「GIGAスクール構想」や「EdTech」などがトレンドとなり、
”教育にICTを!”
となってから、もう結構な年数が経ちますが、
果たして、
ICTは教育に役立っているでしょうか?
前にも何度か考えたことがありましたが、、、再考ということで、、
役立っているかどうかではなく、影響があったかどうかを測るものに、
「SAMR」という Ruben Puentedura が提唱した概念があります。
(SAMR)
ICT を授業等で活用する場合に, そのテクノロジーが従来の教授方略と比較して,授業 にどの程度の影響を与えるかを示す尺度(PUENTEDURA 2010)。
S(代替),A(拡張),M(修正),R(再定義)の4段階。
・Substitution(代替)
テクノロジーが、既存の教育活動を直接代替するが、その結果や生産性には大きな変化はない。
・Augmentation(拡張)
テクノロジーが、教育活動を代替し、その機能性を向上させる。これにより、生産性が若干向上する。
・Modification(修正)
テクノロジーが、教育活動を大幅に修正し、教育方法や出力が大きく変わる。
・Redefinition(再定義)
テクノロジーが、新たな教育活動を可能にする。以前は不可能だった教育方法や出力が可能となる。
どうでしょう?
この「SAMR」は、単に ” ICTの活用レベル ” 、つまり、教育をするのにICTを使いました、、、というだけで、
テクノロジーの評価も、教育・学習の評価も何もしていないですね?
この意味のない「SAMR」を考えてICTを使った教育をやろう、、などという勘違いな発言が学校や、ICT関係者の中では囁かれたりします。
PCを導入、LMSを導入、Zoomを導入、、、、、すれば、それで完成、、かもしれんせんね?
企業で行われている多くの「DX」という考え方もおなじですね?
新しいソフトを導入、タブレットを導入、最新OSを導入、、、すれば、「DX」が完了し、イノヴェーションが起きる、、、、???
そんなわけはないですね。
(人がそれによって変わらなければ「DX」ではないのに、、、)
PCも、LMSも、Zoomも、業務ソフトウェアも、タブレットも、最新OSも、
「単なるツール」
です。
そのツールを導入するだけで、「教育・学習」、「企業経営」に”効果”があり、”効率”が上昇するのであれば、費用対効果を考えた上で導入するべきでしょう。
しかし、日本の学校のように、国が導入しろといったから一斉にICTを導入したり、多くの日本企業のように、同業他社が導入しているから、などという理由でICTを適用しても、正直なところ税金、経費の無駄遣いにしかならないですね、、、。
「GIGAスクール構想」で導入されたPCやタブレットは、当然のように中抜き業者(?)の利益のために非常に低いスペックで、しかも、一人一台にあてがわれてはいますが、利用できる時間も使用用途も限られており、自宅に持ち帰ることすらできません。
企業は企業で、あの会社が某ERPを入れているから必要、トップ企業は例のCRMを導入している、という ” 自己保身の塊 ” のような理由から、超高額ソフトを導入し、「わが社はDXを完成した!」などと宣伝します。
そこには、ロジカルシンキングもインストラクショナルデザインの考えも、クリティカルシンキングも、、、正常な思考は何もありません。
まず、
”効果” という概念が欠如しています。
”デザイン” という概念が欠如しています。
つまり、行き当たりばったりの思考しかないと思うのです。
ICTは教育に役立っているのか?
という問いの答えは、
役立っているかもしれないし、役立っていないかもしれない、、、
です。
SDGsと言う前に、少し立ち止まって足元を見てみることが必要ですね?