企業においては、多くの職種で「OJT(On-the-Job Training)」が行われます。
大概は、新入社員や部署異動の人を対象に「研修期間中」に実施されますね?
教育をする側としては、一般的且つ実践的、効果的だと考えていると思うのですが、対象者(学習者)としての捉え方は、おそらく逆です。
「やりたくない・・・」
「怒られたらどうしよう・・・」
「やるなら上司やトレーナーの監視が無い方がいい!」
という人が殆どだと思います。
中には、前向きに捉える人もいるでしょうが、大半は「嫌々」です。
今回は、「嫌々のOJT」について考察してみたいと思います。
(OJT:On-the-Job Training)
日常の業務に付きながらの職業教育。
起源は第一次世界大戦時のアメリカで、膨大な軍人を育成するために生まれた「4段階職業指導法」。
・やってみせる(Show)
・説明する(Tell)
・やらせてみる(Do)
・確認、追加指導(Check)
が基本的な手順。
教育担当の先輩社員が日常業務のなかで、マンツーマン指導する。
日本では高度経済成長期に輸入された。
社員研修においての基本的な手法。
変容を続けながら多くの企業において実践的かつ効果的な研修手法として活用されている。
インストラクショナルデザイン同様に、やはり軍隊が起源なんですね?
「教育・学習」「人材育成」という、
何もしなければ ”無” であるもの
には、やはり「強制」や「規律」、、、といったネガティブが付き纏いますが、それは仕方ないことですね、、、、人間は元来怠惰な生き物ですからね?
(OJT3つの原則)
・意図的:トレーニングを行う目的や目標を明確にすること
・計画的:十分に企てられた育成計画に基づいてトレーニングが行われること
・継続的:反復的、段階的に継続したトレーニングが行われること
(メリット)
・実践的なスキルの習得
実際の職場環境で行われるため、実務に直結したスキルや知識を習得できる。
・即時フィードバック
仕事をしながら学ぶため、即座にフィードバックを受け取り、改善に活かすことができる。
・社内文化の理解
会社の運営方法や社内文化を直接学び、組織への適応を早めることが可能。
(デメリット)
・誤った習慣の習得
指導者が誤った方法を教えると、それが習慣化してしまう可能性がある。
・指導品質のばらつき
指導者のスキルや経験により、指導の品質が一定でないことがある。
・職務遂行との両立
訓練を受けながら仕事をこなすため、両立するのが難しい場合がある。訓練が業務の妨げになる場合もある。
私的には、「嫌々のOJT」にメリットは少ないと思っています。
ということで、大半が「嫌々」なので、「OJT」にあまり固執しない方がいいのではないか、と考えます。
やる側は、
「現場を知る」
「仕事に慣れる」
「新たな視点が得られる(気づき)」
「即戦力」
というコトバを並べ立てますが、「嫌々」やって、そうなるでしょうか?
また、付き合わされる先輩社員、片言の説明を受ける顧客、、、にとってはたまったものでないですよね?
究極的なことを言えば、
これから何年、何十年とその仕事をやるんだから、知識もスキルもない新人研修期間に焦ってやる必要は全くない!
ということです。
それでも「OJT」をやりたいというのであれば、事前に対象者に確認をとって、「やりたい!」という人だけに実施するのがいいでしょう!
「嫌々のOJT」はムダなので、即座にやめるべきと考えます。