louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「デボノの帽子」はひとりで行う! ~ Lateral thinking ~

高額なファシリテーション研修に参加して、「デボノの帽子(6つの帽子)」をやったことがあるでしょうか?

 

水平思考(Lateral thinking)で有名な、エドワード・デ・ボノによって提唱された思考法で、問題解決やアイディアを出すという目的のためのツールとして「会議」「ワークショップ」で行いましょう! というやつです。


「水平思考」は、ほんの少しだけトレンドになったので(今はもう誰もが忘れているでしょうが、、)知っている人もいるでしょうね?


(水平思考)

エドワード・デ・ボノによって提唱された思考法の一つで、従来の直線的な思考(垂直思考)とは異なり、新たな視点やアイデアを生み出すことを重視する。

・既存の枠組みを飛び越えて多角的に考え、新たな視点やアイデアを生み出そうとする。

・アイデア創出や問題解決において非常に有用であり、特に既存の思考パターンや方法が解を導くことができない問題に対して効果的。

・多様な視点から物事を見ることで直感的な発想を生み出す。


みたいな感じですね?


「論理的思考」「分析的思考」「垂直思考(Vertical thinking)」

と考え、イノヴェーションや発明的なアイディアを生み出すには、固定観念を捨てて、多様な見方、考え方をする、、、

ということです。

まぁ、その理論自体は、確かに、、と思うところも多々あります。


縦割りの組織や思考が、決まりきった道程っであるのに対して、ある程度フラットな組織、思考が「効果」を発揮する場合もあるでしょう。


さて、今回のテーマである「6つの帽子」です。

デボノの帽子

「6つの色の帽子」を交代で被り、その都度その色の「立場」で思考し、発言をする、というやつです。


・白い帽子

中立的な視点。データ、事実、情報を提供し、現状を客観的に評価する。


・赤い帽子

感情と直感の視点。感じたことや直感を率直に表現する。


・黒い帽子

慎重さやリスクを考慮する視点。悪い側面、リスク、なぜ何かがうまくいかないかを見つけることに重点を置く。


・黄色の帽子

ポジティブな視点。価値と利益を見つけること、何がうまくいくかを考える。

 

・緑の帽子

創造的な視点。新しいアイデアや代替案を提案し、可能性を追求する。


・青い帽子

全体的な視点。会議やディスカッションを管理し、他の帽子の使用を調整する。


この方法は、グループの中で多角的な視点から問題を考えることを促し、意思決定を効率化する、ということです。


そして、この「6つの帽子」の思考方法を、ファシリテーション研修等で教わった人は、会社に帰り、「会議」や「研修」でやりますね?


どうですか?


何か「画期的なアイディア」や「イノヴェーティブ」なことが起こったでしょうか?


デボノさんには申し訳ないのですが、「6つの帽子」を「会議」や「研修」でやっても「効果」はでないと思うのです。

 

こういった類のメソッドやツールの多くは、やらせる側の「自己満足」である場合が多いのですが、この「6つの帽子」もまさにそんな感じです。


このツールの致命的なバグ(?)は、

「人」

ということがあまりにも理解されていない点です。

 

「人」が「他人の立場」に立って思考することは非常に困難であるということを無視して、

 

「会議」や「研修」で”突然”説明され、「中立」「直感」「慎重」「ポジティブ」「創造的」「全体的」な思考をころころと変えるなんていうことができるはずがありません。

 

いい加減な意見、適当なアイディア、忖度した回答、、しか出ないに決まっていますよね?


この「デボノの帽子」は、自分ひとりで、何かを考えるときにこそ使うツールだと思うのです。


ひとりで、時間があり、冷静になった時なら、「人」は”ある程度”自分とは違った思考を試すことも可能です(それぞれの個性があるので、完全にはムリですが)。


しかし、まぁ、わざわざ帽子を被って、、、というのは小学生でもやりたくない子がほとんど、、のように思いますね?