今日は、「ファインマンテクニック」についての考察です。
因みに、リチャード・ファインマンは「物理学者」であって、「教育」の専門家では無かったということを、最初にエクスキューズしておきます。
(ファインマンテクニック)
理解と学習を深めるための学習方法(特に複雑な問題解決、専門的な知識の習得)。
(1)学びたい内容を選択
学びたい内容を選択し、できれば書き出し、テキスト等で学ぶ。
(2)その内容を簡略化し、他人に教えるつもりで説明する(書き出す)
学んだら、それを他人に教えるつもりで説明、もしくは書き出す。
(3)理解できない部分を見つける
自分の説明、記載を見直し、理解できていない部分や混乱している部分を見つけ、再度学習する。
(4)理解できるまで繰り返す
自分がその内容を完全に理解し、それを簡単な言葉で説明できるようになるまで、上記のステップ(2)と(3)を繰り返す。
ということらしいです。
これは、「完全習得学習」と「TOTEモデル」、「4C/IDモデル」、「ライゲルースの精緻化理論」の”超絶簡略版”みたいな感じかなぁ、というイメージです。
特に、複雑な問題を解決したり、理解する方略だと一般には拡散されて、多くの「学習系(?)の人たち」や、「教育関連企業」が絶賛しました。
また、弱点としては、
・時間がかかる
・既有知識の必要性
・自己評価の難しさ
というのがよく言われますね。
ファインマンさんが有名なおかげで、これを企業内の研修や教育に使うというところがいくつも出てきたのは、やはりコンサルさんのご商売(?)ですね?
特に研修等で取り入れられる場合には、モディファイ(?)されて、(1)~(4)の後や、(2)の後に、
「実際に他人に説明して、その人が理解できるかどうかを確認する」
という行動を入れますね。
私的に考える「ファインマンテクニック」の弱点は、
1.評価
2.簡略化
3、説明する
だと思っています。
まず、「ファインマンテクニック」の最大の弱点は、「評価」があまりにも曖昧だという点です。
明確な評価基準が、自分の判断(自己評価)であったり、他人に説明するフローを入れた場合は、「他人の感想」になってしまうというのは、、、
やはり、「教授モデル」、「教授手法」、「学習方略」としては、成り立たないのではないでしょうか?
それと、「ファインマン効果」のところでも記しましたが、「簡略化」というのは、通常の学習でいう「まとめ」とか「ポイント」みたいなもので、確かに、学習する際に自分でノートに「まとめ」たり、「ポイント」を覚えるというのは重要ですが、複雑な問題の理解に、「簡略化」は無いと思います。
「難しい内容を、わかりやすく簡単に説明できる」ことなどないです。
最後の、「説明する」というのは、ロープレしたり、1対1でディテールするみたいなことですが、これは例のいい加減な「ラーニングピラミッド」の最大効果とされる「他人に教える」ということですね?
この「他人に教える」という行為が「知識の定着」にものすごく効果があるというが、どうも理解できないのです。
「アウトプット」は確かに大事です、対人の練習や、場慣れ、コミュニケーションなんかには役立つでしょう、、、、が、、、???
ということで、ファインマンさんのような天才が使っていたという「ファインマンテクニック」が「教育・学習」において非常に効果があるというのは、なんとなく”都市伝説”のように思えるのです、、、