louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「経験学習(Experiential Learning)」という ” 魅惑のコトバ ”

今日は、「経験学習(Experiential Learning)」について少し考えてみたいと思います。


「経験学習」で有名なのは、勿論、デビッド・コルブ(David Kolb)ですよね?

 

(コルブの経験学習(またはコルブの学習サイクル))


心理学者デビッド・コルブによって提唱された学習理論で、経験を通じて学習する過程を説明したもの。

 

コルブの経験学習は、以下の4つの段階から成り立っている。

 

1.具体的な経験(Concrete Experience): 

新しい経験や状況に直面することから始まる。人々は経験を通じて学習するという考え方が基礎にある。

2.内省的検討(Reflective Observation):

次に、その経験について深く考え、それから何が学べるかを内省する。これには自己観察や自己反省が含まれる。

3.抽象的思考(Abstract Conceptualization):

経験から導き出した学びを、理論や概念に変換する段階。これには、問題解決、意思決定、アイデア生成などが含まれる。

4.積極的な行動(Active Experimentation):

最後に、新しく学んだ概念を実際の行動に移す段階。新たな行動を試みることで、新たな経験を得て学習サイクルが再び始まる。

経験学習サイクル

という理論です。


「経験学習(Experiential Learning)」って、魅力的な「言葉」ですよね?


この言葉に飛びついた企業の「教育担当者」「教育コンサル」も多いと思います。

 

しかし、このサイクルだけを考えてみると、普段企業内で散乱しているPDCAとそんなに変わらないですね(本当は違うけれど、、、、)。

だから、実際にやってみて(高いお金を出して研修)、結局は「経験学習」は、???なんていうことになってしまします。


上記の「経験学習サイクル」だけが「経験学習」だと思ってしまうのが失敗の原因だと思います。


コルブやその他の「経験学習」を提唱する人たち意図は、そこではなくて、「学びのステップ」の1つとして「経験学習サイクル」があり、最終的には「自分の学びのスタイル」を見つける。そして、「常に学びの過程にある」という認識を得るところにあると思います。


「経験学習」には「フルサイクル学習」という概念があり、学びの3つのステップがあります。

 

・学びのステップ1

「学習者」というアイデンティティを受け入れる

・学びのステップ2

「学び方」を学ぶ(経験学習サイクル)

・学びのステップ3

自分の「学びのスタイル」を発見する


ということです。


では、ステップ3の「学びのスタイル」とはどういうものでしょう?

 

コルブは4つのスタイル

・発散型 (Diverging style) 
・同化型 (Assimilating style)
・収束型 (Converging style) 
・適応型 (Accommodating style)

を考えましたが、あまりに固定化されているのでは?

ということで、

今は、9つの「学びのスタイル」の方が一般的かもしれません。


1.経験するスタイル

「行動」と「検討」のバランスを保ち、「考える」スタイルは重視しない。客観視が不得意で、感情的になりがち。

2.想像するスタイル

「経験」と「検討」で情報化。「決定」するスタイルは重視しない。観察、大局的に見る。具体的な結果を軽んじる。

3.検討するスタイル

「経験」か「考えること」で情報を取り込む。「行動」には手を付けない。感情や概念に没頭。機会を逃しがち。

4.分析するスタイル

「考えること」と「検討すること」で学ぶ。「開始」するスタイルには関心がない。木を見て森を見ずになりがち。

5.思考するスタイル

「検討」と「行動」のバランスを取る。「経験」はさける。感情ではなく、理論と冷静さを重視。

6.決定するスタイル

問題解決や現実的な結果を選択。「想像」するスタイルを重んじない。曖昧、焦点がぼけることを嫌う。

7.行動するスタイル

「経験」と「考えること」のバランスをとる。「検討」には時間をかけない。「待つ」ことが嫌い。特定のやり方に固執する。

8.開始するスタイル

「行動」と「経験(感情)」で学ぶ。「分析」するスタイルには関心がない。「現状維持」を恐れる。

9.バランスを取るスタイル

「行動」「検討」「経験」「思考」の極端さからは距離を置く。決断を下すことが苦手。何でも屋。


まぁ、よくある「DiSC」みたいなものですが、、、、、


自分の学びのスタイルがどうなのかを知ることができれば、それは有効なのは間違いがありませんが、、、、人間というのはなかなかやっかいなモノなので、、、