louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「STEAM教育」はイイ考えなの?

「STEM教育」(Science、Technology、Engineering、Mathematics)から、芸術やデザインの要素(Arts)を加えて「STEAM教育」となってもう10年以上が経ちますね?

 

(STEAM教育)


Science(科学)

Technology(技術)

Engineering(工学)

Arts(芸術)

Mathematics(数学)


の各分野の学習を”統合的に”取り入れる教育アプローチです。


「問題解決能力」「創造性」を育成することを目的としているようです。


多分、アメリカの偉い教育者たちが考えた方針だと思いますが、ちょうど「AI」「VUCA」なんかの時代が来ていて、従来の ”STEM” だけでは”少し不安(?)” なので、Arts(芸術)をいれた感じもします。

STEAM教育

(要点)としては、


1. 総合的なアプローチ

科学、技術、工学、芸術、数学を個別に教えるのではなく、これらの分野を統合的に取り入れる。これにより、学生は現実の課題に対して複数の視点からアプローチし、解決策を見つける力を養う。


2. プロジェクトベースの学習

実際のプロジェクトを通じて学ぶ。生徒は問題を特定し、調査し、プロトタイプを作成し、解決策を提供するプロセスを経験する。


3. 創造性とイノベーション

芸術やデザイン要素が組み込まれることで、学生は創造性を発揮し、新しいアイデアイノベーションを生み出す力を養う。


4. コラボレーションとコミュニケーション

STEAMプロジェクトはしばしば協力を必要とし、学生はチームで協力し、アイデアを共有し、効果的なコミュニケーションスキルを磨く機会を提供する。

 

確かに、こういった ”考え自体” 素晴らしいことですし、「学校教育」というものは、本来こういったものであるべきなのでしょう、、、、


毎回例に出しているジョン・デューイの考えも、インストラクショナルデザインの考えも入っているし、、、、


誰もが「イイ!」と思うはずです。


私も、Arts(芸術)を入れるとは、、、なかなかやるじゃない、、と当時は思ったものです。

Arts(芸術)で全体を包み、クッションとして、STEMを結びつけるという発想は、いかにもアメリカ的な感じもしますね?

「デザイン思考」、「アート思考」の基盤があるアメリカならでは、、です。

 


そして、日本もこの波に乗ろうと、文部科学省が「STEAM教育」とか言い出しました。


しかし、「学校教育」を少しでも時代に合うようによくしようと考えたはずの「STEAM教育」の日本での状況は、、、というと、


国から提供される「費用」も「人材」も、「教育デザイン」もなく、、、、


・プログラミング(IT)

・総合


なんていうモノだけがピックアップされ、授業時間はどんどん増え、受験内容は、「記憶中心」が更に加速しています。

 

「プログラミングはロジカルな思考を養う!」

とか、

「総合は、貴方の好きな、デューイやマーク・プレンスキーが唱えてる教育じゃないのか?」


という罵声が聞こえてきそうです、、、、


「プログラミング」という行為自体は、”ロジカル”です。それは間違いありません。

しかし、

プログラミングを学んだからといって、「ロジカルな思考」が得られるでしょうか?

 

何か、ここをすごく勘違いしている人が多いように思うのです。


プログラミングを学んでも、「ロジカルな思考」は得られません。

プログラミングを学んで得られるのは、プログラムを組む「言語」と「手順」だけです。


また、「総合」ですが、これはデューイマーク・プレンスキーの言ってるスキルベースのカリキュラムや、多くの経験や社会との関係をとり入れた教育といったものではなく、

教師がその都度適当に選択したテーマを、短い時間で検索、まとめ、、をするという、、、誰が考えても ”時間のムダ” ですよね?

 

もともと、”全員に同じ教育”なんていうのは、壊れた考えで、それは”STEM”でも”STEAM”でも同じです。


通常の学校なら、


「受験で合格したいなら、受験に出そうな問題を解く。そういった問題が解けるような分野の学習をする」

 

でいいと思います(善とか悪とかいう問題は別として、目的を達成するという意味

)。


そして、


・プロギタリストになりたいなら、、、、

・画家になりたければ、、、、

・ダンサーになりたいなら、、、、

・サッカー選手なりたいなら、、、、


という別の学校(のようなもの)を作ればいい、と思うのです。