今回は、 ” 「AI活用率」を「社員評価」のファクターに? ” というテーマで考えてみます。

このところ、海外の複数企業で、 ” 「AI活用率」を「社員評価」のファクターにする ” ということが話題になっています。
まぁ、今の時代ですから、多くの業務で多くの人が 「 AI 」 を使っているでしょう?
現状では、「 AI活用事例 」 を共有し業務の効率化をはかっているという企業が当たり前だと思います。
勿論、それはそれでいいし、何も間違ってはいません。ツールを使うことにより、業務効率化することは営利企業としては大昔からやってきたことです。
しかし、物事のプロセスには「過渡期」があります。「 AI 」 の使用については今がその時であり、古い状態から新しい状態へと移り変わる中間の時期であるわけです。
そして、「過渡期」には多くの試行錯誤が繰り返されます。
”「AI活用率」を「社員評価」のファクターに? ” というのも、その1つだとは思います。
「 AI 」 導入・運用には多額の投資が発生しますから、一見するとなんとなく整合性があるようにも考えられます。
(「AI活用率」を「社員評価」のファクターにすること)
(メリット)
・業務効率化への行動変容を促進
「AIを活用すること」が評価対象になることで、ツールを試す、業務を見直すといった自発的改善行動が増え、個人の生産性が底上げされる。
・スキルの可視化(AIリテラシー評価)
従来評価しづらかった、AI理解力、プロンプト力、ツール選定能力を評価可能となる。
・ 若手・デジタル人材の評価機会が増える
経験や年次が重視せず、AIを使いこなす人材が短期間で成果を可視化でき、評価の公平性が改善される。
・組織全体のDX加速
個人単位で評価されることで部門任せではなく「全員がDX推進者」になることができる。
・ナレッジ共有の活性化
AIの使い方は個人差が大きいため、効率的な活用事例が共有されやすくなり、学習組織化につながる。
(デメリット)
・「使っているフリ問題」(形骸化)
評価のためにとりあえずAIを使う、実質効果がない活用を報告することが発生し、本質的な成果と乖離する(KPIが「利用率」だけだとほぼ確実に起きる)。
・成果より手段が重視される歪み
「どれだけ成果を出したか」が重要だが、「AIをどれだけ使ったか」が評価に影響され、非AIで高成果の人が不利になる可能性がある。
・職種・業務による不公平
AI活用しやすい仕事と、難しい仕事があり、評価制度としての公平性が崩れやすい。
・スキル格差の固定化
デジタル格差(社内デバイド)が拡大し、AIに強い人はさらに評価が上がり、苦手な人は遅れる。
・セキュリティ・コンプライアンスリスク
評価されるために、社外AIに機密情報を入力する、無許可ツールを使うといった行動が増えるリスクがある。
・思考停止・依存のリスク
自分で考えない、表面的理解で済ませることが多くなり、長期的に専門性が弱くなる可能性がある。
・評価設計の難易度が高い
単純な「活用率」は問題が多く、何を「活用」と定義するか、頻度か、影響度か、定性評価とのバランスなど、設計が難しい。
ということです。
「 AI活用 」を推進することには確かに少しは効果があると思いますが、結局は、
” 本末転倒 ”
ですね?
こういったことは経営トップ層もしくは、人事(ひとごと)部の安易な発想です。
が、会社のブランド、部署(ひとごと部)の評価としての方略としては十分にあり得るとは思います。
「成果」「効果」はともかく、、、、といったことは ” 大人の事情 ” でもあり、” 利己主義 ”、 ” 事例絶対主義 ” が重視される企業においては容易に許容されます。
とはいえ、” かなりのムダ ” であることに違いはないですね、、、
まぁ、あと数年したら(笑い話になり)こんなことも無くなるとは思いますが、「 AI 活用」については、何にせよまだまだ ” 過渡期 ” だということだと思います。