少しだけ教育関連の専門書を読んだり、その手の研修(コーチングとか、いい加減な「教え方講座」とか、なんとかブートキャンプとか、、、)を受けた教育担当者が結構取り入れるのが、「自己評価」です。
人事の成果評価などでもよく「自己評価」を書かされますね?(ほとんど無意味ですね、、、)
今回は、「教育」「学習」における「自己評価」のお話です。
(学習における自己評価)
自分自身の学習や成果について自分で評価すること。学習者が自分自身の学習状況を把握し、自己成長を促すための手段。
ということで、
まぁ、これだけなら当たり前のことで、全く問題ないですよね?
学習って、そういうものです。
しかし、これを無理やり「教育」として取り入れてしまう場合が、企業の「研修」には非常に多いのが実情です。
大抵の「研修」では「アンケート」や「チェックシート」なんかで適当に「自己評価」を取り入れることが多いですが、人事評価と同じで、意味ありますか? と、思ってしまいます。
なぜなら、
・信頼性
・客観性
に欠ける場合が殆どだからです。
(信頼性)
同じ状況や条件下で何度も同様の結果が得られるのか?
感情や認識に大きく影響を受けるため、一貫性を確保することは難しい。
(客観性)
主観的な見解や感情から影響を受ける。
事実に基づいた評価が難しいため、客観的な評価をすることは難しい。
また、研修なんかでよく話題にされるのが、例の「ダニング・クルーガー効果」ですね?
(ダニング・クルーガー効果)
能力の低い人が実際の評価と自己評価を正しく認識できずに、誤った認識で自身を過大評価してしまうこと。 心理現象である「認知バイアス」のひとつ。
企業で働いたことのある人なら、多分殆どのひとが聞いたことがありますよね?
これだけ有名になったのは、「なんとなくそんな気がする」という、人の心理をついているからでしょうね、、、、?
でも、これほどいい加減な話もないなぁ、と私は最初に聞いた数十年前から思っていました。
個人、時間、状況、環境、文化、背景、、、によって、全く違うでしょう、、と。
心理学の実験としては、どうにか許せたとしても、このいい加減な説を高い料金をとって「本当のこと」のように教える「コンサル」や「研修講師」は許せませんね。
もう少しレベル(?)が上がるとと、バンデューラの「自己効力感」なんてことを持ち出しますね?
(バンデューラの自己効力感)
成果を出すために必要な行動を「自分が遂行できそうかどうか」という自分への自信のこと。自己評価が自己効力感を高め、行動の変化を促すとした。
「自己評価」が「自己効力感」を高め、「行動変容」する?
いやいや、そんなことはないでしょう?
自信過剰で、ずっと失敗している人は何人も見てきましたが、、、、
とはいえ、「自己評価」というのは、文字通り、自分でやることですから、「研修」のあとに「アンケート」や「チェックシート」に記載することが「自己評価」なのではなく、「学習」を振り返るということにおいては意味があります。
「自己評価」を「教育」に取り入れるのではなく、「学習」に取り入れることで成果は上がると思います。
もともと、「自己評価」は、ドナルド・シェーンの「リフレクティブ・プラクティス(省察的実践)」から言われるようになったと思います。
・省察的行動(Reflection-in-action)
問題が発生している最中に、自分の行動をリアルタイムで省察し、調整すること。これにより、新たな問題解決方法を見つけ出し、自身の行動を即座に調整することができる。
・省察的学習(Reflection-on-action)
行動が終了した後にその結果を省察し、将来の行動に反映すること。これにより、自身の行動や判断、考え方のパターンを理解し、改善することができる。
と、偉そうなことを書きましたが、、、自分も「リフレクション」します。