louribot’s blog

学習成果の出る企業内教育(教育全体)についての考察を語ります

「状況的学習法(Situated Learning)」の有用性について

今回は、 ”「状況的学習法(Situated Learning)」の有用性について ” というテーマで考えてみます。

状況的学習法(Situated Learning)

(状況的学習法:Situated Learning)


学習が具体的な文脈や状況の中で行われるときに最も効果的であるという理論。

学習は単に情報を受け取るだけではなく、実際の状況や社会的な相互作用を通じて行われるべきだという考え。


・文脈依存性

学習は特定の文脈や状況に依存しており、その中で行われる活動やタスクを通じて理解が深まる。


・共同体の実践

学習者は経験豊富なメンバーと共に活動し、その過程でスキルや知識を獲得する(正当周辺参加:Legitimate Peripheral Participation)。


・社会的相互作用

学習は他者との対話や協力を通じて行われ、社会的な相互作用が学習の過程に重要な役割を果たす。


Jean LaveとEtienne Wengerによって提唱。

学習は教室の外でも日常生活の中で自然に行われるものであり、特に実践の共同体(Communities of Practice)内での学びが重要。

見習い制度やインターンシップ、プロジェクトベースの学習などが状況的学習法の実践例。

学習者が実際にタスクを遂行しながら学び、経験豊富な指導者や仲間と共に成長していくことが強調される。


(メリット)

 

・実践的なスキルの獲得

学習者は実際の業務やタスクを通じてスキルを身につけるため、理論だけでなく実践的な知識も得ることができる。


・高いモチベーション

学習が実際の問題解決や具体的な状況に結びついているため、学習者のモチベーションが高まりやすい。

 

・社会的スキルの向上

他者との協力やコミュニケーションを通じて学ぶため、チームワークやコミュニケーションスキルが自然に向上する。


・深い理解

実際の文脈や状況で学ぶことで、知識が深く定着しやすくなり、抽象的な概念も具体的な経験を通じて理解できる。


・継続的な学習

学習が社会的な活動の一部となるため、一度習得したスキルや知識を継続的に更新し、深化させることができる。


(デメリット)


・時間とリソースの制約

実際の状況や文脈で学ぶためには、時間や資源が多く必要。個別指導や小グループでの学習が多くなるため、効率的な運営が求められる。


・評価の難しさ

学習の成果を定量的に評価することが難しい場合があり、実践的なスキルや知識の習得度を測るための評価基準の設定が課題となる。


・均一性の欠如

学習者ごとに異なる状況や文脈で学ぶため、習得する内容や経験が均一ではなくなる可能性がある。全員が同じ基準で学ぶことが難しくなる。


・指導者の役割

指導者は高度なスキルと経験を持ち、学習者を効果的にサポートする必要があり、適切な指導者が不足している場合、学習の質が低下するリスクがある。


・適用範囲の制限

特定の状況や文脈に依存するため、すべての学習内容や分野に適用できるわけなく、特に抽象的な理論や概念の学習には不向きな場合がある。


といったようなことですね。


基本的には、


”環境 ”や ”状況 ” による「学習」

”環境 ”や ”状況 ” で「学習」は変わってくる


ということで、それは正論ですね?


この考えの多くは、社会というか ” 企業でよく実施される ” と思われがちですが、現在の「学校教育」こそ「状況的学習法(Situated Learning)」そのものです。


「学校教育」において中学、高校と登って(?)いく度に、その適用は強化されていきます。

 

大昔のように、地元の公立小学校、公立中学校、公立高校へ、、というような状況ではなく、現在は、幼稚園受験、小学校受験、中学受験、高校受験で、あえて、「状況的学習法(Situated Learning)」を選択しています。

 

例えば、東大○○人合格、、などという ” 他人の功績(?) ” を自分の将来と重ねて受験をしたりします。

実際のところ、


” 学校の実績など他人事でしかない ”


のですが、それでも多くの人たちの思考基準となっています。


確かに、そういった学校に入って同じ方向を向いた人たちと共に学ぶということは、成果を出すという点においては、ほとんどの人にとって「よい学習法」なのかもしれません。

また、その状況の中で、周りの人たちが、あのへ行っているから行きたい、、、というのも同じです。


現実としては、学習者が「学習すること」により知識やスキルは習得されるわけですから、このような状況でも「学習」をすれば成果はでます。


しかし、それが学習者の望む行き先なのかは難しいですね。


本当は読書が好きで文学部に行って学びたいと思っている人も、そういった流れに乗って医学部へ行ったりします。


また、スーパーエリート校だからといって、全員が東大や医学部に合格できるわけではありません。

 

相対評価の中で、「キミの学力では、〇×大学の△◇学部が限界だ」などということになったりします。

 

周りの生徒が遊んでばかりの学校で、自分だけが「学習」するというのはとても困難なことですが、不可能ではありませんし、スーパーエリートばかりの中で、どんなに「学習」してもついていけない(学習していないだけのことですが)という劣等感からドロップアウトする人もでてきます。


そこで、「状況的学習法(Situated Learning)」の有用性について考えてみると、

 

どんな学校も、まともな「教育」など行っていないというこの状況では(本人たちは素晴らしい「教育」を行っているつもりになっているのでしょうが)、公立学校でも、通信制でも、ホームスクーリングであろうが、本当に学びたいコトがあり、それが学べる学校を目指すのなら、「状況的学習法(Situated Learning)」大した有用性は無いと思います。


とはいえ、人間の意志など弱いモノですから、「状況的学習法(Situated Learning)」を利用して、自分をその場に置き、流れに乗って、自分の行き先が見つかるまで続ける、というのもダメだとは思いません。


「学習」するのは「学習者自身」ですから、どのような環境、状況であれ、自分が「学習」できればいいということです。

 

実際には難しいことですが、、、、