「偽陽性(false positive)」は、コロナ禍の検査において有名になった言葉なので知ってる人も多いでしょう?
感染の検査では「感染していないのに検査が陽性になる偽りの陽性」みたいなことですが、ある一部の社会的な言葉の定義としては、
「パターンが無いのに、パターンを見出す」
とか、
「彼はこの分野のエキスパートだから、こんな内容は熟知しているはず」
とか、
「前回のテストで90点取れたから、次回は最低でも80点は取れる」
のような、「思い込み」や「科学的ではない心理状況」です。
この偽陽性は、「教える側」、「学ぶ側」双方に発生します(人間ですから、、)。
しかし、この「感覚」や「感情」、「心理」といったものが「教育・学習」においては、かなりのマイナス要素となることは当然のことです。
ということで、今日は、「教える側」の「偽陽性(false positive)」について考察します。
人間は機械ではないですから、感情や記憶に大きく行動が制御されます。こればかりは仕方がないことです。
ダニエル・カーネマンのいう「システム1」の内容の一部ですね。
過去の経験、特に「大きな成功」、「大きな失敗」をずっと引きずって、「自分自身のパターン」を作り出してしまう。
きっと誰もがそうでしょう?
しかし、それをすこしでも排除できれば、きっと「今日より明日がいい日に」なることでしょう、、、???
では早速、「教える側」の「偽陽性」について、
まず最初にあるのが、生徒、学習者を”たった一度の成績”で判断し、永遠にその評価を変えない(持ち続ける)ということです。
これは、会社において上司が部下を判断する場合にも多々発生します。
(会社では、こちらの方が大きな問題ですね、、、)
「教える側」の人から、
「彼は優秀だ」
とか、
「彼女は頭が悪いから、、、」
なんて言うのを聞くことがあるでしょう?
そういう「教える側」の人の判断は、「偽陽性」の状況に陥っていると思っていいですね。
「優秀」「普通」「ダメ」なんていうのは、「教育・学習」の「数値的結果・成果」で判断するべきなのですが、それをできない人が「教える側」にあまりにも多いということです。
また、ここには「人の見た目」や「好き嫌い」が、ファクターとして入っている場合もあって、さらに厄介なことになります。
「優秀そうな顔つきをしている」
とか、
「目が泳いでるから、私が言ってることを聞いていないな」
とか、言う人多くないですか?
因みに、こういう「教える側」の人のことを「エスパー(esper)」もしくは「サイキック(psychic)」と呼びます。
周りに「エスパー(esper)」や「サイキック(psychic)」がいませんか?
(たくさんいますよね?)
それと、過去に教えた誰かが、その後素晴らしい実績を残したり、逆に大失敗して会社を辞めたりしたことを、別の学習者に「パターン」を当てはめる場合もよくあります。
「前に教えたアイツと同じだ、、、」
みたいな、、、
これは、以前書いた「DiSK」なんかが流行った悪影響もありますね?
D(Dominance):主導型
i(influence):感化型
S(Steadiness):安定型
C(Conscientiousness):慎重型
企業はよくこういうのをコンサルに騙されて(?)導入しますね?
しかし、では、、、どうする? どうなった? というのは全く曖昧になってますね。
それは置いておいて、
また、「教える側」の人でありがちなのが、
・新しいことを取り入れるが、次の新しいことがでてきたら評価もせずに、すぐにそちらに乗り換える、、、
>いわゆる「新しモノ好き」「トレンドハンター」です。
・自分の「教え方」を永遠に変えない、、、
>通称、「ご講演座学の伝承者」「学校の先生」です。
勿論、人間ですから、感情に流されることも、軽率な判断も、イライラもあるでしょう?
しかし、「教える側」の人間で、それを「仕事」としているのであれば、少なくともこういった「偽陽性」を排除していこうという考えを持つべきだと思うのです。
それでなければ「学ぶ側」は泛ばれません。