「行動分析」「行動科学」「コーチング」のようなモノが流行った時代がありました。
大きな企業だと、人事部や教育研修部門から「パーソナリティアセスメント」として、「MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)」などをやらされているのではないでしょうか?
多分、その前に、以前記した、「DiSK(D(Dominance):主導型、i(influence):感化型、S(Steadiness):安定型、C(Conscientiousness):慎重型」をやっているところも多いと思います。
それに派生して、「教育・学習」の分野(?)でも、「VARK」などを強調してくる人たちが結構いますね?
今回は、「MBTI」や「VARK」などについて、少しだけ思うところを記します。
まず結論から言うと、
「MBTI」や「VARK」なんていうモノの信憑性は非常に怪しい、、
ほとんど迷信、、、
だと、考えています。
こういった「パーソナリティアセスメント」の大元は、ユングだと思うのですが、基本的にあまり古い心理学を信じていない、、ということもあるのですが、、、、
毎回、ネガティヴな事案になってしまうのですが、現状があまりに悲惨なため、しかたがありません。
(MBTI(Myers-Briggs Type Indicator))
・ユングの心理学理論に基づいた性格タイプの判定。
(人間の行動や思考のパターンを理解するための「心理的タイプ」)
<ユングのタイプ論>
人が情報をどのように理解し、世界をどのように経験し、どのように意思決定を行うかによって、人間の性格をいくつかのタイプに分けるという考え方。内向性と外向性、感覚と直観、思考と感情の3つの対立軸を提唱。
・ユングの3つの対立軸に加えて、判断と知覚の対立軸を追加。
・16の性格タイプを定義。
<16の性格タイプ>
・分析家グループ:分析的で論理的な思考を好む
「建築家型(INTJ)」「論理学者型(INTP)」「指揮官型(ENTJ)」「討論者型(ENTP)」
・外交グループ:人間関係や調和が大事
「提唱者型(INFJ)」「仲介者型(INFP)」「主人公型(ENFJ)」「広報運動家型(ENFP)」
・番人グループ:組織やルールを重視
「管理者型(ISTJ)」「擁護者型(ISFJ)」「幹部型(ESTJ)」「領事官型(ESFJ)」
・探検家グループ:新しい経験を追求
「巨匠型(ISTP)」「冒険家型(ISFP)」「起業家型(ESTP)」「エンターテイナー型(ESFP)」
(VARK)
・個々の学習者が情報をどのように理解し、保持するかを理解するためのフレームワーク。
・学習スタイルを特定し、それに基づいた教材や教授法を提供する。
・学習者が情報を受け取る4つの主要な方法。
>視覚型(Visual): 図表、グラフ、シンボル、映像など視覚的な情報から学ぶ。
>聴覚型(Aural): 音声や口頭での説明から学ぶ。講義やディスカッションが効果的。
>読み書き型(Read/Write): 文字情報から学ぶ。テキストを読んだり、ノートを取ったりすることで理解を深める。
>運動型(Kinesthetic): 実際に体験したり、手を動かしたりすることから学ぶ。実験や実習が有効。
どうでしょう?
こういうモノに”意味がある”と考える人の”思考”が全くわかりません。
「MBTI」や「DiSK」は人事、HR関連、「VARK」は教育、研修関連で当たり前のように語られ、実施されていたりしますね?
こういったことのメリットが”対象者(社員、学習者)”にあるか?
ということが問題なわけです。
「MBTI」で「「幹部型(ESTJ)」と診断されたから、新人を取締役にする」、みたいなことはないですね、、、、
「VARK」で、「視覚型(Visual)」だから「垂れ流しのe-Learning」を推奨しますか(実際はしていますが、、、、)?
勿論、コスト、効率化を考えることは企業にとって大変重要なことです。
通常は、そのために”カテゴライズ”します。
「カテゴライズ」=「グループ化」です。
しかし、「行動」や「思考」&「嗜好」をグループ化することが大金を投じてまでやることでしょうか?
少なくとも「教育・学習」においては、習得の「レベル分け」くらいにしておかないと、「効果」のない(もしくは害)方向に行ってしまうと考えます。
「みんなちがってみんないい」(金子 みすゞ)
じゃないですが、人はすべて違う「行動」、「思考」、「嗜好」を持ちます。
適当な”カテゴライズ”をして、それをデータだといって評価や方略が左右されるというのは、違うはずです。
PSI(個別化教授システム(Personalized System of Instruction))を実施することは大変ですが、それを諦めてはダメだと思うのです。