louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「意思決定・選択」に翻弄される心理と、「学習」 ~ imperfect human ~

前回の「アンカリング」に続いて、「選択肢の数」における ”心理学” 「意思決定・選択」と、「学習」について考えてみたいと思います。


「学習」では、”「テスト作成」の現状マトメ・・・” にも記していますが、テストやアンケート作成注意点として、


「不必要に選択枝を増やさない」


ということがありますが、その前に ”心理学” について少し。


「意思決定」「選択」というのは、一般的には ”心理学” の領域の話です。


”心理学” は、”哲学” から ”科学” になった

 

と、多くの人が言い、私的にも殆どの部分でそうは思います。


ダニエル・カーネマンや、リチャード・セイラーなどの学説や実験については非常に面白いし、大好きです。


彼らの本を読んだことが、「教育・学習」についていろいろと学ぶきっかけにもなっています。


ただ、何となくですが、

若干の ”胡散臭さ” も残っていたりします(そこがいいところかもしれません)。

 

例え、実験として”行動”を観察したとしても、


「ほんとうのこと」は、 ”目に見えない” 、、、ということです。


当たり前のことですが、


”人は見ようとするものしか見ない”

し、

”目に見えるものを信じる”

からです。


それはそうと、「意思決定」「選択」のお話です。


カーネマンセイラーについては何度か(前回も)取り上げてきたので、今回は、

選択の科学

・「ヒック・ハイマンの法則(Hick&Hyman's law)」

シーナ・アイエンガーの「ジャムの法則(Jam study)」


について取り上げます。


まず、「ヒック・ハイマンの法則(Hick&Hyman's law)」です。


(ヒック・ハイマンの法則)


・「選択肢の数」と「人が意思決定するまでの時間」の関係性を示した法則。
・選択肢2つを最小と考えて、3つ、4つ、5つ・・・と選択肢が増えれば増えるほど、人の意思決定にかかる時間は長くなっていく。

・イギリスの心理学者のウィリアム・ヒックが提唱しました。 その後、アメリカのレイ・ハイマンが発展させた。

・人は数多くの選択肢の中から1つを選ぶより、選別された数個の選択肢から1つを選ぶ方が早いとされている。

 

続いて、シーナ・アイエンガーの「ジャムの法則(Jam study)」は、


ジャムの法則


・人間の選択肢に対する行動のことで、検討できる選択肢が増えると逆に選択が難しくなるという法則。

・「決定回避の法則」「選択のパラドックス」または「選択の過多」とも呼ばる。

・選択肢が増えるほど、消費者の満足度が低下するという現象。

・高級食品店で24種類のジャムを提供するスタンドと6種類のジャムを提供するスタンドを設置し、どちらがより多くの消費者に引きつけ、実際にジャムを購入するかを比較したもの。結果は、24種類のジャムが提供されていたスタンドは多くの人々を引きつけたものの、実際にジャムを購入したのはわずか3%。一方、6種類のジャムが提供されていたスタンドでは、訪れた人々の30%がジャムを購入。


ということです。


アイエンガーの方は「選択の科学」という大ベストセラーで知っている人も多いでしょうね!

確かに「いい本」ではありますが、「ファスト&スロー」を読んだ後では、、、、


とにかく、”心理学” においての「意思決定」「選択」では、「選択肢」の数が増えるのは、あまりよくないのではないか、、、ということです。


これは、物理的に多くのモノを認知する時間が長いので、至極当たり前のようにも思いますが、それによって ”心理” においては、様々な作用が起こるのでしょうね、、、


仕事においては、

 

プロジェクトで、何十人もから意見を募って、それぞれを検討しているうちにどんどん時間が無くなり、、、

最後は、リーダーの ”鶴の一声” で決まる、、、、

なんてことと同じかもしれません(ほんとに馬鹿らしい)。


年寄がよく言う、

「エイやっ」で決める!

みたいな、、、、

 

さて、「学習」「テスト」における、


「不必要に選択枝を増やさない」


ということです。


これは、確実に上記の ”心理学”「ヒック・ハイマンの法則(Hick&Hyman's law)」、「ジャムの法則(Jam study)」等)からきていますね(違うかもしれないけれど、、、)。

それと、”いい加減な選択肢を作ってしまう”、、ということですね。


しかし、「選択に迷う」、、、とか「選択回避・困難」というのは、「学習」においては、ある意味 ”敗北” です。


「学習」において「知識・スキル」の習得は、”完全” であれば ”迷う” ことなどないわけです。


「選択肢」が3,5、10、、、とか、本当は関係がないのです。


”不完全” な習得をしている人は、”心理学” 通りに ”迷い”  ”決められず”、、、最後は ”感(勘)” で、、、 「エイやっ」と、”昭和的選択” をします。

 

紛らわしい設問も同じですね、、、、


”心理学”「学習」においても「教育方略」においても、大きな意味を持ち、有用に働く場合も多いですが、こういったことにおいては、少し別に考えた方がいいということです。