認知バイアスの一つである、「IKEA効果」と、「手書きノート」の関係について考えてみます。
まず、「IKEA効果」とは、
・自分で組み立てたり、作ったりした製品に対して過剰に価値を感じる心理現象のことを指す。
・スウェーデンの家具メーカー「IKEA」から取られており、同社の製品は顧客自身が組み立てることが特徴的であるため。
・自分が投入した労力と時間によって感じる満足感や達成感が、製品への愛着や価値を高める。
・マーケティングや製品設計において利用される場合もある。
です。
この「IKEA効果」が学習において大いに関連するのは、「手書きノート」です。
「手書きノート」は学習に大変有効なツールであり手段ですね?
特に「記憶」や「思考の纏め」として、これまでも何度か推奨してきました。
勿論、「手書きのノ-ト」というのは、自分で学習し、ポイントや疑問、要点を記したノートのことです。
テキストや先生様が黒板に書いたことを、そのまま何も考えずにうつすだけのノートとは違います(そんなことはわかってますよね?)。
「IKEA効果」が起こるとされる原因は、
・所有権の感情
自分が製品の一部となる作業に参加することで、その製品に対する所有権をより強く感じ、製品に対する愛着や価値の感覚を高める効果がある。
・努力の正当化
自分が労力を投じて何かを成し遂げた時、その結果に対して価値を感じる傾向がある。「努力の正当化」とも呼ばれ、自分が投じた時間と労力を無駄にしないために、製品に対する価値を過大評価してしまう。
・達成感
自分で何かを作り上げた時に感じる達成感や満足感は、製品に対する価値を高める効果がある。
こういう学習者の心理は、IKEAで製品を買わなくてもわかりますよね?
「価値観」、「努力」、「達成感」、「満足感」
学習のコンテキストでもよく出てくるコトバです。
しかし、こういったコトバに酔ってしまう傾向がほとんどの人にはあり、「学習」においてマイナス効果をだしてしまうことが多々あります。
「手書きノート」は単なるツールですから、完璧に仕上げても仕方がないと考えがちです。
よくある「ノート術」には、例の ”MECE” で記すように、、、などと、、
いやいや、重要なことは何度書いてもいいですし、ノートは他人に見せるものではないので、好きなように書けばいいですね?
それより、大事なのは、
「手書きノート」の添削
です!
通常、学習しながら、もしくは学習直後に「手書きノート」を作成しますね?
その時はそれでいいのです。
その時に「重要」だと思ったことや、「ポイント」だと感じた内容を、その都度ノートに書き出し、纏めることは大変有効な学習になります。
ノートが完成したら、まずは自分が書いた内容を
「疑ってみましょう!」
初めて学習して、すべての「重要」「ポイント」が抜き出せるのなら、それほど楽なことはありません。
そして、
ほんとにこれが「重要」なのか?
ここが「ポイント」で合っているのか?
ちゃんと纏まっているか?
を確かめるために、
自分の「手書きノート」を添削して、別の新しい「手書きノート」を作ることを薦めます!
本当は、何度も添削し、完璧な「手書きノート」を作ればいいのですが、流石に効率の面で問題があるので、2冊くらいが妥当な線かなと思います。
「手書きノート」を添削するには、テキストや参考書、ネット情報などを再度確認しなければなりません。
再学習、復習、リフレクション、、、なんと呼んでもいいですが、その事案について再度考える機会を作ることができます。
1度目で作った「手書きノート」に抜けや間違いを見つけ出し、よりよい「手書きノート」が作れると同時に、学習することができます。
勿論、それでも多くの抜けやミスはあるでしょうし、2度目に完成させた「手書きノート」だけを見ても完璧な知識やスキルが記されていないかもしれません。
それでもいいと思います。十分な学習になっているはずです。
一度目の「手書きノート」作成後は「IKEA効果」をある程度否定し、
二度目の「手書きノート」作成後は「IKEA効果」を肯定する。
騙されたと思ってやってみてください、、、、