louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

PIES (Personalized Integrated Educational System) と PSI (Personalized System of Instruction) ~ 「効率」か「効果」か? それが問題だ! ~

今日は、PIES PSI について記します。


PIES =「個人に合わせた統合型教育システム」

PSI =「個別化教授システム」 


PSI はもう半世紀以上前にフレッド・ケラーが考えたことで、書籍にもなっています(「教育者の成長」)し、知っている人も結構いるのではないでしょうか?

 

一方の PIES は、テクノロジーがある程度進歩してきて、目的が安易に達成できるようになった現在の理論なので、少し馴染みがないかもしれません。

 

ただ、この二つの考えの共通点は「Personalized」という点です。

 

何度も言いますが、やはり「個人」を「対象」にしない「工業時代の教育や学習」は脱却する必要があります。それは、学校でも企業でも同じです。

 

こんな簡単なことを「理解できない」「理解しない」のが現在の世の中なので、「正論」をどんなに言っても熊大のようになってしまいます。

 

悲しすぎますね、、、、

 

と、嘆いていてもしかたなので、これも備忘録として記していきます。

PIESとPSI


では、初めに、「PIES =「個人に合わせた統合型教育システム」」から、


(PIES)

Personalized Integrated Educational System(PIES)は、個々の学習者のニーズと学習スタイルに合わせて教育をパーソナライズ(個別化)するためのシステムやアプローチ
目標は、学習者一人一人が最高の教育成果を得られるようになること。

PIESでは、学習者の学習スタイル、能力、興味、目標などを考慮に入れ、それに合わせた教育プランを作成。

教育の進行に合わせて学習者の進捗を追跡し、必要に応じてアプローチを調整する。

パーソナライズされた教育は、学習者が自分自身の学習により深く関与し、より高い学習成果を達成することを可能にする。

学習者が自分自身の学習スタイルとペースで学ぶことを可能にするため、学習へのモチベーションを高め、学習経験をより楽しく、効果的で、有意義なものにする。

教育技術の進歩を活用してこれらの目標を達成する。例えば、学習者の進捗を追跡し、パーソナライズされたフィードバックを提供するためのデータ分析ツール、個々の学習者の学習ニーズに合わせてコンテンツを適応させるための学習管理システム(LMS)などがある。

PIES設計の基盤として「テクノロジーがある。

 

ということです。


PSI =「個別化教授システム」は、

 

(PSI)

Personalized System of Instruction(PSI)は、フレッド・ケラーによって1960年代に開発された教育システム。

PSIは「ケラープラン」とも呼ばれ、学習者が自分のペースで学び、個々の学習者が必要な知識とスキルを確実に習得することを重視する。

自己ペース学習:学習者は自分自身のペースで学習し、新しいトピックに進む前に既存のトピックを理解し、マスターする必要がある。

マスタリーラーニング:学習者は各ユニットを完全に理解し、マスターするまで進まないという原則に基づいている。

チューターの役割:教授側は、学習者が理解を深め、スキルを習得するためのガイドやメンターの役割を果たす。

フィードバック:学習者は定期的にフィードバックを受け取り、自分の理解度を確認する。

プロクタリング:学習者が一定のレベルを達成したことを証明するためのプロクター(監督者)による試験が行われる。


ということで、”似て非なるもの”、、、という感じでしょうか?


勿論、考えられた時代が違うので、なんとなく PIES の方が優れているように感じる人もいるかもしれませんね? PSI でもテクノロジー(コンピューター)の利用を想定してはいますが、何せ大昔なので、、、


しかし、これはどちらの考え方が優れているかではなく


「効率」に重きを置くか、「効果」に重きを置くか、


の問題のようにも思えます。


PIES と、PSI の主要な違いは、

 

PIES が”教育の全体的なアプローチ”に焦点を当てている

PSI が”教育の適応性と個別化”に焦点を当てている

 

ことです。

 

PIES教育全体を個別化し、学習者一人一人の学習スタイル、能力、興味、目標に合わせて教育プランを作成します。PIESは教育の進行に合わせて学習者の進捗を追跡し、必要に応じてアプローチを調整します。


PSI は、学習者が自分のペースで学習することを可能にし、個々の学習者が必要な知識とスキルを確実に習得するまで進行しないという教育方式。これは「マスタリーラーニング」の概念に基づいており、教授側の役割は主にフィードバックと指導を提供することです。

 

つまり、PSI は「教える内容の習得に重点」を置き、PIES は「学習者全体の教育経験」に焦点を当てるということです。

両者ともに学習者中心の教育を目指していますが、その焦点とアプローチには微妙な違いがありますね。


私は、「マスタリーラーニング信者」なので(ブルーム信者ではありませんが、、)、まずは PSI 、そして次に PIES 、、、という考えがいいように思っています。