今日は、”創造的思考プロセス” を説いた「ワラス(ウォーラス)の4段階理論」についての考察です。
これも一時期、人材育成、人事関連で ”トレンド” になりかけたので、知っている人も多いと思います。
「パースの三分論モデル」
「ヤングの五段階」
「川喜田のW型問題解決学」
「ブルーナー等の思考の二分論モデル」
などと一緒に、「研修」で学んだ人もいるのではないでしょうか?
「創造的思考」「アイディア」「問題解決」、、、なんていう文脈でよく語られますね?
(ワラスの4段階理論)
1.準備(Preparation)
問題や課題について深く考え、リサーチを行い、必要な知識や情報を集めるステージ。この段階では、関連する情報を最大限に吸収し、問題に対する理解を深めることが重要。
2.孵化(Incubation)
一旦問題から離れ、無意識のうちに情報が脳内で処理されるステージ。この段階では、意識的な思考を休憩させ、無意識的な思考が創造的なアイデアを生み出すのを待つことが重要。
3.閃光(Illumination)
問題の解決策や新たなアイデアが突然閃くステージ。この段階はしばしば予期せず訪れ、新たな視点やアプローチが明らかになる。
4.検証(Verification)
閃いたアイデアが実際に問題を解決するか、または価値があるかを評価、検証するステージ。この段階で、アイデアを具体的に形にし、その効果を試すことが重要。
という、創造的思考のプロセス(ステージ)があるということです。
4段階のステージは、必ずしも順番通りに進むわけではなく、反復的に行われることもあります。
勿論、創造的な思考は個々の人の経験や視点に大きく依存するため、このプロセスはあくまで一つの参考の枠組みであり、全ての人に同じように適用できるわけではないですね、、、?
では、この理論を適用することの、メリットとデメリットは、
(メリット)
・系統的に創造的思考を促す
情報収集からアイデアの検証までのプロセスを明確に定義しているため、思考の流れを整理しやすい。
・新たな視点から問題解決に取り組む
孵化段階で一旦意識的な思考から離れることで、新たな視点やアプローチで問題解決に取り組むことが可能になる。
・アイデアの質を高める
閃きの段階で生まれたアイデアを検証段階で試すことで、アイデアの質を高めることがでる。
(デメリット)
・時間がかかる
各段階をきちんと踏むことで高品質なアイデアが生まれる可能性がありますが、それには時間がかかる場合がある。
・閃きの段階は予測不可能
孵化段階での無意識の思考が閃きにつながるとはいえ、それがいつ訪れるかは予測不可能。そのため、締め切りなどの時間制約がある場合、この方法が適しているとは言えない。
・検証段階での挫折
新たなアイデアが閃いても、それが現実的に実行可能かどうかを確認する検証段階で、アイデアがうまく機能しないこともある。その際の挫折感やフラストレーションを感じる可能性。
何となくですが、少し前に流行った「デザイン思考」「アート思考」のような感じかな?
とも思います。
そう考えると、研究職や、クリエイター、デザイナー、発明家、科学者、みたいな人を対象とするのかなぁ、、と思いましたが、
それでは、人が集まらず、「研修」で儲からないので、ほとんどの企業人が行っている「ルーチンワーク」にもこの理論を取り入れようなんていう流れになりました。
(例)
日々のルーチンワークをより効率的に、またはより質の高い成果を出すためにはどうすれば良いかという問題意識を持つ。
そのための新たな方法や工夫を考える際に、ワラスの4段階を適用することで、新たな視点やアイデアが生まれ、ルーチンワークの改善につながることがある。
なんて感じでしたね、、、、?
確かに、問題意識を持ち、効果・効率を考えることはとても大事なことです。
しかし、日常のルーチンワークにこの考えを持ち込むというのは、、、
「やりすぎ」「強引」「無意味」
のようにも感じました。
知っていて損にはならないですが、何でもかんでも無理やり理論を適用すればいいというものではないと思います。
誰もかれもが、「マインドワンダリング:意識が現在のタスクから離れて自由に思考を巡らせる状態のこと」や、「フロー」に入ったら、仕事どころではなくなりますね、、、、?
という考えが、、、今日閃きました。