企業内教育に「教育・学習理論」や「ID」を取り入れよう!
と言うと、高額な研修会での聞きかじりの知識を元に、
「ID はスピードに欠ける弱点があって、、、、」
とか、
「ADDIE は PDCA だよね?」
なんていう「意味不明」なコメントをする人が結構でてきます。
企業で教育担当部署に回されてる人たちの多くは、元の部署で役に立たない、と思われたか、何かヘマをやった人たちで、「教育」というものをちゃんと学ぼうとか、「どうせ成果なんて出ないから、適当にやっとけばいいや、、」なんていうネガティヴな感情に汚染されていることも少なくありません。
そんな人たちは、高額な研修(よくありますよね、、、何とかキャンプとか、、)に行くと簡単に洗脳されて帰ってきます。
そして、上記のようなコメントをするのです。
まぁ、そういう場合には、、、、、そういう人たちは「切る」のが一番です。
「切る」といっても、別に他部署へ行かすとかいうことではなく、単純な、力仕事に割り当てればいいということです。
こういった人たちの意見や提案を聞いても、まず物事がいい方向に進むことはありません。
それはそうと、上記のコメントについて考えて見ましょう!
「ID はスピードに欠ける弱点があって、、、、」
これは「ID否定派」の人がよく使うコメントで、聞いた側は「ああ、、IDってスピードがないんだ、、今のVUCAの時代には適用できないな、、、」なんてことになります。
(いやいや、VUCAでなかった時代なんてこれまで一度もありませんから、、、)
なぜ、こういうことが言われるかというと、「ID」を説明するアカデミアや教育関連企業が、「ADDIE」=「ID」のように拡散したからです。
「ADDIE」=「ID」
と説明すれば、そりゃわかりやすい、、と考えたのでしょうね? わからないではありません。
世の中、「PDCA」ばかりいまだに叫んでますからね、、、
「ADDIE」は、
・Analysis(分析)
・Design(設計)
・Development(開発)
・Implementation(実施)
・Evaluation(評価)
なので、「PDCA」同様にループを「回す」というということです。
そこで、何度もループを回して、最後には「成果」がでる、、、、
みたいな説明をします。
まぁ、アカデミアの先生様が言うように、こんなことをできる時間も余裕もお金もないですね、、、、
「だから ID は遅いんです、、、」みたいな話になるんです。
正直言ってしまえば、完全に「ナンセンス」です!
社内にまともな「インストラクショナル・デザイナー」がいれば、何度もループを回すなんてことはしないで、最初から「形成的評価」によるルート変更等を経て「成果」にたどり着けます。
だって、
デザインは、「成果」を出すところまでのデザインなんですから!
ところが、「IDは遅い」と言われたアカデミアの先生や教育関連企業さんたちは、そうではなくて、
「そういう時は、ADDIE ではなくて、SAM モデルを使うんです!」
みたいに説明して、今度は「SAM」を拡散しようとしました。
SAM(Successive Approximation Model)は、いわゆる「アジャイル」的なことなので、元のスタイルが無いと全く意味をなさないということは説明しません。
少しだけ「ID」を齧った企業なんかは、「ADDIEとSAMが使える人材を募集!」なんていうまったく的外れなリクルートをやっていたりしますね、、、(さすがに笑ってしまいました)。
アカデミアの先生たちが「実践」を理解していないので、モデルには2種類(プロセスと方略)あるということをちゃんと説明していないのが原因です。
「ADDIE」や「SAM」っていうのは、単なる「プロセス・モデル」なわけです!
「プロセス・モデル」になんて拘る必要なんてありませんし、適当(といったら怒られるかもしれませんが)でいいんです。
「成果」を出すのは「プロセス・モデル」でなく、実際の「方略」のモデルなんですから、、、。
だから「TOTEモデル」や「4C/IDモデル」といった「中身」のモデルが重要なんです。
「教育」の「方略」が決まれば、プロセスなんてものは自動的に選択できます。
前にも記しましたが、「アカデミア」と「企業」、「理論」と「実践」の融合ができていないということが、日本の現状です。
どうにかしないとね、、、、、