louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「インターリーブ学習」が有効な学習者とは?

よく、「ブロック学習」「インターリーブ学習」のどちらがイイの?

ということが議論されます。


そこで、今回は、学習方略である「ブロック学習」「インターリーブ学習」「向き・不向き」というか、「インターリーブ学習」が有効な学習者について考えてみます。


(ブロック学習)

一つのトピックやスキルを一定の時間集中して学習する手法。学習者は一つの概念やスキルを完全に理解し、それをマスターするまで他のトピックに移らないというアプローチ。


(インターリーブ学習)

異なる種類のタスクや情報を交互に練習する学習方法。ブロック学習の合間に関連性がある別の学習を挟むアプローチ。


私的には、「ブロック学習」だけやっていればいいのではないか? とも思います。

 

「ブロック学習」の考えは、完全習得学習(マスタリーラーニング)の土台となり、インストラクショナルデザインの基本だからです。


しかし、「インターリーブ学習」が語られる背景には、

ブロック学習の弱点(?)である、


・飽きや疲れ

長時間同じトピックを学習し続けると、飽きや疲れを感じる可能性がある。


・関連性の見落とし

一つのトピックだけに集中すると、他のトピックとの関連性を見落とす可能性がある。


・長期記憶の困難

一つのトピックをブロックとして学ぶと、その知識が長期記憶に定着するのが難しい。


・転用の困難

一つのトピックに深く集中することで、その知識やスキルを他のトピックや状況に転用するのが難しくなる可能性がある。


などがあります。

インターリーブ学習?

学習者が、成績不振(?)に陥ると、塾の講師や、学校の教師企業の教育担当者などが、


「では、インターリーブ学習をしてみたら?」


などと、適当なアドバイスをしますね?


インターリーブ学習メリットとしては、


・長期記憶

情報を交互に学習することで、それぞれの情報を区別し、長期記憶に保存する能力が向上する。


・柔軟性

異なる種類の情報を交互に練習することで、新しい状況や問題に対してより柔軟に対応する能力が開発される。


・深い学習

情報間の関連性を理解し、それをより深く理解することができる。


・パフォーマンス向上

複数のスキルや情報を交互に練習することで、各スキルのパフォーマンスが向上する可能性がある。


ということです。

 

これは、何度も記しているジョン・デューイマーク・プレンスキー「スキルセット基盤型」のカリキュラム似た感覚がある学習方略だと言えます。


確かに、「成績不振(このコトバは基本的に「相対評価」で使うの嫌いです)」の学習者に学習方略を変えてみるというアドバイスは、一見正しいようにも感じられます。

 

しかし、それで本当に「ブロック学習」を「インターリーブ学習」に変更したからといって、「成績」が上がるでしょうか?


多分、上がらないし、、、むしろ下がる


と、思うのです。


・今日の午後は、英語の単語記憶をやる

    ↓

・英語の単語記憶を30分、次は数学問題を30分、歴史の記憶を30分、、


・一日中、マーケティングの学習をする

    ↓

マーケティングの基礎を30分、次に製品知識を30分、営業テクニックを30分、、

 

などと、変えてみてもあまり意味がないのではないかと思います。


なぜか?

 

それは、

 

「インターリーブ学習」が有効な学習者は、「ブロック学習」で成果を残せる学習者

 

だからです。


「ブロック学習」が向いていないから、、、などという観点が間違っていると思うのです。


ジョン・デューイマーク・プレンスキーの理論の弱点もここにあると考えます。


つまり、「インターリーブ学習」が有効なのは、極端に言えばチョムスキーオードリー・タンのような人たちです(これは言い過ぎですが、、、)。

 

「ブロック学習」でそれぞれの学習目標を達成した人に、「インターリーブ学習」が有効な可能性はあると思います。


しかし、大多数の学習者や「成績不振(?)」の学習者に、「インターリーブ学習」を、、、などと言うのは、やはり違うのではないか

 

と感じます。

 

n数の少ないアカデミアの実験を鵜呑みにして、「ブロック学習」ではなく「インターリーブ学習」がいい、、、という風潮に異論をはさみたい、、、のです。

 

まぁ、天才を育てたいのなら、ダメ元でやってみてもいいかもしれませんが、、、、、