さて、気分を取り直して軌道修正していきます。
どうしてもe-Learning で、LMSを導入しなければならない場合についての注意点やアドバイス等について記します。
まずは、「導入編」です。
(LMSの選定)
現在、世に出てるLMS(Learning Management System)は、どれもこれも特別な差はほとんどありません(不必要な機能をウリにしているものはありますが、、、)。
IT業界も他の業界も同じで、マネマネマネを繰り返し、結局は同じようなものになります。それがソフトウェアの宿命だともいえますね。
極論を記します。
業者、LMSの選定は、基本的には「価格」と「カスタマイズ」で絞ります。
ではまずは、「価格」
「価格」というのは、導入時の「価格」だけでなく、保守料やその後の費用も考えることが重要です(当たり前ですね!)。
例えば、大手IT業者(FとかHとかTとか)と中小LMS専門業者を比べると、導入時の「価格」は大手IT業者の方が安いことが多いと思います。
IT業界に疎い人は「えっ? 逆じゃないの?」と思われるかもしれませんね。
普通に考えれば、大手は社員も多く、様々な直接・間接の経費がかかるので、中小LMS業者より提案価格は高いだろう! と、、、なりますよね?
実はこれは逆なんですね!
大手は体力がある分、導入時の価格を抑えてもその後の保守や開発費、その他のシステムへの展開などを画策します。だから、提案価格を簡単に下げられます(大昔からO円入札なんていくらでもありましたよね? もう今は難しいけれど、、、)。
一方、中小LMS業者は、ある程度は価格を下げられても、体力的に大手に対抗することは難しいです。
この時点で、即座に大手IT業者のLMSを導入する企業は驚くほど多いです。(大きな企業にこの傾向が強いように思います。社内のIT部門が力を持ってる企業はさらにそうですね? 社内IT部門は「教育」も「学習」も関係ありませんから、、)
大手は、ブランド力もありますし、社内での稟議や予算化もやりやすいですし、、、、
実際には、導入時の価格は大手の方が若干(ほんの少しだけ)安いという場合が多いです。
これは値引き交渉をする人の力量にかかる部分ですから一概には言えませんが、、値引きの上手な人ならかなりの差をつけることもできます、、、
よくあるのが、まず各社の提案金額が出そろって、なんだかんだと検討して、「予算が〇〇〇万円だから、それ以下にまかりませんか?」という場合です。
これに対して通常、大手は〇〇〇より少し低い価格を提示してきます。
中小LMS専門業者は、可能なら〇〇〇で提案してきます(無理です、、と言ってきて降りる場合も当然あります。そんなところはオサラバです!)。
問題は、この〇〇〇が正直な(社内で稟議された)予算か、そうでないか、、、ということです。
ここでの交渉テクニックとしては、もし社内で決まった予算が500万円で、業者の提案価格が700万円だったとしたら、業者には予算の半額、つまり「予算が250万円だから、最高でも350万円しかだせない。それ以下にまかりませんか?」と投げて、相手の対応を待ちます。
ここで、「500万円に、、、」と言ってしまったらお終いです。
あくまで、半額で交渉を開始します!
パッケージソフトであるLMS提案の場合、大手は、当初の提案が700万円だとしたら、350万円までは簡単に値下げしてきます。多くのシステム提案は実際のプラマイゼロの倍額で出す業者が多いのです。
大手であっても一度出した提案価格の、プラマイゼロの350万円を250万円(つまり実質マイナス)にするのはなかなかパワーが必要です(できないことはありませんが、、、、)。
一方、中小は、、、降りるか、「400万円でお願いできませんか?」
という次第です。
あとは、「価格」では保守料がどれくらいか? パッケージバージョンアップ時の追加費用はどれくらいか?
などを加味して検討します。中小LMS専門業者の中には、とんでもない保守料を設定しているところもありますから、特に保守料の計算はとても重要です(毎年のことですから)。
さて、次は「カスタマイズ」です。
ずっと記していますが、企業内教育の担当者のほとんどは「教育・学習」の素人です。
それにもまして、「IT」の素人でもあります。
そういう素人がLMS導入で何に注目するか?
「見た目」だけだ、と断言してもいいくらいです!
つまり、既存のLMSパッケージの見た目だけに異常にこだわります。通常、社内のLMSを社外に見せることなどないにもかかわらず、、、、「見た目」に拘ります。
まぁ、もし経営層なんかにアピールするのであればそれも仕方ないとは思いますが、「教育・学習」とは全く別の次元ですね、、、、
そこで、「カスタマイズ」です!
ここでは大手と中小LMS専門業者の差が大きくでます!
大手のLMSは基本的に「カスタマイズ」できない場合が多く(なぜならパッケージは自社で開発しているのではなくアウトソーシングしていて内容がわかっていないことと、カスタイズするとパッケージとしての管理ができないから)、中小LMS専門業者は、、、まぁ、お金さえ出せばなんとでもできます。
大手のLMSをどうしても自社仕様にカスタマイズしようとすると、とんでもない費用がかかります。ここでは完全に中小LMS専門業者に軍配が上がります。
でもね、、、「教育・学習」にとっては全く関係ないので、このことだけで安易に中小LMS専門業者に決定するのもどうかと思います。機能としてはどのLMSもほとんど変わらないのですから、、、、、
「導入」の結論としては、「価格」と「カスタマイズ」のプライオリティを考えて、、、ということです。
LMS専門業者は、、、まぁ、お金儲けですから仕方ないですが、「呼吸をするように嘘をつきます」からご注意ください!
某デジタ〇ラーニング・コンソーシアムの「eLP「LMS〇論/活用技法」コース」なんて、LMS業者が講師をやってるという(さすがにこれはアカンやろと思います。、、“完全鴨葱状態”ですから、、、、(ほんとに騙されないように注意してくださいね、、、それにこの講師の人は偉いさんで実務なんてやってないですから、、、)
また別の道もあります、「Moodle」で、、、という
一般企業の場合、これだけは全くおすすめしませんし、結局人件費もなにもかも膨大なことになってしまいます。「Moodle」なんてアカデミアに任せておけばいいことです。
厳しいことをいうと「Moodle」なんて、アカデミアの趣味でしかありません。企業内教育においては忘れましょう!
大昔と違って、今の時代に一般企業で自社のシステムを自社の社員を使って開発するなんてありえないですしね、、、、