今日は、日本における「英語教育」と、「社内公用語の英語」について考察をしてみたいと思います。
「学校教育」「企業内教育」それぞれで「英語教育」が行われていますが、どうも「教育」の方向性が違うように感じられるのです。
まずは、「学校教育」での「英語教育」について、
政府主導で、小学校、中学校、高校と「英語教育」が行われています。
このところ、某教育関連企業がらみのスキャンダル(?)で有名になりましたが、それまでの「単語記憶」「リーディング」「文法」等の教育から、コミュニケーション重視、グローバル化対策(?)ということで「リスニング」「スピーキング」が加えられました。
勿論、今の時代に「英語」を学ばないという選択肢はほとんどありません。外国人とのコミュニケーションもとれたほうがいいでしょう!
しかし、大きな問題になったのは、大学受験に「スピーキング」を取り入れるということでしたね、、、
「リスニング」でさえ機器の不具合や、各環境(周りが煩いとか、、)によって平等でないのに、さすがに「スピーキング」は無理でしょう?
機械がするのか、人がやるのかにかかわらず、「スピーキング」の評価を大学入試でやるのはあまりに不平等だと思います。
そういった問題点がクリアできずに、とりあえずは延期となったようですが、今後も教育関連企業のプッシュで、やがて「スピーキング」も取り入れられるようになるかもしれません、、、、
しかし、ここで本当に問題なのは、悪徳業者暗躍の話ではなくて、「学習目標」がこれまでとは全く違ってしまうということです。
学校において「学習目標」が大きく変わるというのは、非常に多くの問題を生みます。
従来の学校での「英語教育」の「学習目標」は、「単語」を覚えて、「文法」を覚えて、「英文」を読んで問題に答えることができる、ということでしたが、「スピーキング」が入ってくると、「話せる」「コミュニケーション」が取れるということも「学習目標」になります。
これは、他の科目には無い「学習目標」です。
つまり、違う分類の目標が増えるというのは学習者にとって大きな負担になるということです。
学習の方法も変わりますし、自分1人で学習が難しいです。
また、学校の先生がちゃんとした発音で「スピーキング」を教えられるでしょうか?
それゆえ、こういった種類の「学習目標」を達成するためには、お金も時間も今以上にかかるようになります。
週に2,3回の学習塾通いに加えて、「英会話教室」へも通わなければならなくなります。
そういうことができる人も少しはいるでしょうが、現実的に考えて難しい人が大多数ではないでしょうか?
大学に行こうと思ったら、芸術もスポーツも音楽も、プログラミングも、、、捨てなければならなくなるように思います。
つぎは、「企業内教育」での「英語教育」ですが、
これは通常は「企業」が講師を雇ってボランティア精神(?)で機会を与えていることが多いですね?
それはそれでいいのではないかと思います。
学びたい人が、学びたいことを、学べるのですから!
ということで、「英語教育」については、「学校教育」と「企業内教育」では方向性が全く違うということですね。
で、、、、
今回は「企業」をずいぶん持ち上げました(?)が、「企業」における「英語」ということでは、もう一つ「社内公用語の英語」というのがあります。
「社内公用語の英語」については、採用している企業はあまり多くないですが、「楽天」「ファーストリテイリング」等がやりだしてから徐々に増え、今後も増えていくような気もします。
日本における日本企業の「社内公用語の英語」は、ジャストインタイム(Just In Time、JIT)を完全に無視した、「ムダ・ムラ・ムリ」の極致だと考えます。
聞くところによると、「日本人だけの会議」においてもすべて「英語」でやるとか徹底されている会社もあるようで、、、、、
はっきり言って「愚か」としか思えません。
「言語」「言葉」を馬鹿にしすぎですね!
(まぁ、自分が「英語」を喋れないという僻み(?)、劣等感も若干はありますが、、)
海外に行って仕事をする人なら「英語」は必要でしょう!
仕事を一緒にする人が外国人なら「英語」は必要でしょう!
学術論文を書いたり、読んだりする人なら「英語」は必要でしょう!
しかし、
日本国内の経理をしている人が「英語」で会話する必要がありますか?
日本人が顧客で「英語」で喋りますか?
「英語」は喋れるが、仕事のできない人が異常に多くないですか?
「グローバル化」、、、というトレンドに踊らされて、素晴らしい制度だと思って取り入れたのでしょうが、、、
「英語」が必要な時に、「英語」を喋れる人を雇えばいいだけのことで、「社内公用語の英語」を採用している会社は、トータルな「生産性」「コスト」のロスが非常に大きいのではないでしょうか?
というより、「AI」や自動翻訳でよくないだろうか?