louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

2023-01-01から1年間の記事一覧

「ラーナードリブン(Learner Driven)」は”ドライブ”したか?

スターバックスの「人材育成」や「マネジメント」が話題になったことがありました。 様々な書籍が出され、スターバックスがいかに「素晴らしい企業」であるかということが語られ、例のごとく ”マネ” ようとした会社やリーダーが次々に現れましたね? ハワー…

「SAMモデル(Successive Approximation Model)」を日本企業で? ~ 絶対にムリです! ~

インストラクショナルデザインを学んだ人なら、「ADDIE」と「SAM」のプロセスモデルがあることは誰でも知っていますね? また、特にインストラクショナルデザインを学ばなくても、教育関連の研修やセミナーを受講された人なら、「ADDIE」くらいは聞いたこと…

「30人学級」にすれば学力が上がる? ~ そんなわけないでしょ? ~

今回は、かなり前から呪文のように繰り返される「少人数クラス」についての考察です。 文科省がどこかの専門家(?)の意見を取り入れて、小中学校では「35人学級」→「30人学級」、、、、などという政策を主張していますね? 世間のリベラル(?)な博識…

「WYSIWYG」ではなくて、「WYTIWYG」

今回は、「WYTIWYG」について少し考えてみます。 「?」 「WYSIWYGじゃないの?」 (WYSIWYG(ウィジウィグ)) コンピュータのユーザインタフェースに関する用語で、ディスプレイに現れるものと処理内容(特に印刷結果)が一致するように表現する技術。 Wha…

ソーンダイクの「trial and error」 ~ Halo, Law of effect, Readiness ~

ビジネス関連では「ハロー効果」で有名な、エドワード・L・ソーンダイク(Edward L. Thorndike)の「試行錯誤学習」と関連した事案について考えてみます。 (ハロー効果(Halo effect)) ・一部の特性が他の特性に対する評価に影響を与える心理学の現象。 …

「記憶の活性化拡散(Spreading activation)」と「学習&インストラクション」

「活性化拡散」という考えがあります。「脳」の「記憶」についての概念なので、心理学や脳科学などでたまに取り上げられますね? (活性化拡散) ・ある情報が活性化されると、それが他の関連する情報を活性化し、さらにその情報が他の情報を活性化する(思…

「90/20/8の法則」信仰の企業研修 ~ pathetic lie ~

今日は、企業内で行われる「研修」で、盲目的に”信仰”されている「90/20/8の法則」について考えてみます。 これは企業で「研修」を企画・運営したり、参加したことがある人ならだれもが知っている、、、悪い神話(?)のようなものです。 「The Creative Tra…

いまだに「ほうれんそう」「ソラ・アメ・カサ」などと教える、”日本の人材育成”

入社するやいなや、「研修」というほとんど無意味なものが待ち受けていますね? 「人材育成」の名のもとに、人事部や、教育担当の部署なんかがやってきて、聞くのが苦痛な、わけのわからない「研修」をやります。 正直なところ、ほとんどが無意味なので、「…

SMEや教師には、「インストラクショナルデザイン」を学ばせない方がいい!

企業においては、 ・SME(Subject Matter Expert:内容領域専門家)・インストラクター 学校では、 ・教師 に、 「インストラクショナルデザイン」を学ばせない方がいい! という考察です。 SMEにインストラクショナルデザインを学ばせるな! 極論といえば、…

「テスト作成」の現状マトメ・・・

今日は、これまで学んだり、情報収集したりした「テスト」についての「作成」する際のマトメとして羅列してみます。 年のせいか(?)どうも忘れてしまうことがあるので、、、、 「テスト」というものを専門として研究している人や研究室もあるようで、なか…

「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」と「IDモデル」との関係性

「4C/IDモデル」や「スキーマ理論モデル」、「ライゲルースの精緻化理論」のところでも少し記しましたが、 今日は、「認知負荷理論(Cognitive Load Theory)」と「ID(インストラクショナルデザイン)モデル」について考えてみます。 「認知負荷」という考え…

「1万時間の法則(10,000 Hour Rule)」を批判する知識人たちが多すぎて・・・

以前記した、「ティッピングポイント(Tipping Point)」のマルコム・グラドウェルが有名にした「1万時間の法則(10,000 Hour Rule)」についての考えです。 1万時間の法則 (1万時間の法則(10,000 Hour Rule, Ten-Thousand-Hour Rule)) 物事を極めたエ…

「ゆとり教育」と「詰め込み教育」 ~ Fast and Slow ? ~

「学校教育」においては、定期的に「ゆとり教育」と「詰め込み教育」が繰り返します。 日本の戦前戦後の「学校教育」は、ある意味「ゆとり教育」でした。 この時期の”ゆとり教育” は身分や金銭的な構造に飲み込まれた、現代で考える”ゆとり教育” とは違うも…

「STEAM教育」はイイ考えなの?

