大学や教育関連企業で今盛んに取り組まれているトレンドに、「生成AIを使って学習教材やテスト問題を作成する」というのがあります。
ということで、今回は「GPTで学習教材やテストを生成する」ということについて考えてみます。
”ChatGPT”が出てきて、”AI(Artificial Intelligence)”は、それ以前より2,3歩進んだように思います。
小学生でもスマホで”ChatGPT”を使っていたりしますね?
それはそれでいいのですが、「教育・学習」という世界にも当然のように ”AIを使う”ということが行われるようになってきました。
日本で売られているLMS(Learning Management System)やスマホなどのアプリなどは、「どのへんがAI?」というようなモノしかありませんが、アメリカ企業の作った最新システムには、結構優れたモノもあるようです。
そのほとんどのシステムがウリにしているのが、
・パーソナライズした学習
です。
まぁ、それはそうでしょうね、「学習は学習者個人が行うもの」ですし、システムを作る側にとっては、もう何十年も前からGoogleやAmazonがやってるようなことを”AI”を使ってやればいいですし、”AI”など使わなくても”トリガー”を用意して次の処理をすればすぐにカタチになります。
では、その次は?
ということで、
・学習教材やテストを自動生成する
ということが話題になっているわけです。
このことのメリットとデメリットは下記のような感じです。
(メリット)
・学習者のニーズやレベルに合わせた教材やテストを提供できる
・教える側の負担を軽減し、インストラクションの質を向上させる
・学習者の学習進度や理解度をリアルタイムに分析し、適切なフィードバックを与えることができる
・学習者の創造力や思考力を刺激する
(デメリット)
・生成AIの仕組みや出力の正確性を理解することが難しい
・生成AIの出力に依存しすぎることで、学習者の自主性や批判的思考が低下する
・生成AIの出力が著作権や個人情報などの法的・倫理的な問題を引き起こすことがある
この中で、
・学習者のニーズやレベルに合わせた教材やテストを提供できる
というのは、「効果」
・教える側の負担を軽減し、インストラクションの質を向上させる
というのは、「効率」
かもしれませんね?
「GPTで学習教材やテストを生成する」ことで、「教育・学習」の「効果」と「効率」が上がれば素晴らしいことです。
例えば、小中高の学習教材、テストを作る場合、ほとんどの元となる情報はネットにあるでしょうし、大学でも教養課程くらいまでは十分対応できるのではないか? と思います。
実際のところ、その方がいいと思いますし、もしそうなれば、「教える側」の人間も現在の職務内容を変えざるをえないですね。
高い壇から降りて、学習者の目線のサポーターになれるかもしれません。
これこそ、DX(Digital Transformation)ですね!
しかし、大学の専門分野や企業ではそう簡単にはいかないと思います。
専門分野や、企業における「教育・学習」の内容は、日々アップデートされ、しかも、あまりに専門的な内容、社外秘の内容などはネット上に無い場合が多いからです。
そうなると、インプットデータのアップデートがあまりにも時間と費用がかかり、結局は従来の方法で、、、、となることは目に見えています。
勿論、インプットデータが簡単に、即座に更新されるようなDBアクセスの仕組みを作って運用する、、、という手もあるでしょうが、、、
となると、そういった元データの追加・更新・削除を自動で行う”AI”システムが更に必要になり、、、、、
また、「検証」の問題があります。
アウトプットされたモノが真正かどうかを「教える側」の人たちが、必ず確認して、間違っていたり、おかしかったら修正しなくてはなりません。
それなら、最初から自分で作った方が早い、、、ということになります。
などと考えると、
「GPTで学習教材やテストを生成する」
というのは簡単にできるでしょうが、
実際にそれを使う学習が近々できるようになるかというと、可能性は相当低いように思います。
イーロン・マスクか誰かの発想のように、大学教授の脳にデバイスを接続して即座に情報が転移できるような世界が来れば別ですが、、、
「GPTで学習教材やテストを生成する」というトレンドも、いつの間にか消えてしまうような気もします。