louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

研修や会議での「フリーライド(free ride)」考察

今回は、研修や会議での「フリーライド」について考えてみます。

 

一般的に「フリーライド(free ride)」とかフリーライダー(free rider)」と言えば、

経済学用語で、公共財のように非排除性があるサービスについて、対価(供給のための費用)を支払わないで便益を享受すること(者)。

で、

会社などで、「仕事をしないで給料をもらう社員のこと」を示すことの方がよく知られていますね?

 

トレンドになった「働かないオジサン」、、、とか言われます。

まぁ、「働かない」「働いているフリ」をするのは、オジサンだけでなくオバサン オニイサン オネエサン も同じなんですが、、、、コトバのインパクトが大きかったのでしょうね、、、


しかし、冷静に考えてみると、「仕事」において「フリーライド(free ride)」することというのは、非常に難しいように思いますし、与えられた業務をこなせなければ、減給や解雇の対象になるはずなので、

現実には「働かない○○」は、そう多くはなく、実際は、自分より給料の高い人たちへの嫉妬ややっかみから、言われだしたのだと思います。


それを誇張させたのが、HRD(Human Resource Development)関連の人たちや企業 ですね?


まぁ、それはそれでいいのですが、問題は、


研修や会議で「フリーライド(free ride)」をする人たちです。

フリーライダー

よく語られる「フリーライド(free ride)」の理由としては、


・努力を避けたい

自分が努力するよりも他人の成果に乗っかる方が楽だと考える。自分自身の時間やエネルギーを節約するために、他人の努力を利用しようとする傾向がある。


・結果を重視する

プロセスよりも結果を重視する場合。自分がどれだけ努力したかではなく、どれだけの結果を得られたかを評価基準する。


・自信の無さ

自分の能力やスキルに自信が持てない。他人の力を借りて成果を得ることで自分の不安を和らげようとする。


・社会的評価の恐怖

他人にどう評価されるかを極度に恐れる人は、失敗を避けるために他人の成果に依存する。


・チームワークの誤解

チームワークの本質を誤解しており、自分が少なくとも一部の仕事をするべきだという認識が不足。


などがあります。


そして、「フリーライド(free ride)」を防ぐ方略として、


・ロールと責任の明確化

各メンバーの役割と責任を明確にすることで、誰が何をすべきかを理解しやすくする。これにより、フリーライドする余地を減らすことができる。


・チームワークの強化

定期的なミーティングやチームビルディング活動を通じて、メンバー間の信頼関係を強化する。


・個々の貢献度の評価

全体の成果だけでなく、個々の貢献度も評価する。それぞれのメンバーが自分の責任を果たしていることを確認する。


・目標設定と進捗管理

目標を設定し、進捗を定期的に確認することで、各メンバーが自身の役割を果たしているかを確認する。


・問題提起と対話

フリーライドが発生した際には、その事実を直接的かつ建設的に提起し、対話を通じて解決を図る。


・教育とトレーニン

フリーライドの問題を理解し、それを防ぐためのスキルや知識を身につけるための教育やトレーニングを提供する。


余りにもありきたり、、、ですね?


こういったことは何十冊(もしかしたら何百冊)も出ている「ビジネス書」にいくらでも書かれているので、そういった書籍を読んで参考にするのもいいですが、

理由は実は結構シンプルなように思うのです。


「フリーライド(free ride)」するという意識が生まれるということは、その人にとって、その 研修 会議 が、


”必要ではない! と 認識している!”

 
ということです。


実際に、企業に属していて、参加させられる研修や会議の9割はその人がいなければダメだということはありません し、儀礼的平等主義(?)に基づいて招集されます。


(研修)

高度な技術的訓練などの一部を除けば、ほとんどの研修は、講師様の行う「ご講演座学」であったり、グループワークであったり、ペア討議であったり、、、数枚の資料を渡せばすむ ようなものです。


(会議)

これまた「ZOOM飲み」と同じ発想で、単に「顔を見たい」とか、最も多いのが「会議=仕事」としている偉い人たちの「フリーライド(free ride)」なわけです。メール1つで済む ことがほとんどですよね?


こういった ”ムダを認知した経験” 「フリーライド(free ride)」をさせていると思うのです。


当人にとって、”本当に必要だと思う研修や会議” では、誰も「フリーライド(free ride)」などしません

このことは、「教育・学習」においても大きな観点 です!


上司(?)の「研修を受けさせた」「会議を開催した」という「フリーライド(free ride)」が、部下の「フリーライド(free ride)」を生み出している のではないか、と感じます。


意識改革とか、常に進化していかなければ生き残れない、、などと言うのは別にいいですが、

「必要のない研修、必要のない会議、必要のない教育が企業の生産性を落としている」

という事実にそろそろ気づくべきですね。