louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「リフレクション(reflection)」について ~ 学習の文脈において ~

今日は、「リフレクション(reflection)」について考えてみます。


「リフレクション」というと、通常は「反射」とか「反省」とかの意味で使われますが、「学習」の文脈においては「内省」というコトバで扱われることが多いと思います。


「反省」というネガティブなコトバより、まだ「内省」の方が少しだけいいですよね?


さて、教育・学習における「リフレクション」は、


自分自身の学習経験や行動、思考、感情を振り返り、それらについて深く考えるプロセス。

経験から学びを得るための重要な手段であり、学習者が自身の理解を深め、学習の進捗を評価し、今後の行動を計画するのに役立つ。


と、されています。


これはやはり心理的内容が大きいので、なかなか難しいですがメタ認知のコンテキストでもよく扱われますね?


それはそうとして、「経験から学び、、、」というと、前に記した「コルブの経験学習」がすぐに頭に浮かびますね?


コルブの経験学習モデルは、

1.具体的な経験(Concrete Experience): 
2.内省的検討(Reflective Observation):
3.抽象的思考(Abstract Conceptualization):
4.積極的な行動(Active Experimentation):

といったことを繰り返す「サイクル」でした。


コルブで重要なのは、どちらかというと「フルサイクル学習」の学びの3つのステップ

 

・学びのステップ1:「学習者」というアイデンティティを受け入れる
・学びのステップ2:「学び方」を学ぶ(経験学習サイクル)
・学びのステップ3:自分の「学びのスタイル」を発見する


ですが、


今回は「リフレクション」の話なので、2の「内省的検討」をするというプロセスがあるということだけでいいでしょう、、、?


そして、コルブの「経験学習サイクル」を進化(?)深化(?)させ、経験から具体的な学びを得て、それを行動に移すことに重点を置たものに、

リフレクティブサイクル

「ギブスのリフレクティブ・サイクル(Gibbs' Reflective Cycle)」

 

があります。


(ギブスのリフレクティブ・サイクル)


1.説明(Description)

具体的な経験や事象について記述。何が起こったか、それはどこで起こったか、誰が関与していたかなどの基本的な事実について説明することを含む。


2.感情(Feelings)

その経験中にどのような感情を抱いたかを掘り下げる。経験が自分にどのような影響を与えたかを理解することができる。


3.評価(Evaluation)

経験がポジティブだったかネガティブだったかを評価。何がうまくいったのか、何がうまくいかなかったのかについても考える。


4.分析(Analysis)

経験を深く分析し、それがどのように起こったのか、なぜそうなったのかを理解しようとする。


5.結論(Conclusion)

次回同様の経験があった場合、何を変えるべきか、何を学んだかを考える。


6.行動計画(Action plan)

次に同じ状況に直面したときにどのように行動すべきかを計画する。このステップは、学んだことを実際の行動に移すため。

 

サイクルは、コルブのサイクルと同じで「循環的なプロセス」であり、一つの経験から得られた学びが次の経験に活かされますね。

 

このサイクルを経ることで、個人は自己認識を深め、自己改善を促進することができるとされています。


「ギブスのリフレクティブ・サイクル」メリットデメリットは、


(メリット)

 

・深い学びを可能にする

経験を詳細に分析することで、学習者は深い理解を得ることがでる。これは経験だけでは得られない学びとなる。


・自己認識を深める

自分の感情や反応を調査することで、学習者は自己認識を深め、自己成長を促進することができる。


・実際の行動への応用

学んだことを具体的な行動計画に落とし込むことで、学習者は経験から得た知識を具体的な行動に直接適用することができる。


(デメリット)

 

・時間とエネルギーを必要とする

サイクルを完全に経るには、時間とエネルギーが必要。これは特に忙しい学習者にとっては大きな負担になる可能性がある。


・自己開示を必要とする

自分の感情や反応について深く考えることは、自己開示を必要とする。これは一部の学習者にとっては難しい。


・フィードバックの欠如

反省サイクルは主に自己学習のツールであるため、他人からのフィードバックがない場合、自己評価に偏りが生じる可能性がある。

 

まぁ、基本的に「学習」は「自分自身」が行うことで、こういったことができる人できない人の差がはっきりつくフレームだといえますね?


しかし、「学習ができる人」は、多かれ少なかれこのようなリフレクションのサイクルを回しているんだと思います。


ただ、こういったことは「教えて」できるものではないので、学習者には、「こういうこともあるよ」くらいのレベルで提供するのがいいと思います。


コルブの理論も、ギブスの理論も、

 

「さぁ、やってみましょう!」

 

なんていう類のものではないはずですが、、、、高額研修でやるような業者もいますね、、、、(受ける方がバカなんですが、、、)。


とにかく、何においても「リフレクション」は大事ですし、「考える」ということをやめてしまえば、それでオシマイです。