世の中では、数多くの「成功の方程式」という類のモノが蔓延しています。
メジャーなところでは、京セラの稲盛和夫の、
「人生・仕事の結果 = 考え方 × 熱意 × 能力」
とか、
アインシュタインの、
「A(成功)= X(仕事)+ Y(遊び)+ Z(沈黙)」
なんていうのがあります。
また、
「成功 = (才能 + 努力 + チャンス) × 戦略 × 実行力」
などという人もいます。
大富豪になったり、ノーベル賞をもらえば「成功」なのかどうかは当人の判断なので、どうでもいいのですが、多分、彼らは「成功」して、そういったことが大事だよ! と言っているのでしょう。
この手の話やコトバは、「一応は聞いておく」くらいのスタンスでいいのではないかと思っています。
古代ギリシアから今まで、スーパースターやカリスマのコトバしか後世に残りませんからね?(99.9%の人がスーパースターにはなれずに終わるのに、、、)
今回、考えてみるのは、
ずっと昔に読んだビジネス書(もう今ではビジネス書は読みません)、
「NO FLOP! 失敗できない人の失敗できない技術/アルベルト・サヴォイア」
に載っていた、
「新製品を市場に送り出す際」の
「成功の方程式」と、「失敗の方程式」です。
「成功 = 適切なA × 適切なB × 適切なC・・・」
「失敗 = 適切なA × 適切なB × 不適切なC・・・」
だそうで、
どれだけ「適切なX」を揃えても、1つの「不適切なX」があるとダメで、
”新商品の90%は失敗する”
というような内容だったと思います。
因みに、"FLOP” というのは、
失敗(Failure)の原因は、市場参入(Launch)か、
機能(Operations)、またはコンセプト(Premise)
だそうです。
「意見」は「データ」ではない、、
とか、いろいろとそれなりのことが書いてあったので、気になれば読んでみるのもいいかもしれません。
そして、そこに書かれていた、
「成功 = 適切なA × 適切なB × 適切なC・・・」
「失敗 = 適切なA × 適切なB × 不適切なC・・・」
という「成功」と「失敗」の「方程式(?)」です。
これを、「教育・学習」のコンテキストで考えてみると、
「学習目標達成(成功)」 = 適切なA × 適切なB × 適切なC・・・」
「学習目標未達成(失敗)」 = 適切なA × 適切なB × 不適切なC・・・」
「成功の方程式」は、そのままでいいですね。要は、「学習目標」が達成されればなんでもいいわけです(極論ですが、実際のところそうです)。
問題は、「失敗の方程式」の方です。
「商品」を世に出すことと、「教育・学習」とは次元が違いますが、
「教育・学習」の世界なら、
「不適切なC」を「適切なC」に変えて、
「失敗」を「成功」にできる
わけです。
そうです、「形成的評価」をして、デザインを変え「総括的評価」を「成功」させればいいだけのことです。
インストラクショナルデザインでは、「目標」を達成するために教育デザインをします。
どの段階であってもデザイン通りにいかずに結果が出なければ、デザインを変更します。
ズルいといえば、確かにズルい、、、、かもしれません。
出口は結局のところ「成功」しかない
のですから、、、。
しかし、それを
「つまらない!」
とか、
「当たり前だろ?」
とかいう ”反インストラクショナルデザイン協会(?)” の人たちが多くいます。
「結果がわかっているんだから、大したモノではない」
「1+1を2にしかできないなんて、、、」
「1+1を10、いや100にしてから言え!」
なんていうアンチもいます。
いやいや、、、「失敗」するより”確実に「成功」”することが肝心なことではないのでしょうか?
「1+1は2」なのですよ!
「1+1を0やマイナス1」にしてきた人たちに限って
「インストラクショナルデザインの限界」なんてことを口走ります。
「1+1を2」にしてから言ってほしいものです。
そして、つまらないかもしれませんが、それが「教育」であり「学習」というモノなのです。