「STEM教育」(Science、Technology、Engineering、Mathematics)から、芸術やデザインの要素(Arts)を加えて「STEAM教育」となってもう10年以上が経ちますね? (STEAM教育) Science(科学) Technology(技術) Engineering(工学) Arts(芸術) Math…

「理想的な教育」 ~ チョムスキーの思考 ~

「教育の理想」や、「理想的な教育」を語る人は何億人といます(もちろん、私もその一人)。 政治的な発言や著書で有名なノーム・チョムスキー(Avram Noam Chomsky)もよく「理想的な教育」を口にします。 元々(?)が「言語学」の人なので、「普遍文法(U…

”インストラクショナルデザイン”を「批判する人たち」と「推進しようとする人たち」

今日は再度、 「なぜ”インストラクショナルデザイン”が日本で普及しないか?」 ということについて考えてみます。 インストラクショナルデザイン 理由・原因は、もちろんいくつもあります。 今回は、理論やモデルの弱点等については考えずに、”外的な要因”を…

「ドロップアウト予測」という”無意味さ”と”ムダ”

AIが再注目されてから、以前よくやっていた”学校や会社を辞める人たちの特徴や原因”を分析する「ドロップアウト予測」がまた息を吹き返しています。 昔は、ベイジアンネットワーク(Bayesian Network)を使った「ドロップアウト予測」なんかが、学会で毎年の…

「リフレクション(reflection)」について ~ 学習の文脈において ~

今日は、「リフレクション(reflection)」について考えてみます。 「リフレクション」というと、通常は「反射」とか「反省」とかの意味で使われますが、「学習」の文脈においては「内省」というコトバで扱われることが多いと思います。 「反省」というネガ…

教える人のコスト意識 ~ nobody knows ~

今日は「教える人」・「教える側」の「コスト意識」について考えてみます。 小中高の先生様、大学の教授・准教授様、企業内の教育担当者様、、たちは、はたして、「教育」を行う「コスト」というものを意識しているでしょうか? 年間の大枠や、研修依頼の見…

学習者の「ティッピングポイント(Tipping Point)」

21世紀に入った頃、ビジネスの世界で「ティッピングポイント(Tipping Point)」という考えがトレンドになりました。 「ティッピングポイント(Tipping Point)」は、マルコム・グラドウェルの世界的ベストセラーのおかげで知っている人も多いですし、様々…

「NTeQ(iNtegrating Technology for inQuiry)モデル」の考察

今日は、「NTeQモデル」について少しだけ記します。 (NTeQモデル) 教育技術の一つで、コンピュータを教育に活用するための指導法モデル。 NTeQは " iNtegrating Technology for inQuiry" の略で、直訳すると「問い探求のための技術統合」を意味する。 学習…

「ツァイガルニク効果とオヴシアンキーナー効果」を”教育方略”に盛り込んではいけない!

いくつかの教育関連の研修(高額)や、何冊かのビジネス書などで、「ツァイガルニク効果」や「オヴシアンキーナー効果」を教育や仕事に使いましょう! みたいなことが拡散されていたりするので、そのことについて少し記します。 この二つの効果は、かなり覚…

「ナッジ(Nudge)」を企業内教育に活かす ~ 選択させる自由 ~

今日は、前にも少しだけ記した「ナッジ(Nudge)」について、どのように「教育」に活かすことができるか? を考えてみます。 「ナッジ(Nudge)」は、「実践行動経済学/リチャード・セイラー、キャス・サンスティーン」で有名になりましたね! ベストセラー…

「コンサルタントという体裁」にお金を捨てる愚かさ

今日は、日本における「コンサルタント」について少し記してみたいと思います。 アメリカ大手コンサルタント会社を辞めて会社を起こしたり、ビジネス書ブームに乗って名前を売った人たちのおかげ(?)で、日本でも多くの企業が様々な「コンサルタント会社」…

「実行機能」を高める「モンテッソーリ教育」? ~ Make dreams come true ? ~

まず、今日は 「実行機能:遂行機能(Executive Function)」 について記します。 発達障害や脳のワーキングメモリ関連で語られることが多く、あまりに当たり前のことで「教育・学習」の分野ではそれほど頻繁に出てくるコトバではないのですが、共通する部分…

「エキスパートインタビュー」は「学び」に転換できるのか?

様々な場面で、「エキスパートインタビュー」が行われています。 ノーベル賞受賞者や、その道の第一人者を招いて「ご講演」の後に行われたり、もっと身近なものでは、業績を上げた社員をピックアップして、その話を聞くなんてことがありますね? 勿論、エキ…

「経営学者」による「教育」の捉え方 ~ expert,master,professional ~

最近は「専門家」というコトバの意味が少し安くなってしまっていますが、今日は「専門家」は自分の「専門」で頑張ってほしい、、「餅は餅屋」というお話です。 『創造する経営(Management in Small Doses)』で有名な経営学者ラッセル・エイコフは晩年に「逆…

「ワラスの4段階理論(Wallas’ 4stages theory)」 ~ Creative ~

今日は、”創造的思考プロセス” を説いた「ワラス(ウォーラス)の4段階理論」についての考察です。 これも一時期、人材育成、人事関連で ”トレンド” になりかけたので、知っている人も多いと思います。 「パースの三分論モデル」「ヤングの五段階」「川喜田…

「過剰学習」と「エビングハウス」 ~ Over or Forgetting ~

「過剰学習」(Overlearning)は、必要なのか? という論点で記します。 (過剰学習)とは、簡単に言うと、 学習者が必要な知識やスキルを身につけた後も、同じ内容を続けて学習すること。 です。 (機械学習や統計学の、「過学習」「オーバーフィッティング…

「学習性無力感」、そして「マイクロマネジメント」

今日は、職場では「やる気がない」とか、「向上心がない」とかで済まされることが多い「学習性無力感」と、「マイクロマネジメント」についての考察です。 (学習性無力感:Learned helplessness) 「自分の行動が結果を伴わないことを何度も経験していくう…