「手書きノート」と「学習」について考えてみます。
スマホ、PC、タブレットが殆どの人、家庭に普及し、「学習」の方法は劇的に変わりました。
これまでの、「紙」の書籍、「紙」のノート、、という文化から、インプットもアウトプットもデジタル、、、という流れは止められませんね。
それはそれでいいことだと思います。
木を伐採してつくる「紙」が時代に合わないというのもありますね、、、
そういう状況の中で、敢えて「手書きノート」を「学習」に使うことで、逆差別化(?)をするという方略が取られることもあります。
この方略が一般化したのは、「ノート術」ブームでした。
「ノート術」ブームの頃には(今も?)、山ほどの新しいメソッドが生み出され、、「○○のノート術」とか、「×大生のノート術」、、、、なんていう本が結構売れたようです。
ビジネス関連では、「思考」や「行動」を変えるとか、コーチングの手法の1つとして取られることもありましたね?
目についた「ノート術」を少し挙げてみます。
(ノート術)
・コーネルノート法
ページを特定のセクションに分けて記録する手法。ページを縦に二分割し、右側に授業や講義のメインの情報を、左側に質問やキーワードを書く。ページの下部は要約や反省を書くスペースとする。
・アウトラインノート法
見出し、小見出し、箇条書きなどを使って情報を階層的に整理。大きなテーマから細かい情報まで順に書き出すことで、全体像を把握しやすくなる。
中心に主題を書き、そこから関連する項目を枝分かれさせていく方法。視覚的に情報を整理することで、理解を深めやすくなる。
・フローノート法
時間の流れに沿って情報を記録。授業や講義の進行に合わせてノートを取ることで、情報のつながりを見える化。
・カラーノート法
色を使って情報を整理。特定の色を重要な情報や関連する項目に割り当てることで、記憶に残りやすくなる。
. センテンス・メソッド
聴講しながら、重要だと思われる部分だけをピックアップしてまとめてく。板書きの内容や話したことをそのままノートに書くのではなく、自分の頭で理解してまとめ直す。密度の濃いノートを作ることが可能。復習の際も見やすい。
・ボックス・メソッド
複数ページにまたがる項目を1ページにまとめて見やすくする。重要単語や重要コンセプトだけをまとめた箱(=ボックス)を作る。復習がスピーディーに行なえる。単元ごとに覚えるべき項目が多いような科目・資格試験を勉強する際に向いている。
みたいなのがありますね?
気が向いたら、どれかやってみるのもいいかもしれません。
ただ、「ノート」というと、「手書き」をイメージしますが、別にデジタルで「ノート」をとってもいいわけですが、
今回は、「紙のノート」への「手書き」ということをテーマとして考えます。
「手書きノートの学習」は、どうしても ”昭和” の匂いがしますし、当然のことながら「向き不向き」もあります。
ただ、「記憶」を重視する「学習」においては一定の効果があるのではないかと思っています。
では、そのメリットとデメリットを記します。
(手書き)のメリット
・深い理解
手書きノートは情報を処理し、理解するのに役立ちます。タイピングと比較して、手書きはより時間がかかり、反射的な思考を促す。情報をより深く理解することが可能。
・記憶向上
手書きノートは情報を記憶するのに有効。手書きは脳にとって活動的な過程であり、情報を長期記憶に保存するのに役立つと考えられている。
・注意力の向上
手書きノートを取ることは、授業や講義への集中力を高める。ノートを取ることで、聞いたことを理解し、重要な点を選び出す力がつく。
・自己表現
手書きノートは自分自身の考えを表現するためのツール。自分の言葉で情報を記述することで、思考の整理や理解の深化につながる。
・クリエイティブ思考
自由な形で情報を記録できる。図やマインドマップを描くことで視覚的に情報を整理したり、新たなアイデアを思いつくこともある。
・デジタルデバイスからの解放
デジタルデバイスを使わずに手書きでノートを取ることで、SNSやゲームなどの誘惑から逃れ、集中力を保つことができる。
(手書き)のデメリット
・時間がかかる
手書きノートはキーボードを使用するよりも時間がかかる。特に、速度が求められる場面や大量の情報を記録する必要がある場合、手書きは効率的とは言えない。
・編集が難しい
コンピュータ上でのノート取りと違い、手書きノートは一度書いた内容を後から編集したり、誤った部分を修正したりするのが難しい。内容の並び替えも手間がかかる。
・持ち運びが大変
ノートや筆記具を持ち運ぶ必要があり、場所を取ることがデメリットとなる場合もある。多くのノートを使う人は、それらを整理し、必要なものを見つけ出すのが大変。
・紛失のリスク
物理的なノートは紛失するリスクがある。水濡れや火災などで損傷する可能性もある。
・検索が難しい
コンピュータ上の文書と違い、手書きノートは特定のキーワードやフレーズを素早く検索することができない。
・エコロジーの観点
紙を大量に使用するのは環境に負荷をかける可能性がある。
こんなところでしょうか?
「学習」においては、まずは基本的な部分の「記憶」、つまり「言語情報」から「応用」:「知的技能」へと向かうわけですから、「記憶」の効果というのは非常に重要なことだと考えます。
デジタルの「ノート」にタイプしても「記憶」が変わらない、、という人もいるでしょうが、そういう人はデジタルでやればいいと思います。(実際、そういう人もある程度いるでしょう)。
私的には、「手書きノート」だと、自分の文字(汚かったり、読みずらかったり)で書くことに、なんとなくですが「効果」の一端があるように思うのです。
デジタルの場合は、フォントという画一化された環境の中にあります。タブレットで「手書き」をする人もいるでしょうが、精度的にまだまだレベルが低いので、あとからタイピングし直すということになりますね?
また、日本人の場合、「漢字」という厄介な(?)モノがあるため、
タイプ:あたらしい → 新しい
手書き:新しい
デジタルでの変換を、脳が行う、、、というか、「新しい」という形状の「記憶」を最初から呼び出す必要があるというのも、「学習効果」に寄与している気もするのです。
クリエイターやデザイナーでなくても「手書き」の効用を得られる場合は多いと思われます。
「今の若い人たちは、ほとんどの日常をスマホでやるから、、、」
なんて言われますが、
それで、目標が達成されていれば、それでいいのです。
しかし、どうしても「記憶」できない、、「考えがまとまらない」なんていう人には、一度「手書きノート」を勧めてみてもいいのではないでしょうか?
「ノート」をとることは「アウトプット」ですから、よく言われる
インプット:3割
アウトプット:7割
は、眉唾だとしても、テキストをずっと読んでいるより、テストをやる方が「学習」になるというのは、多くの人にとって真なので、「学習効果」はあるのではないかと思います。
ただこれは、デジタル、手書きともにですが、黒板に先生様が書いたことをただそのまま移すということは、全く意味がないことなので、それをデジタルでやろうが手書きでやろうが誰にも「差」は出てこないので・・・