうするのか(know-why)」を訊ねたりすることもあるでしょうが、評価としては通常は「どうすればいいのか(know-how)」だけですね?

 

要は、答えが合っていれば、それでいい」、、、ということです。

 

これは正論であり、「教育・学習」としてとらえれば、何も問題はないはずです。

 

学校のテストや受験なら、それで100%大丈夫でしょう。

 

しかし、ほんとうは、「なぜそうするのか(know-why)」こそ重要なことだと思うのです。


これは、なんとなくですが、「心理学」「行動」「認知」の関係に似ている思います。

 

行動主義心理学:behaviorist psychology)

 

心理学のアプローチの1つで、内的・心的状態に依拠せずとも科学的に行動を研究できるという主張。唯物論・機械論の一形態であると考えられ、あたかもブラックボックスのような外からは観察ができない心が単独で存在することを認めていない。多くの行動主義者に共通する1つの仮説は、「自由意志は錯覚であり、行動は遺伝と環境の両因子の組み合わせによって決定されていく」というものである。
動機や感情を考慮せず、目に見える行動だけに着目した心理学。

 


認知心理学: cognitive psychology)

 

情報処理の観点から生体の認知活動を研究する学問。20世紀前半のゲシュタルト心理学やバートレット、ピアジェヴィゴツキーらの認知論的研究の流れを汲む分野であり、同時にクラーク・ハル、エドワード・トールマンらの新行動主義心理学の発展形と見ることもできる。20世紀最後の四半世紀以来、現代心理学の主流の座にあると言える。


「行動」=「どうすればいいのか(know-how)」

「認知」=「なぜそうするのか(know-why)」

 

ということで、「行動」の前には「認知」があると考える方が理屈にあっているように思うのです。

だから、認知心理学が好きなんです、、、

行動の前に認知が、、

また、ビジネス関係では、「行動科学マネジメント」なんて研修がよくありますよね?

 

「行動科学マネジメント」=「行動主義」ではないような気もしますが、「行動」に焦点を当てていることは間違いありません。

 

以前、一度だけ「行動科学マネジメント」の研修を受けたことがありますが、あまりのレベルの低さに開いた口が塞がりませんでした、、、

 

研修のほとんどは、「他人の行動のコピー」=「猿真似」です。

 

勿論、「なぜこういう行動をとるか?」なんて話も少しはあるのですが、それはいつものような「ご講演座学」で、研修が終わった後には、ほとんど覚えていないという、、


しかし、多くの企業は「行動」に拘ります

 

というより、「行動だけ」に拘ります!

 

中には、「Why ?」のスローガンをポスターにして張っているような企業もあると思いますが、実際にその会社で「Why ?」が行われているかというと、かなりの疑問があります。


トヨタ5W1Hは なぜ を5回繰り返す」


なんてことを書いた本もありましたが、多分、、、「嘘」ですね、、、?


「なぜそうするのか(know-why)」を考えてみた方が、急がば回れで、企業にとって有益となるような気がするのですが、、、、ね。